2024年07月03日

子どものやる気を引き出す 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆ 見て見ぬ振りをしてみよう! ☆

 

◇街を歩いていると、お母さんが子どもを叱っている場面に出くわすことがあります。

 子どもを道の端に寄せて諭すように叱っているお母さんや、また、あるお母さんは子どもを叱りつけて、自分は、すたこらさっさとばかり、泣いている子どもを置いてきぼりにして、子どもがついてこないとさらに遠くから怒鳴っていたりします。

 

◇私などは後者の叱り方で育てられたので、別段その叱り方がひどいとは思いませんが、置いてきぼりの子どもが歩み寄った時に、お母さんがどう優しい言葉をかけるのかは、ちょっと気になります。
思いっきり叱った後は、優しい言葉をかけて欲しいものです。お母さんは僕を、私を嫌いじゃないんだって、子どもがわかるように。

 

◇ところで、叱るには原因があるはずですが、たまにはお母さんが見て見ぬ振りをしてあげることを今回はお願いしたいと思います。

 何から何まで、子どもの失敗や悪さを注意し、叱るのは、子どもの心の成長にとってマイナスになる可能性が大きいのです。

 子どもが失敗を恐れるようになりますし、お母さんの愛情が子どもに伝わりにくくなってしまうのです。そして、子ども自身のセルフエスティームがどんどん下がってしまいます。

 

◇ですから、何から何までお母さんが目を光らせて注意しないで、自然に任せることを考えてみてください。全部とは言いませんが、ちょっと最近叱りすぎだなと思ったら、ぐっと我慢して、後でさりげなく、お母さんは知っているのよ、という感じで、伝えてみて欲しいのです。こんな風に。

  
お母さん:A君、最近頑張っているわね。

A 君 :なにが?

お母さん:昨日なんか、早く宿題を済ませてたじゃない。

A 君 :まあね。早く遊びに行きたかったから。

お母さん:凄いじゃない。宿題を済ませてから遊ぶって約束、ちゃんと守っているんだから。

A 君 :そうしないと、お母さんが怒るでしょ?だからさ。

お母さん:それでも、凄いと思うわ。A君は、約束を守れるようになったのね。宿題が出来るようになった。次は、この前のように弟のB君をいじめないようにするのね。

 

◇A君に悪いという意識があれば、A君は、悪いことをしたことをしっかり覚えているはずですから、さりげなく注意しても効くはずです。
 いつも叱りすぎているお母さんは、さりげなく注意してみるのも一つの手だと思います。
 見て見ぬ振りをする努力をお母さんは、たまにはしてみてはいかがでしょうか。
 

 『たまには、見て見ぬ振りを!』

 

 

☆ 積極的に人の話を聴く! ☆

 

◇前回は、親が子どもをおおらかに見ていくために、たまには見て見ぬふりをしようということを書きました。今回は、子どもとの向き合い方の基本を書いてみたいと思います。
 「積極的に人の話を聴く」ということについてです。

 

◇私たちの日常は非常に忙しいものです。ですから、子どもの話を「ながら族」で聞いてしまう場合が多いのではないでしょうか。
 子どもは、自分が話したい時に突然話し出すところがありますから、こちらとしても、何かの途中で話を聞くことになってしまいがちです。

 

◇子どもの様子がちょっと気になる時などは、どのお母さん(お父さん)も子どもの話を聞こうと思うはずです。そういう時に、どういう聞き方が良いのか考えてみます。

 

まず注意事項を挙げます。

 

1.子どもの顔を見ながら話を聴く。
 子どもに集中して話を聴くようにします。頭で違うことを考えていると、相手は話を聞いていないのかと不安になるものです。ですから、しっかり話に集中しましょう。

 

2.子どもの話を途中でさえぎらない。

お母さん(お父さん)は、子どもの話をさえぎって、自分の意見を言ったり、子どもに教えたり、注意したりすることがあります。「それは、あなたが悪いのよ!」とか、「もっとA君と仲良くしなくては駄目よ!」などなど。子どもの話を聞こうとするならば、最後まで話を聴いてほしいのです。

 

3.子どもの感情的な言葉や表現から、子どもの感情を理解しようとして聴く。

 子どもの表現の奥にある、子どもの真意を聴き取ろうと意識を集中してください。

 

4.子どもの話すペースで相づちをうったり、うなづいたりする。

 お母さんが、自分の話を聴いてくれていると子どもに伝えるための動作です。

 

5.子どもの感情を子どもに投げ返しながら聴く。

 「悲しかったのね」とか「うれしかったのよね」などなど、子どもの感情を類推して、投げかけることで、子どもは、自分の感情を相手が受容してくれていると実感するものです。

 

◇私たち大人は、子どもは小さいから何も知らないのだと思いがちですが、そうではありません。
 子どもには子どもなりの考えがあり、子どもながらに自尊の感情もあります。子どもを自律的な大人に育てたければ、子ども自身でいろいろなことを決定させることです。

 

◇そのために、子どもの心の底にある本当の気持ちを引き出すように、子どもの話を聴くことが重要なのです。人間は、自分の感情を他人に言うことで落ち着くものです。そして、冷静に判断するものです。子どもの気持ちの自覚化を促す聴き方こそ、積極的に子どもの気持ちを聴くという聴き方だと思います。

 

◇何か子どもが、感情的になっていたら、この積極的な聴き方を試して欲しいのです。根気強く、子どもの本当の気持ちを、子どもの話の中から聴き取って、子どもを理解していくようにしたいものです。
 親が子どもを理解し出すと、子どもは、安心して色々なことに取り組めるようになるはずです。

 

『積極的に人の話を聴く!』