2024年07月20日

私立高校入試だから内申はあまり重要ではない?ーいえいえ、とんでもない誤解です


20年、30年前の私立高校入試の感覚(特に保護者の方の世代)であれば、

 

『内申があまり良くないから私立高校』

 

といったイメージを今も持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

 

答えは、「ノー」です。

 

もちろん、私立高校は独自の教育理念に基づいて、学習指導要領の範囲内で、様々な独自教育を行っておられます。

そういった意味においても、自校に入学してもらいたい人物像があるのは当然のことかもしれません。

 

もう少し具体的に申し上げますと、公立高校入試、特にわが兵庫県においては、内申点が半分、当日の学力試験が半分と50:50の比率

をもっている非常に内申比重の高い都道府県になります。

 

しかも、5科よりも副教科の内申比重が高い(5科は4倍、副教科は7.5倍)ので、副教科をしっかりやることは内申上は有利になります。

あっ、もちろん、5科が重要で、副教科はそうではないという意味ではなく、どのしっかりと受けないといけないことは当たり前ですが。

 

そうすると、5科はできるのに、副教科の実技がいろいろ苦手で、内申点が伸びないというケースも当然出てきます。

逆に、5科はオール3でも、副教科がオール5であれば、内申210点(満点250点)といった極端な例も出てきます。

 

例えば、第2学区(特に西宮)では、市立西宮高校を受験する生徒は、内申210~220点が目安となっており、その範囲には

入ってきてしまいます。(もちろん、市西であれば、内申満点250点の生徒も多く居りますが)

そうなりますと、5科できずにトップ校に入るわけですから、高校入学後、どうなるかはわかると思います。

 

その逆で副教科が苦手で、5科はできるのに公立のランクを落とさないといけないといった場合に、私立高校などが視野に入ってきます。

もちろん、その私立高校が気に入って、内申関係なく受験するケースも多いと思いますが、今回はそういったケースを考えてみます。

 

それと、これを言ってしまうと身も蓋もないのですが、

 

『内申点が本当にその子の実力を表しているのかどうか』という点です。

 

実力テストや模試であれば、その子どもの持っている実力が割と現れやすいですが、通知表で「5」を取っているからといって、

その教科の実力が本当にあるのかと言われると、すべてイコールではありません。

逆に通知表に「2」であっても、実力は非常にあるというのは当然あり得ます。

 

あくまでも内申は、各観点の到達度、授業態度、提出物など様々な要素でつくわけですから、当然そういったことが考えられます。

 

 

実はここが大きなポイントであるわけです。

 

私立高校は、独自の教育方針で、自校に入学してもらう像を決めているわけですから、その内申で実力を見るという観点だけでなく、

欠席はどうなのか、きちんと提出物などを出せてきっちりとしているのか、などなど様々な判断要素がそこに凝縮するわけです。

 

私立高校、公立高校とも「当日の学力試験」はもちろん一番大切な要素ではありますが、同一点数でどちらかを落とさなければならないと

いう際には当然内申点の内容が判断材料になりうるわけです。

 

私立高校によっては、コースや学科などで、希望人物像により、5科内申を重視するコース、特定の副教科を重視するコース、

5科のみを重視する、副教科はほぼ関係ないといったような学校も多くあります。

 

ただ、言えるのは、私立高校専願で受験するから、内申点は必要ない、授業態度もだらけていい、学校の先生に反抗してもよい、

提出物も出さなくていいといったようなことは、全くもって「ノー」ですので、くれぐれもそんな勘違いのないようにお願いできればと

思います。

 

もっと詳しくは9月の入試説明会でお話できればと思います。