2024年09月07日

塾長コラム


おかげさまをもちまして、サマプロ2024も大きなトラブルもなく終えることができました。

保護者の皆様におかれましては、色々とご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。有難うございました。

サマプロにつきましては、他ページで色々と振り返っておりますので、小職からは別のお話を。

 

英検の難化が進んでいます。

 

ご存じの通り、今年から3級以上のライティングが1問増え、2級では要約問題が増えており、一気に難化が進んだように思います。

第1回英検も様子見な方も多かったかもしれませんが、特に英検2級の合格率が昨年までとは一気に下がっているというデータが出ております。

 

小職も以前から、「英検の取得級が本当に英語力を表しているかどうかは極めて怪しい」という識者と同じような印象を受けておりましたが、今回、英検は本気を出してきた感がありありな様子です。

 

以前の英検であれば、ある程度の感覚を磨き、フィーリング読みができる程度の語彙力をつければ、合格に達していたことも多かったのですが、4技能が重視されるようになってからは、級の取得よりもCSEスコアを重視することも多くなり、同時に4技能をしっかりと磨いていかなくてはならないといったことが今回の合格率の低下につながっている面もあるかと思います。

 

もともと、英語力の担保として、共通テストから英語を外して、外部試験で代替するといった流れの中で、外部試験が見直しをされ、共通テストにもReadingとListeningが課されたままで、高校生には現状では負担増でしかない状況は今後変わっていくのか注視していかなくてはなりません。

一時は英検はオワコンなんて言われていた時代もありましたが、今ではすっかり「英検は全員取得しなければならないもの」という所までランクを上げていますので、より難化に向かい、格を上げていくのも理解できる状況です。

 

そのような中、高校入試で英検取得が加点になったり、大学入試では取得が条件であったり、加点になったり、点数読み替えがあったりと受験生や受験生の保護者の皆さんには、英検を絶対にとらないという焦りも見受けられるようになりました。

 

もっと言いますと、中高附属校でも例えば高2の間までに2級を取得してなければ、附属大学へ上がれないといったような状況も生まれています。

 

共通テストや一般受験、学校推薦型入試(指定校・公募)、もっと言いますと総合型選抜においてさえ、英検取得が必要になるわけですから、英検を取得しないという選択肢はなくなりつつあるわけです。

 

ただ、ここで勘違い頂きたくない大きな点は、「英検取得」が「目的ではない」ことです。

 

あくまでも英検取得は「手段」であって、それを目的としてしまうと、安易に取得テクニックを求めてしまったり、安直な方法に走ろうとしてしまう邪な考えにいきついてしまうからです。

 

受験で、英検取得が求められているのは、その生徒に「確かな4技能の英語力がついているかどうか」を担保するためであるということを忘れないで頂きたいのです。

 

もちろん、建前と本音は切り分ける必要がありますが、あくまでも、英語力を高める学習をしっかり行いながら、その延長線上に英検取得、CSEスコアというものがあるわけです。

 

日本の英語教育は失敗と戦後ずっと言われてきたものを、この英語改革で大きく変革したいとい国の旗振りで、英語教育の充実を深化させていっていますが、ここはしっかりと目的と手段を間違えないようにしなくては、大きな禍根を残してしまう課題になるのではと危惧しています。

 

そういった面からも王道の英語力をつけるということを今までも大切にしてきましたし、これからも大切にしていきたいと考えているところです。

 

少し小難しい話をしてしまいましたが、しっかりと王道の学習方法を続けていれば、確実に英検取得は可能ですので、生徒の皆さんは何とか楽して英検の取得だけを目標にするという考えになることだけは避けて頂きたいなと思っています。

 

国際基準であるCEFRにあわせ、英検の級も、来年度からは「準2級プラス」という級が新設されます。

2級と準2級の難易度の差をプラスで埋める形になります。

 

そういった意味でも2級の難易度がこれからどんどん上がっていくと考えられますので、中学、高校の英語学習をより一層充実させ基本に忠実にやってもらいたいと思っております。

 

アドバンスにおいても、それにあわせた改訂は随時行って参りますので、「英語に強いアドバンス」という有難いお言葉を胸に、これからも頑張っていきたいと思います。

 

これからもよろしくお願いいたします。