2025年07月12日

塾長コラム


◆サマープログラムに向けて ~学期末を終え、次のステージへ~

早いもので、今年もいよいよサマープログラムの時期に入りました。中学生・高校生ともに、1学期の山場である期末テストも概ね終了し(※二学期制の学校を除く)、学校の懇談などを通じて、通知表の内容も徐々に明らかになってきている時期です。

 

◆情報発信のスタイルを進化させています

昨年度より、「アドバンスタイムズ」のデジタル化を少しずつ進めており、発行回数は減少傾向にありますが、その分、ホームページ上のブログを定期的に更新し、よりタイムリーで実用的な情報を発信できる体制を整えております。

 

◆期末テストの成果と今後の課題

 中学生の期末テストでは、前回よりも点数が向上した生徒がほとんどで、特に中3生では大幅な得点アップが多数見られ、うれしい報告が相次いでいます。1学期は中間テストが実施されなかった学校も多く、期末テストの範囲が広い上に副教科も加わるなど、学習時間や計画に苦労された方も少なくなかったと思います。高校生についても、進度の早さと内容の難化が進む中で、高1生の踏ん張りが印象的でした。特に数学Iでは、200名規模の中で学年1位を獲得した生徒もおり、大健闘でした。

 

◆注視すべき「高1クライシス」

高校1年生は、学習面だけでなく精神的な環境の変化にも直面する時期です。新しい人間関係や自分の位置づけに悩み、不安定になることも多く、これがいわゆる「高1クライシス(高1の壁)」と呼ばれる現象です。

弊社のブログでもたびたび取り上げていますが、9月に入ると高1クライシス関連の記事のページビューが急増し、多くのご家庭がその問題に直面していることを実感します。

こうした背景をふまえ、私たちは「子どもたちの居場所(イバショ)」づくりにも取り組んでおり、フリースクールの開校など多面的な支援を続けてまいります。

 

◆もうひとつの課題「中1ギャップ」〜特に英語に注目

最近増えているもう一つの課題が、「中1ギャップ」です。これは、小学生から中学生への環境の変化にうまく対応できず、特に英語において深刻な影響が見られるケースです。

現在、小学5年生から英語が教科化され、小学3年生から段階的に導入されていますが、この「早期英語教育」が中学英語との接続の不整合を引き起こしているように思えます。

 

◆小学英語と中学英語のズレ

小学校の英語では「話す・聞く」に重点を置き、「楽しく学ぶ」ことがメインです。その中で、様々な表現が体系的な文法説明なしに導入され、「なんとなくわかる・なんとなくわからない」状態で進んでいくことが多くあります。

その結果、英語の“音”には慣れていても、“意味”や“文法”の理解が曖昧なまま中学に進学するケースが増加しています。

ところが中学英語では、Lesson1からいきなりbe動詞と一般動詞が同時に登場し、英単語のスペルや文法知識が求められるため、小学校とのギャップで戸惑う生徒が多数発生しています。進行形や助動詞canも早期に学習が進み、英語嫌いに拍車がかかることも少なくありません。

 

◆英語教育の課題

本来、「音」を重視した英語教育を目指すのであれば、評価方法自体も音声中心に改革すべきです。しかし、現状の教育制度ではペーパーテスト中心の評価から抜け出せておらず、書くことを後回しにしていたはずの小学生に、急に“書け”と求める構造になっています。

このような矛盾が、「英語嫌い」の温床になっていないか検証と対策が求められています。

 

◆サマプロ名物 英語構文

また、10月の英検に向け、私が担当しております「英語構文」の授業を多数ご受講いただき、心より感謝申し上げます。

英語を「なんとなく読む」から「きちんと理解して読む」へとステップアップするうえで、英文の構造を正確に読み解く力=構文把握力は、避けて通れない大切な要素です。特に英検準2級〜2級以上の長文では、一文の構造が複雑になり、訳語に頼るだけでは対応できない壁に多くの生徒が直面します。

そのような背景から、私がこの「英語構文授業」をサマープログラムの一環として担当し始めて、すでに十数年が経ちました。テキストの内容や構成は、時代や入試傾向、英検問題の変化に合わせて毎年ブラッシュアップを重ねておりますが、生徒たちに“英文の骨格をつかませる”という情熱だけは、今も一切変わっておりません。

毎年、英語に自信を持てなかった生徒たちが、構文を理解することによって様々なアンケートを記入してくれています。手前みそですが少しご紹介します。

 

「丸暗記ではなく理屈で理解できるようになった」

「長文が読めるようになった」

「英検に合格できた」

「大学入試に大変役にたった」

「授業後何回も復習をすることで英語力が伸びたと自分自身で実感できるようになった」

 

といった喜びの声を聞かせてくれます。そうした瞬間こそが、私にとって何よりの原動力です。

今年の夏も、一人でも多くの高校生に「英語を読める実感」や「合格できる自信」をつかんでもらえるよう、全力で授業に臨んでまいります。英検対策はもちろん、これからの大学受験や英語学習全般の土台づくりにもつながる構文理解――ぜひこの夏の大きな収穫にしていただければ幸いです。

 

◆まとめにかえて

 サマープログラムは、こうした学習のギャップやメンタル面の不安を埋める絶好の機会です。
 1学期の成果をふまえ、2学期以降への大きな一歩となるよう、子どもたち一人ひとりの状況に寄り添いながら、全力でサポートしてまいります。

 暑い夏ではありますが、熱い気持ちとクールな行動を目指して、頑張りたいと思います。保護者の皆様のご支援ご協力何卒よろしくお願い申し上げます。