2016年06月30日

塾長コラム


早いもので6月も下旬となりました。面談期間真っ最中で、保護者の方と色々なお話をさせて頂き、我々が存じ上げないことを教えて頂いたり、保護者の方がお子様の塾での様子で喜ばれたりと膝詰めでお話できることの大切さを改めて感じている次第です。

 

とかく、デジタル化やIT化が進んでおり、うまく活用していくことは大切だと思いますが、すべてがデジタル化であれば、人間が人間として存在するのも味気なく、やはり面と向かって話したり、笑ったりすることの大事さを感じざるを得ません。

 

さて、サマプロの直前となり、既に受講申込確認書を頂戴している方から随時、シフトを入力し、講師陣にも可能日程を確認するなどし、着々と準備が進んでおります。

 

受講生全員が「自分史上、最高の夏に。」することができるよう、我々ができることは万全の体制で臨んでいきたいと思っております。

 

さて、面談などでもよくご質問頂いたり、お悩みのご相談を受けることも多いのですが、一度、落ち着いた時期に特集を組ませて頂きたいと考えておりますのは、次の2点です。

 

①保護者の方がどこまでお子様に関わったら良いのか、関わってはいけない範囲はどこなのか

→いわゆる子育て上のことで、保護者の方が気にされているのは過保護になっているのではないか、過干渉になっているのではないかという点だと思います。

 

②どう考えてもできないことが多すぎて、発達上の問題があるのではないか

→いわゆる発達障害(学習障害・ADHD・自閉症スペクトラム)のことをご心配されていると思います。

 

この2点については、よく面談でご相談を受けることが多い内容であり、我々も実践的に学んでいくと同時に、書物やセミナーなどからの情報を得て、各種機関とも連携をしたりしておりますが、まだまだ完全に十分とは言えない状況です。

 

まず①につきまして、過保護と過干渉というのは、子どもを育てていく上で、避けては通れない道で、全くの放任や放棄というわけではありませんので、非常に難しい問題ではありますが、過保護と過干渉の違いについて、心理学上や学説上、共通の認識になっていることをまず、お伝えしたいと思います。

 

過保護・・・子どもの望んでいることを親がやり過ぎること。

過干渉・・・子どもの望んでいないことを親がやり過ぎること。

大きな違いは以上のようです。

 

また、この過保護・過干渉を考える前に、よく伝えられている【子育て四訓】を挙げてみたいと思います。

 

 ①乳児はしっかり肌を離すな

 ②幼児は肌を離せ、手を離すな

 ③少年は手を離せ、目を離すな

 ④青年は目を離せ、心を離すな

 

このそれぞれの時期がいつかというのも難しい部分がありますが、①保育園・幼稚園②小学生③中学生④高校生と考えてみてはいかがでしょうか。(個人的には④はもう少し後かなという気もしますが)

 

この四訓の意味を味わってみて、普段のお子様への言動を振り返って頂くと良いのではと思っています。

 

大前提として、中学生・高校生という思春期の時期になりますと、自我が芽生えてくる時期ですから、「一人の人間」として接していくことが肝要と言われます。

 

「親が望んでいること」=「子ども望んでいること」ではない現実があります。

 

保護者の方としては、当然、よかれと思って言われていることも、子どもからすると嫌悪感を持ってしまう時期が思春期です。

 

そういった意味で、子どもの望んでいることを後押しした行動であるのどうかという基準を是非持って頂ければと思います。

 

ただし、子どもが欲しがることを何でも与えてしまったり、欲しがっていないのに与えてしまうと、与えられるのが当然になってしまいます。

 

また子どもがちょっとできないとすぐに手を出してしまい、早々と手助けをしてしまうのも、周囲が何でも助けてくれると思いがちになってしまい、自分で行うことや考えることを放棄してしまう場合があります。

 

②の発達障害については、発達障害者支援法もできここ10年程度で社会的認知度が高まってきている問題です。ただ、本当に難しい問題が含有されており、大人だけでなく、子どもも周囲の理解や適切な対応がなければ、自己否定感に苛まれてしまうような恐れもあり、非常に慎重な対処が望まれる所です。

 

大人の発達障害もございますが、まずは児童生徒と考えますと、文部科学省の調査によると6.5%が発達障害の可能性があるとされる児童生徒の割合です。特別支援学級を除く通常学級を対象としたデータのため、実際には6.5%よりも高いと言われています。

 

発達障害は、学習障害・ADHD・自閉症スペクトラムなど、様々な診断があり、学習面では全く問題がない場合も多く、すべてを一括りにするのも適していないと考えます。

 

学習障害(LD)も、文字についてのLD、計算についてのLDなど、様々な分野もあり、ADHDや自閉症スペクトラムと複合的な場合もあります。

 

そういった実は身近な問題を我々も現場では抱えており、公教育、私教育関わらず、理解と自らの勉強をしっかりと行っていかないといけないと切に感じております。

 

保護者の方のご相談に応じられるよう我々も更に色々な勉強をしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします

 

このような短いコラムでは中々お伝えしたいことも言葉足らずになってしまいがちですので、また折を見て特集などでご案内をさせて頂きたいと思います。