2020年01月22日

子どものやる気を引き出す!親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

 

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆ お子さんに「ありがとう」を言っていますか ☆ 

 

私が、仕事で付き合っている20代前半の男性がいます。

 

この人は、口癖のように「すみません」を連発します。私が、仕事上、気づいたことがあるので、彼に、「こうしたら、もっとよくなるんじゃないかな」と、私としては気軽に提案しているつもりなのですが、話が終わると、「すみません」と返って来るのです。

 

この男性は、長く「偉いね」と褒められて育ってきたんじゃないかと感じています。「偉い」と褒めることがなぜ問題なのか?と疑問をお持ちの方も多いと思います。

 

「偉い」の反対は何かと考えると、「偉い」と褒めることのリスクが予想できます。そうです。「偉くない」です。「偉い」と褒められた時は、功績が認められたかに感じますが、何も言われない時は、要するに『偉くない』のです。

 

「偉くない」は、基準に達していない、言い換えれば「不合格」ともとれます。だから、褒め言葉を言われる時以外は、ストレスがたまりやすいのです。結局、褒めらる時以外は、「すみません(基準に達しなくて)」となってしまいがちなのです。

 

そこで、先ほどの彼に、「これから、『すみません』という代わりに、『ありがとう!』と言ってくれないかな」とお願いしたところ、すぐに「ありがとうございます」と言われ、その時の気分の良さは格別でした。

 

私は「すごい。気分がいいよ。『ありがとう』」と伝えました。

 

その後、普段は、あまり自分から話しをする印象のなかった彼でしたが、

 

「〇〇のこと、こうしたいのですが・・・」

 

と提案してくれました。

 

彼と私が対等な人間関係(歳は親子ほどに違いますが)に、なった瞬間です。

 

「ありがとう」は、人間関係を対等にする魔法の言葉なのです。そして、「ありがとう」を伝えられた人は、「ありがとう」を使いたくなるのです。

 

是非、「ありがとう」を振り返り、家族をはじめ、様々な人間関係で「ありがとう」の言葉が飛び交うことを願います。

 

 

☆子どもの小さな変化を発見する ☆

 

私達、保護者は、子どもに成長してほしい、成果を挙げて欲しいと願い、努力を求めます。

 

しかし、努力がそのまま成果に現れれば良いのですが、大抵の場合、明確な成果はすぐには現れないのです。

 

努力と成果の関係を示すレミニセンスという理論があります。簡単に言うと、すぐに結果はでないという考え方で、これをグラフで示すと、横軸に時間をとり、縦軸に努力や成果をとります。

 

日々、コツコツと努力を続けていると、右上がりの直線(比例のグラフ)になるとすると、成果のグラフも、努力のグラフに順ずる右上がりの直線になるはずです。しかし、多くの場合、最初は、上がり方の鈍い(成長が目立たない)曲線になります。

 

しかし、やがて急激に上昇するようになり、やがて努力の直線と交わり、さらには努力の曲線を超える成果が現れるようになる時期がやってきます。努力を続けていれば、必ずこのような曲線の過程をたどるはずです。

 

ところが、努力の初期は成果があまり目立たないので、自分の努力を疑うことが良くあります。「なぜ、こんなに努力しているのに、成果が出ないのだ!?」と…。

 

また、まわりの支援する人も「なぜ結果が出ないのか?努力が足りないのか?」と不安や疑問を持つようになります。数値に現れるような成果を引き出すためには、この不安な時期を、本人はもちろん、まわりの支援する人も、何としても乗り越えることが必要なのです。

 

この時期を支えるのが、子どもの傍にいる、親であり先生なのです。
それならば、と、「この時期を乗り越えなければダメだよ」と伝えても、あまり効果は期待できません。大人にとってよくわかった過去であっても、子どもにとってはイメージしにくいまだ見ぬ未来だからです。

 

子どもは、子どもなりに努力をして、小さな変化は起こしているものです。その小さな変化を発見し、「あなたは努力しているよ。そして、既に成果が出ているよ!」というメッセージを伝え続けるのです。

 

子どもも、成果を感じることができれば「もう少し頑張ってみよう!」という気持ちが湧いて来るのです。

 

まずは、「子どもの小さな変化」を発見することです。