塾長コラム
3学期制の高校生の定期考査に突入する時期となりました。
先週、先々週と大半の中学校の期末考査が2週間に分かれ実施されていきました。それと同時に2学期制の高校生の前期試験も行われたり、高校も8校の皆さんが在籍してくれていますのでここ1ヶ月は定期考査の嵐の中のような状況です。
中学生においても、高校生においても「定期考査」はしっかりと頑張っていくのは当然のことなのですが、本末転倒になってはいけないのは、「定期考査前だけ勉強して、普段は勉強しない」といったことにならないことです。
ごく当たり前のことですが、たまにこのことを理解せずに、テスト前だけばたばた慌ただしく勉強(したつもり?!)になっている生徒がいたりしますので、そのような時はしっかりと「普段の学習の大切さ」の話を行います。
と言いましても、ここ1年、2年ではそういった生徒もほとんどいませんでしたので、大変嬉しいことです。
「定期考査はあくまで普段の学習の途中経過のチェックである」という意識をしっかり持ってもらい、日常学習を丁寧にやっていきながら、テスト前には少し踏ん張って、忘れていることの覚え直しや解きなおしを徹底するといった良質の学習方法にうちの塾生全員がなれればという思いで、日夜奮闘をしております。
先進的な学校では、定期考査をすべてなくしてしまったりだとか、毎日の宿題をなくしてしまうという学校も出てきているようですが、本来は一番の理想ではあると思います。
ただ、人間はある一定の目標(それもあまり長くない、短期的目標や中期的目標)などがないと、ついつい中だるみをしてしまったり、見失ってしまうことも多いため、さきほどの定期考査をなくした学校や宿題をなくした学校などがどのような効果を上げているのか、上げていくのか個人的には非常に興味があります。
そんな中、定期考査が終わった中学生たちが嬉しそうに個票を持ってきてくれたり、点数が上がったことを報告してくれたりすると本当に嬉しく思います。もちろん、「この教科はもっといけると思ったんだけど、ケアレスで何点落としてしまったから悔しい」といった言葉を聞くこともあります。この悔しいという感情を持てるということは、素晴らしいことで、悔しいから、次は意識してそこを直していこうという行動につながっていくからです。
目標点数宣言書という用紙に定対面談で目標点数を記入してもらい、結果が返ってくると、点数を記入して、「その感想」と「次への課題」を記入してもらうというのがアドバンスのルールとなっています。この次への課題が非常に大切で、結果が返ってきた時には、反省や感想なども当然出てくるのですが、しばらく時が過ぎ去ると、そういったことは忘れてしまい、次のテストでも同じことを繰り返してしまうというパターンになりがちです。それを防ぐためにも、結果が出た段階で、紙に記入して残しておくことは非常に有用なことだと考えています。
よく芸能人やスポーツ選手の大成された方は、ノートに目標を徹底して記入したり、壁に貼っていつも目にするようにするといったことをお聞きしますが、まさにそれと同じことだと考えています。
テストの後、一番良くないのが、点数だけを見て、子どもの言葉を聞くことなく、一方的に叱責をしてしまうといったことだと思います。
もちろん、誰も点数が悪いままでいいと思ってテストを受けているわけではありませんし、点数が悪かったことに一番ショックを受けているのは本人ですから、その傷に塩を塗り込むようなことは避けるべきだと考えています。それよりも、子どもの言葉をしっかりと聞いて、何が原因だったのか、なぜそうなってしまったのか、次に改善するにはどういうことが必要なのかということを、話し合っていくことが肝心です。
傾聴するということが、我々大人は苦手です。自分の意見をついつい相手の押し付けてしまいがちなところは誰にでもあります。
それが特に身近な人であればより一層、ついつい余計なひと言を言ってしまうことになりがちです。
最近でこそ、私も生徒と接する時はいつも自戒を込めて、しゃべり過ぎないようにという意識でやっておりますが、若い時などは本当にお恥ずかしい限りのこともございました。
そういう時は、一呼吸おいて、「自分の子ども」ではなく、「お友だちの子ども」という意識で、話すと冷静になれたりするとよく言われます。
わたくしたちも子どもたちと適切に心理的距離をうまく取りながら、目標に向かって伴走して参りたいと考えております。