2022年01月28日

子どものやる気を引き出す!親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません.

出典:マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆子どものやる気をくじく言葉☆

◇保護者面談などで、いろいろなお母さんが話してくれた親子の会話を思い起こすと、日常会話の中で、子どもたちは、随分とお母さんに手厳しく注意を受けていることが分かります。たとえば、こんな会話です。

A君 :これどうするんだっけ?

 

お母さん:何度も同じことを言わせないでよ!こうするんでしょ!

 

お母さん:宿題やったの?何で言われなきゃ出来ないのよ!

 

A君 :えっ?!忘れてただけだよ。

 

お母さん:いつになったらあなたは、自分で何でも出来るようになるのよ!

 

お母さん:テーブルのものを何で片付けないのよ!捨てちゃうわよ!

 

お母さん:今度こんな失敗したらお母さん、許さないからね!

 

◇こういう言葉は、子どもたちの小さなプライド(自尊感情:セルフ・エスティーム)をくじいています。ついつい出てしまった、お母さんの感情的な表現が、子どもたちの存在や価値観を傷つけているのです。

 

◇お母さんに考えてほしいのは、子どもたちを動かすものは、お母さんお父さんや周りの人の愛情なのだ。その端的な表現が、言葉なのだ。

 

そのことを忘れないようにして欲しいのです。

 

日常的に子どもに発する言葉で、多い表現は何でしょうか。ぜひ、リストアップしてみてください。

 

そして、それらの言葉が、子どものやる気を引き出すために有効なものなのかどうかを、一度、考えて欲しいのです。

 

恐怖政治よりは、民主政治を子どもは望んでいるはずです。

 

自主的で勇気があって、自律的な子どもを育てるために、どういう促しの言葉が大切なのかを、考えてみましょう。自分の表現リストに、子どものやる気を引き出す言葉を加えていきましょう。

 

 

☆わかりやすいコミュニケーションをとるために!☆

 

◇コミュニケーションを取ることの大切さは、いたるところで言われていますが、実は、コミュニケーションを取ってもなかなか理解できないこともあるものです。相手の言っていることを簡単に理解することは、実は相当大変なことなのです。

 

◇今回は、コミュニケーションについてアメリカの心理学者が、面白い実験をしたので紹介したいと思います。

 

◇こんな実験です。

二人一組になって、一方が手で机を叩いて相手に曲名を知らせるというものです。

 

◇心理学者の予想は、かなりの人が、曲名を当てるだろうということでしたが、予想は大きく外れたそうです。相手に対してただ手で机を叩くだけでは、曲名は、伝わらなかったのです。

 

◇私は、この実験を保護者の講演会で試したことがあります。まずシンプルな曲の「さくら」をやってみました。1・2名の方を除いてほとんどの参加者は、全く曲名すら思いつかなかったようです。

 

◇続いて、スマップの「夜空ノムコウ」を手で叩いてみましたが、誰もわかりませんでした。全く曲名が出てこなかったのです。

 

どんな音楽か、誰も全く分からなかったようです。そこで、今のはスマップの曲ですとヒントを与えたところ、数名の方が、すかさず答えを言ってくれました。

 

◇この実験で分かることは、わかりやすいコミュニケーションをするためには、理解を助ける枠組みや文脈が大切だということです。

 

◇親が心の中で思っていることは、子どもには、全く分からないのかもしれません。だから今から話すことの枠組みや文脈を子どもに示すことです。話の枠組みや文脈を親と子どもが共有してこそ、わかりやすいコミュニケーションが図れるのです。そのことをこの実験は教えてくれているのだと思います。

 

◇ヒントをもらうことで、相手の頭の中に音楽が流れ出すからこそ、手を叩くだけで曲のように聞こえてくるのです。もし、そういうヒントが与えられなければ、音楽という文脈が頭の中に流れないので、手で机を叩く音と音が結びつかず、曲が予想できないのです。

 

◇子どもと話す時は、話を聞く子どもの前提を考えてみましょう。スムーズなコミュニケーションを取るために、今から話をする枠組みを子どもと共有することです。

 

『話の枠組みを子どもと共有しましょう!』