2022年04月26日

学習塾のDX化


DXという言葉をご存じでしょうか。デラックスではありません。

 

DX=デジタルトランスフォーメーションの略です。内閣府ではSociety5.0と呼ばれ「仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムで、経済発展を社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」と定義づけられています。

 

・・・難しいですね(笑)

 

学習塾におけるDXとは、デジタル技術を活用して子どもたちの学びをより良いものにすること。であると言えます。
また、教育を取り巻く現状ではある通信制の高校に通う生徒が4年間で4万人増え、その中で「通学しない」という選択をした生徒も多くいるとのことです。

そして、そういった生徒がどうやって勉強をするのかといえば、デジタル教材を用いて学習を行っており、教育現場よりもそのスピード感は早いと言えそうです。

 

実際、私立高校などにお邪魔させて頂くこともあり「iPadを全生徒に配布し、プロジェクターも完備しました」というご説明を頂いた後、授業見学を致しますと、普通に黒板での授業がされている・・・という現場も数多く見て参りました。
そう考えると、デジタル化というのはまだまだ現場までは浸透していないのだなという印象も受けております。

 

しかし、現在の子どもたちはデジタルネイティブとも呼ばれるように、生まれたときからタブレットやPC、YouTubeなどに囲まれており、デジタルへの抵抗感は、我々親世代が思う以上に低いと思われます。
 実際、授業でもすぐに慣れ、ピンチアウトしたり、Bluetoothの設定をいじったりということが自然とできているので驚くこともあります。

 

またアドバンスでは、2006年からデジタル教材(弊社ではICT教材と呼んでいます)を導入し、現在で16年目になります。
今や大手予備校や出版会社なども様々なICT教材を出しており、少しは浸透し始めてきたのかなという印象ではあります。
しかし、やはり塾と言いますと先生が前に立って教えるもの。という印象を持たれている方もいらっしゃいます。私自身も小中高と塾に通っておりましたが、全て講師が前で話す形式の塾でした。
どうしてICT教材を活用しているのかといいますと、やはり、ICT教材の優位性が高い部分があるからです。

 

特に、いつでも同じ、質の高い授業を提供できるという点だと思います。
特に初めて習う単元の授業というのは、講師の力量が非常に問われます。
例えば、新卒の講師とベテランのICT教材の講師、どちらが授業が上手で、ポイントを押さえているかというと後者であることは明白です。

 

また、ICT教材は「何度でも」「いつでも」繰り返せる部分も大きな利点です。

では、デジタルだけでいいのかといいますと、そうとは考えておりません。それは、やはり「人の手」に勝るものはないと考えているからです。
例えば、機械では○×の判定はほぼ正確に、人よりも早くできるかもしれません。

 

しかし、途中式の判断であったりとか、考え方の道筋はあっているなどといった評価は、人間ではないとできないと考えています。

 

これは、どこに主軸を置くのかという点で変わって参りますが、「人間の力だけにこだわる形」「ICTと人間のハイブリッド型」そして「よりデジタルに依存する形」の3つに分かれます。

 

弊社は、部分的にICT教材を活用するハイブリッド形式を採用しています。

 

授業は、デジタルとのハイブリッドで行い、学習記録はデジタルとアナログの両方で行い、承認活動は人の手で行う、そういった棲み分けをすることで、効率的な学習や、生徒それぞれに合わせた細かい配慮を講師陣が行うことができるようになったと考えております。
本当に人の手をかけなければならない所に人の手をかけられるように、ICTで可能な所はICTをうまく利用するという形です。

 

今後も、教育現場でのデジタル化はどんどん進んでまいります。会社でもリモートワークが増えつつある中、学校自体が通学するものではなく、自宅でICT教材などを用いて学ぶという社会になるかもしれません。

 

しかし、どんな状況においても、全てを機械に任せられるかというとそうではなく、人の手を介しながら、より生徒たちの心に寄り添えっていくという教育はすべてがAIやICTに取って代わられるものではないと信じております。

 

デジタルとアナログを上手に活用しながら、本来の目的である、お子様の成長と成績向上を果たしていきたいと考えております。