2024年03月23日

成績が伸びる生徒と伸びない生徒


20年以上私塾で色々な生徒を指導してきまして、成績が伸びる生徒と伸びない生徒の特徴をまとめてみました。

 

まずは、成績が伸びる生徒

・アドバイスしたことをすぐに実践し、自分なりに工夫をしていく子ども

・真面目にこつこつと努力をし、何事にも一生懸命な子ども

・塾をほとんど休まない子ども

・宿題をきっちりとやってくる子ども

・模試の直しをしっかりとやる子ども

 

大きなフレームで言いますとこのような子どもは、時間が多少はあるにせよ、伸びていく傾向が強くあります。

この時間についてですが、できる限り早期に伸ばしたいという思いで、精一杯指導を行っていくわけですが、それまでに培ってきた習熟度の差異により、伸びていく時間にはやはり差が出てしまうことも事実です。

 

「うちに入れば必ずすぐに成績が向上します」

 

という塾があれば、少し眉唾で話を聞いて頂きたいものです。

 

もちろん、勉強のやり方がはまっておらず、それをはめてあげることによって、一気にすぐに成績が向上する子どももいます。

弊塾でも、入塾2ヶ月で定期テストの点数が5科で90点ほど一気にあがった子どももいます。

この子の場合は、やる気は十分だったのに、やり方の工夫が少し違うベクトルだったので、それを修正することによってすぐに結果が出たケースです。

 

もう一人の生徒は、1年半ほどかかりましたが、定期テスト5科で114点を前回より挙げた子どももいます。この子は徐々に上げていくタイプの子で、やればできるはずなのに、今一つエンジン全開といかず、1速から2速でしばらく進んでしまうという状況でたまに3速に入ったかなと思えばちょっとエンストしてしまうというような所もありました。ところがその114点を上げた時のテスト前は、1速→2速→3速と一気にギアチェンジをして、すぐに4速でスムーズに走り切って、気持ちの良いドライブでした。これは点数伸びるぞと思っていたところ、やはり一気にぐんときてくれたわけです。

 

 

この2つのケースでいいますと、その前提として、「信頼関係」というのが大きく影響していると思います。後者のすごいギアチェンジをした子どもも、最初からうまくギアチェンジをしていたわけでなく、色々な話を積み重ね、反省と次へ活かす話し合いを何度も行った結果、エンストすることなく、非常に安定した運転ができたわけです。いきなり何もなく急にということはありません。

 

いつもよく保護者の方には申し上げるのですが、「この先生の言うことなら聞いてやってもいいか」と子どもが思ってくれるようになるまで、しっかりとコミュニケーションを取って、お互いの信頼関係を構築していくことが、指導の前提にあると思っています。

 

特に思春期真っ盛りの子どもです。大人の論理で、正論を上から目線でぶちまけたとしても、プラスになるどころか、大きなマイナスになること間違え無しです。やはり、子どもの立場に立ちながらも、しっかりとした話し合いで、子どもにも理解してもらえるように話さなければ、聞く耳すら持ってくれません。

 

特に仕事でそれなりの役職、地位の立場におられる保護者の方が、正論だけで子どもと対峙して、うまくいかなくなるケースを多く見て参りました。それでなくても、親子間では難しいコミュニケーションを、仕事と同じようにとってしまうとうまくいきません。

 

少し話がずれてしまいましたが、信頼関係を構築することに全力を注ぎます。

 

また我々が意識しないといけないことは、講師の「言葉」ということです。

これは小職もまだまだ未熟な所が大いにあり、時に失敗してしまうこともあるのですが、講師の言葉は、自分が思う以上に、子どもにとって大きな言葉になるということです。

 

ですので、厳しいことを言う時もそれを踏まえて言葉を吟味して言わないといけないということです。

 

逆に、講師が「まだまだ大丈夫。これからしっかりやっていけばまだ間に合うよ」といった前向きな言葉については、「そっかまだ間に合うんだ」と希望を感じてもらう魔法の言葉になるため、できる限り、プラスの前向きな言葉をかけることも必要です。

 

逆に成績が伸びない生徒については、さきほどの逆と考えて頂ければと思うのですが、もう少し付け加えると、

・色々なことを安易に考えすぎている

・やることがいろいろ適当である

・自分のやり方に固執しまくる

・考えることを放棄する

といったところでしょうか。もっと具体的には色々ありますが、大きくはこんなところだと思います。

 

これを少しずつ修正していくのですが、三つ子の魂百までとはよくいったもので、小さい頃から積み重ねてきたものが、一人の人が言ったくらいで急に変化できれば苦労しません。これを少しずつ少しずつ修正していくのが我々の仕事の一つでもあります。

 

ただ、保護者の方もご認識がない(認識したくないというべきでしょうか)ケースで申し上げますと、「神経発達症(旧発達障害」」のケースです。

 

ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD、LDという特性を持たれたお子さまについては、違うアプローチからスタートしなければ、いわゆる二次被害が生じてしまい、子どもに深い傷を負わせてしまうケースがあるということです。

 

最近でこそ、こういった情報も多く知れ渡ることになり、多くの方も存じ上げられているとは思いますが、わが子がそうだという認識を持たない、持てない保護者の方も時折いらっしゃいます。

 

そういうケースの場合に、二次被害(子どもが自分はできないのだと大きな傷を受けて落ち込んでしまい立ち直れなくなる)を引き起こしてしまいます。

 

神経発達症は医師の診断が必要ですから、安易に言うべきではないことだと思います。ただ、ひょっとしてそうなのかもしれないというケースの場合は専門機関に相談されるなりといったことが、将来的な子どもの発育には良い場合も多いため、気になられた方はご相談頂ければと思います。

 

我々も私塾も神経発達症をお持ちだと思われるお子さまを多く預かってきました。前向きに一つ一つのことをクリアしていければ、大きな成果を出される場合も多くあります。我々も専門ではございませんが、今までの経験でご相談させて頂けるケースがあるかもしれません。

 

保護者の方もお一人にお悩みになられず、何かございましたら、まずはご相談頂ければと思います。