子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ
恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。
われわれもいつも読みながら、自分自身の行動、言動に思いを馳せております。
出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」
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☆子どもの行動を承認しよう!☆
お子さんが勉強していたり、お手伝いをしたりした時、皆さんは、どんな声をかけますか。
「なんてめずらしいこと。明日、雪が降るかもしれないわね!」
・・・なんて皮肉っぽい言い方は避けた方が良いことは、皆さんもうお気づきですよね。
それでは、
「自分から勉強するなんて、あなたは、えらい子ね」
「お手伝いできるなんて、あなたは、本当にいい子ね」
と、褒めてあげればいいのでしょうか。
親が子どもを褒める視点には、二通りあります。
一つは、上記のコメント例のように、人格に焦点を当てる場合です。
日頃、人格に焦点を当てて褒めていると、子どもにとって、少しでも
評価が不足していると感じたり、他の子が評価を受けていたりすると、
ひがんだりすねたりして、結果的に適切な行動を手放すことがあります。
もう一つは、行動に焦点を当てる場合です。
「自分から勉強ができるようになって嬉しいわ」
「お手伝いしてくれて、本当に助かるわ」
という褒め方です。
子どもにとってみれば、「相手(お母さん)が勝手に喜んでいる」だけで、「自分への評価」と感じることはありませんが、むしろ相手に喜んでもらえることに満足して、その適切な行動が続くのです。
特に、思春期のお子さんの場合は、「偉いわ」や「うれしいわ」なんて言われると、素直に受け止められないかもしれません。「うるさいな!」とか「静かにして!」なんて言葉が返される時です。
そんな時は、ニコニコ笑顔で「勉強しているんだ・・・」とか「手伝ってくれてありがとう」と、あっさり伝えるといいでしょう。褒めるというより、お子さんの行動をそのまま言葉に表現するだけで、お母さん(お父さん)の気持ちは伝わるのです。
是非、子どもの行動に焦点を当てて承認してみてください。
☆思春期の子どもとは友人として☆
10歳以降のお子さんをお持ちの保護者の方の中には、「昔は、非常に
素直だったのに・・・」と過去のお子さんとの関係を懐かしむ方も少なくないのではないでしょうか。
あんなにキラキラした目で、お母さん(ママ)、お父さん(パパ)!と、一日の出来事やたくさんの疑問を投げかけ、親を頼りにしていたあの子が・・・
今では、「うるさい!」「ムリ!」「別に!」と、何とも嘆かわしい応答に、「自分の育て方が悪かったのか?」とご自分を責めてみたり、「反抗期だから仕方がないことなのか?」と諦めたりしている様子を耳にすることがあります。
本当に育て方が悪かったのでしょうか?
反抗期だから仕方がないのでしょうか?
私はこの考えにNOです。
過去の子育てに問題があったかもしれませんが、今それを悔い悩んでも過去には戻れません。反抗期と言う環境に諦めて、うちひしがれていても、何の解決もしません。
それでは、どうしたらよいか。
それは、お子さんが、子どもから大人への過渡期、つまり、今、思春期を迎えていることを再認識して、思春期にあった適切なコミュニケーションを心がけることです。
昔を懐かしんで子どもを抱きあげてみてください。拒否をされるか、容易に抱きあげれないことに気づくはずです。そう、お子さんは、もう昔のお子さんではないのです。「そんな、さびしいこと」って嘆かないでください。
私は思春期の子どもを常に最大の友人と考えています。だから、友人として子どもと接するように心がけています。
あなたは、友人に命令をしますか?きっと、お願いをするはずです。
あなたは、友人が何かしてくれた時、「友人だから当たり前」と言いますか?きっと、「本当にありがとう」と伝えるはずです。
あなたは、友人に何か依頼されたら、「私には関係ない」と断りますか?きっと、「私にできることなら何でもするよ」と伝えるはずです。
あなたは、友人を評価しますか?
きっと、「あなたは大切な存在だ」と伝えているはずです。
あなたは、友人が間違った行いをしていると感じても、見逃していますか?きっと、「そんなことをする、あなたでいて欲しくない!」と伝えるはずです。
友人とは、持ちつ持たれつ、どちらが上でも下でもなく、付き合っているからこそ友人なのではないでしょうか?
もし、お子さんと更に良好な関係になりたいのでしたら、友人として
付き合ってみてください。お子さんにとって、お母さん(お父さん)との付き合い方が、本当の友人との付き合い方のお手本にもなることで
しょう。
☆ 口うるさい親を卒業する ☆
母:「太郎!早く起きなさい。学校に遅れるわよ!」
子:「わかっているよ」
少したって、
母:「何がわかっているの!?早く起きなさい。もう、お母さん知らないからね」
子:「・・・」
また、少したって
母:「太郎!まだ起きないの!?本当に遅刻するからね」
子:「わかっているよ。うるさいなぁ」
母:「お母さん本当に知らないからね」
子:「しょうがないなぁ・・・」
やっと起きたものの、朝ご飯も食べずに慌てて出かけていく。
母:「だから、早く起きればいのに・・・本当に困った子ね」
いかがでしょうか。こんな会話を毎日続けているご家庭はないでしょうか。
子どもも困ったものですが、こんな話をお母さんの方から聞くと、「お母さんも困ったもんだなぁ」と思ってしまいます。
子どもを心配して、声をかけているのに、「なぜ困ったお母さんなのか?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
早起きしないのは、もしかしたら、このお母さんの声掛けが原因なのかもしれないからです。
お母さんは、「知らない」と言いながら、実は知っているのです。だから、再度、声をかけるのです。子どもの遅刻を心配しているようで、子どもに遅刻をさせる親になることを心配していることが、子どもに気づかれて
いるのかもしれません。ですから、「知らない」と一旦言ったなら、言った通りに、知らんぷりをする手があります。それでも、心配だと思うのであれば、事前に以下のような話し合いをしておいたら、いかがでしょうか。
母:「お母さん。明日から、あなたを起こすのをやめるわ」
子:「なんで」
母:「毎朝、起こすけど、結局なかなか起きないじゃない。お母さんだって朝は忙しいもの」
子:「明日から、ちゃんと起きるから、起こしてよ」
母:「今までのことがあるから、今は信じられないわ」
子:「遅刻したら困るじゃん」
母:「お母さんは困らないけど、それなら、7時には一旦声をかけてあげるわ。その後は、自分で起きなさい」
子:「わかったよ」
母:「あなたは、もう自分の意思で起きられるはずよ。それから、朝ご飯を食べないで行くことは許さないわよ。親として、あなたの体が心配だから」
子:「わかったよ。じゃぁ7時に起こしてね」
母:「わかったわ。あなたが、一つ返事で起きられるようになるのが楽しみだわ」
これで、本当に起きられるのか?と疑問に思われるかもしれませんが、今
までの状況を変えたくて、今までの方法で上手くいっていないのなら、試
してみる価値はあるでしょう。
親が子どもに伝えたことを実行することこそが、親としての毅然とした態度を子どもに示し、ことの重大さを伝えるチャンスなのです。
子どもの困った行動に悩んでいるお母さんは、自分の不安を子どもに伝える回数で解消しているだけなのかもしれません。注意することが親の使命ではありません。子どもの行動を正すのが親の使命なのです。
寒い朝でも、子どもがスッと起きられるようになったら、きっとわが子を
たくましく感じることになるでしょう。