2019年10月30日

「学びの達人」への実践教育⑤ 理科・社会の勉強の仕方


理科、社会と聞いて、どんな勉強法を思い浮かべられますか?

 

「教科書を読んで、ワークをして、授業プリントなど用語を覚える。」

一般的には、こんな感じではないでしょうか。

 

そして「理科・社会は暗記科目だ」という認識の方も多いのではないでしょうか。

確かに、以前まではこれらの教科は、英数などの積み重ねが必要な教科と対比して、暗記科目としての側面が強くありました。理科の化学や物理、地学などの一部には計算問題が出てまいりますので、それらを除いて、用語を覚えることに専念していたことと思います。

 

しかし、今や理科・社会は、暗記科目ではなくなりつつあるのが現状です。定期テスト前に、一夜漬けで暗記したところで、それが入試では通用しない時代になってきているのです。

 

それが端的に表れているのが、公立高校入試の出題傾向の変化です。今までは暗記科目の名の通り、一問一答などの知識問題が中心で構成されており、一部応用問題として思考力を問われる問題が出題されておりました。ところが、昨今の入試問題は、一問一答形式で用語を覚えているだけでは、通用しなくなりつつあります。

 

例えば、社会では、雨温図や貿易収支や地図の読み取り、また時代横断型の歴史問題などといった問題が増え、特に理科は、現高2生の入試から、図表や対話文、実験結果から、情報を分析して考えて解く、思考型の問題が大半を占めるようになっております。

つまり、暗記科目ではなく、問題を理解し、解き進める力が身についていないと、高得点が取れないもののとなってきているのです。

 

今までやってきた暗記は意味がないのかというと、もちろんそんなことはありません。
知識があってこその思考ですので、知識がないことには考えることもままなりません。

一問一答形式の知識は当然身に付けた上で、さらにその上の力を要求されていると考えて頂ければと思います。

 

では、どんな勉強をすればいいのか。

①まずは、一問一答形式の暗記を完璧に近づけること。これは、必要不可欠です。

②次に、思考力ですが、一朝一夕に身につくものではありませんが、簡単にできることとして、一問一答で覚えた単語を見て、それが答えとなる文章を考えるということです。

 

例えば、「問題:1221年に後鳥羽上皇が起こした反乱をなんというか。 答え:承久の乱」というものを、今度は逆に、答えから見て、その問題文を言えるかどうかを確かめます。

そうすることで、単語暗記だったものが、他の情報によって補完されていくことになります。

 

また、そのほかにも、教科書を読みこむ際に、太字ばかりに線を入れて、その前後の文章や、欄外の細かい文章などには目もくれないという生徒もいますが、それをやめていくことです。細かい部分にも目を向けて、理解しながら読んでいくと、基本的事項の理解が深まります。

 

応用問題とは言え、その基礎事項の理解なしには解けない問題になっていますので、深い理解をしていくことが、点数アップにつながります。

 

このようなことを、生徒たちに伝えながら、毎回の定期テストに備え、遅くとも2週間前からテスト勉強を始め、1週間前に入った時には、テスト範囲のワークは70%以上は完成していることを目標に勉強してもらっています。そのため、テスト1か月前くらいからは、面談を行い、計画や目標設定を重点的に行い、意識強化にも努めております。

 

その他、効果的な学習の仕方は、アドバンスが10年以上前から続けている、講師からの1分間スピーチでも伝えさせてもらい、生徒たちの学習の役に立てればと考えています。

この記事が、理科や社会で思うような点数が取れていないなという方の参考になれば幸いです。