2021年11月30日

ウインタープログラム2021を迎えるにあたって


Jump up! ~理想の自分へ~

目次

  1. 今年の中学教科書改訂
  2. 来年の高校教科書改訂
  3. ウイプロ2021

 

昨年に引き続き、今年もコロナ禍に翻弄された年となってしまいました。昨年のような学校休校はなかったものの、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置も出ていない時期が少ないのではないかと思える1年で、学校行事の変更、縮小、中止などもあり、子どもたちも2年連続でしんどい思いをした年だったと思います。

 

そんな中、今年のウインタープログラムを開催するにあたり、例年にも増して、内容、期間、インプットとアウトプットのバランスをどうしたものかと、検討に検討を重ねました。

 

今年の中学教科書改訂

 

なぜならば、今年は中学校の教科書改訂があり、新しい学習指導要領のもとで、大きく変化した内容についていくのに必死という状況の子どもたちも多くいたからです。

 

特に中学校の英語教科書の大きな変化によって、定期テストの傾向や難易度も変わり、小学英語を習得してきている前提で進められるため、英単語の量は増える、単元は前倒しで出てくる、思考力を問う問題は多くなるで、中学生自身も驚いた1学期、2学期だったと思います。

 

是非保護者の皆様も、新しい中学校の教科書を手にとって中身をご覧頂ければと思いますが、4技能を高めるため、発表の時間、スピーキングの時間、ディスカッションの時間なども盛り込んでおり、文法事項の説明があっさりとされていたり、「書く」アウトプットがおざなりにされていたりと、学校教育を私教育で補わなければならない範囲が一気に増えた様相を醸しております。

 

そのような発表、ディスカッションに時間を取られ、教科書が進まず、1年間で教科書内容が終わらないのではないかと思える中学、学年もあったりして、我々私塾に身を置くものとして、本当に心配です。

 

そこで、中学英単語の難化の一例として、昨年度使用していた単語帳での習得学年の単語数を算出しました。

 

中1のLesson4では、20単語中、中1レベル:6単語 中2レベル以上:14単語(中2 6単語、中3 1単語 高校7単語

hometown・parentthe United Kingdombagpipes・traditional・instrumentbelongcrickethold

some~others…statuefamous・performer・principalbiologydeliciousfactoryduringraresticky

 

中2のLesson4では、33単語中、中2レベル:7単語 中3レベル以上:26単語(中3 7単語 高校14単語

spend・invite・sightseeingmiddle・chart・giant・native・explorerhurtrespect・tradition・depressed

grumpy・confusedactuallyattractheritagesacredlawsocietyconsiderationsouvenirimmediatelyrowpassengerboardingturn in・express・greetworksheetbelowcombination

 

中3のLesson5では、32単語中、中3レベル:8単語 高校レベル以上:24単語

fascinating・somewhereterrible・martial・repairrefusearrestcourage・creativity・honestykilleffort・feed・fountainjusticeboycottachievementinspirequotegather・nation・be based on・sliceautographquartergoodsregionmaterialbe known forcriteriacommitteeappropriate

 

つまり、新教科書では、中1で70%、中2で78%、中3で75%が旧教科書では上級学年で新出だった単語となっています。旧教科書は3年間で1,200語だったものが、新教科書では2,500語の増加となった影響といえます。

 

文法事項も、中3では「仮定法」や「原形不定詞」「意志未来shall」が高校から降りてきております。

そういった状況の中で、「遡行学習」・「解き直し」・「復習」と学校の「先取り」をどう両立させるのか。つまずいている所に戻る遡行学習に重点を置くと、学校の授業との差が広がり、更にわからないことが増え、モチベーションが低下してしまうのではないかという心配。悩みはつきません。

ただ、教科書内容が多くなり、学校の授業がわからなくなってしまうとモチベーションが下がってしまうため、まずは、「先取り」に重点を置いたウイプロカリキュラムといたしました。

 

ただ、1学期単元、2学期単元などで積み残しがあるお子さまも居られ、基本は先取りを行うけれども、学び直し(復習)の時間も必要なケースも多くあります。そこで、スタンダードプラン以上では「学び直し」時間を取れるよう日数・コマ数を増やし対応できるようにいたしました。積み残されている単元、教科などに応じて、新設しました「ジャンプアップ」プランもご選択頂ければと存じます。ご不明な場合はご遠慮なくお問い合わせ頂けますようお願い申し上げます。

 

来年の高校教科書改訂

 また、今年は中学校の教科書改訂の難化が叫ばれておりますが、来年4月には高校の教科書改訂があり、新学習指導要領での授業が開始されます。中学でこれだけ難化しているため、元々難しいといわれる高校での難化は避けられないと考えられます。概略をお知らせしますと、

 

 英語は「英語コミュニケーションⅠ~Ⅲ」に加え、英語表現が「論理・表現Ⅰ~Ⅲ」に変わります。論理とわざわざ科目名につけるということは英語での論理的思考力を高めたいという意思の表れだと思われます。

 

 国語は、「現代の国語」、「言語文化」、「論理国語」、「文学国語」、「国語表現」、「古典探求」と科目名もがらりと変わり、覚えるのも一苦労な様相です。ここでも「論理国語」という名称が用いられております。

 

 社会は地歴で「地理総合」、「歴史総合」が新設され必須科目に、今までのB科目がそれぞれ「地理探求」、「日本史探求」、「世界史探求」に変更され、公民では「公共」という新しい科目が新設されます。

 

 数学は、前回課程でなくなった「数C」が復活し、数Bの主要単元であった「ベクトル」が数Cに移行することになります。旧数Bではベクトルと数列が大きな山場だったので、文系志望者には朗報かもしれません。

 

 理科は「理数探求基礎」、「理数探求」という科目が「理科課題研究」の代わりに新設されるようですが、基礎シリーズは残り、文系でも基礎2科目が必須になるのは今までと相違ないようです。

 

 その他としては、「情報」という科目が共通テストにも必須となり、今までのような定期考査前だけの一夜漬けではない継続した深い学習が求められます。

 

 概要だけではぴんときにくい面がございますが、今年の中学校の教科書改訂でこれだけ中学生が苦労しているということは、来年からは高校生が同じように困難になる可能性が高いということです。それでなくとも、中学と高校のスピード、難易度の違いで、入学後、苦労する生徒も多いのですが、それがさらに大きくなることも考えられます。

 現中3生(新高1生)以下の皆さんは、本当に心して、かかっていくべき大きな課題だと認識しております

 

 

ウイプロ2021

 さて、今年のウイプロに戻りますと、例年通り、全受講生対象の『FBテスト』を継続します。非受験学年は、小中高とも難化している英単語をFBテストで徹底して覚えてもらおうと考えております。特に小学生は中学生になって困らないように「スペルの書き」の練習もそろそろして頂きたいので、徹底して取り組んで欲しいと思います。

 

FBテストは、中3、高3・既卒の受験生にはお馴染みのテストですが、それを全学年に拡げて、「ベスト10」を掲示いたします。毎日の努力が成績上位者として掲示される楽しみ、ドキドキを感じて、次はもっと頑張るぞという気持ちになった生徒も多く、今年も継続して参ります。

 

その他、1対1のマンツーマン指導の「個別サポート」、英語4技能の聞く・話すに特化した塾内留学「英語LEX」もウイプロ中に受講いただけるようオプションとしてご用意しております。

 

イベントは昨年も中止、今年の夏も残念ながら中止となってしまいましたが、ワクチン効果もあり、何とか実施できそうな雰囲気も出てきており、合格祈願、立体四目大会で親睦、信頼関係も強くできればいいなと思っております。

 

 おかげさまで過去20年、ほんの些細なきっかけで大きく変化を遂げた子どもたちをたくさん見て参りました。 塾生一人一人がそんな大飛躍のきっかけになれるよう、この冬、我々講師陣も全身全霊努力して参ります。

 

総合進学塾アドバンス 講師一同