2021年07月30日

中学英語と小学英語の連携・・・ここにも教科書改訂の悲劇が


ちょっと大げさなタイトルにしてしまった英語科講師です。

さて、何度か今年の中学校の教科書改訂について、ブログを書かせて頂きましたが、特に英語については、今年の中学生は本当に苦労が多く、大変な状況です。

 

というのも、旧教科書3年間で1,200語から新教科書2,500語に倍増したことにより、単語のレベルが上がったのはもちろんのこと、単純に語数が倍になったので、覚える量も当然倍以上。

 

しかも、単元も

 

中1 Lesson1 be動詞&一般動詞混在  Lesson2 疑問詞

中2 Lesson1 接続詞  Lesson2 不定詞

中3 Lesson1 現在完了進行形  

 

なんてところからスタートするもんですから、英語に苦手意識がある子はもちろん、得意だったと思っている子や英会話習ってた子とかでも「なに、なに、なに?」ってなりがちです。

特に、つづりを「書くこと」に慣れていない中1生が思いのほか苦労している印象です。

小学校5年、6年に英語が教科化されて、文法事項は基本さらりとやりつつ、単語も意味がわかればいいという小学英語の特徴が、中学英語に悪い影響を及ぼしている感さえするのです。

 

 

中学1年生から入塾頂いた皆さんの英語を今必死で修正しているのですが、Are you play~と書いてしまう子が例年以上に多い気がしてなりません。

 

小学英語(小学英語の移行措置時代には、「小学英語ってどんな感じ?」というのを体感で知るために「英語LEXジュニア」という特別講座を開講しておりました。もちろん、語学ですから、小さい時から言語を学んでいくことは大切です。しかし、会話中心で文法的な解説は基本しないという指導要領によって、英文をフィーリングで読んでしまい、いろいろな区別がつけられていないという状況を生み出している気がしています。

 

小学校の英語教育の転換と連携として、中学英語も同様の流れで体系だっていればいいのですが、中学英語は中途半端な指導要領にも関わらず、今までとあまり変わりない定期考査なので、どっちつかずになっている印象です。その結果、会話重視というわけでもなく、文法の着実理解というわけでもなく、感覚だけで色々な区別がつかないといった生徒が多くなっているのではと危惧しています。

 

総合進学塾アドバンスのサマプロでは、第2タームが「学び直し」タームでした。

そこで、中1生には、徹底して、be動詞と一般動詞の区別をつけることを最優先にして、何度も何度も解説し、何度も何度も口に出してもらい、しつこいくらい口頭チェックを行いました。

 

 

「be動詞はぞうさんチーム、一般動詞はくまさんチーム。チームが違うからルールが違うんだよ」

「一般動詞は疑問文や否定文作るときには、ドラえもん(Do)の力を借りるんだよ」

 

なんてことを何度も言いながら、中1生はちょっと恥ずかしそうでしたが笑、印象に残る言葉を発することによって、右脳へイメージをしっかりと残してもらえればという思いで、シャイな英語科は恥ずかしさを出すこともなく、一生懸命説明を次から次へと繰り出すのでした。

 

そんなわけで、うちの中1生は、今のところは区別がだいたいついた気がしておりますが、油断すると、すぐにAre you playになりがちなので、「先生、もうわかった」というまで言い続けようと思っております笑

 

中2生も、いきなり不定詞で、後置修飾に若干苦労しているふしが見られます。

不定詞と動名詞が連続的で出現し、その違いを押さえていかないといけないので、ハードな思いをしていると思います。

 

中3生も現在完了進行形のあと、分詞の形容詞的用法(私は「分詞の反乱」という話から始めますが笑)もすぐに入ってきています。

そして、これから関係代名詞、仮定法、原形不定詞が入ってくるとなると2学期がなかなかハードになりそうです。

 

おそらく、今年の中1生から中3生の子どもたちは、こんな英語教科書で苦労していると思いますので、保護者の皆様も、

 

「中1の最初の頃なんて、英語大丈夫じゃないの」

 

これは去年までの教科書でのお話。

今年の教科書を是非お手に取って頂いて、お子さまのご苦労を一緒に理解してあげて頂ければ、嬉しいなと思っております。

 

中1生は、小学生から中学へあがってきて、やる気も持って、本当に素直な時期の学年です。

この時期にしっかりと学習する習慣と適切な指導を受けて頂ければ、いくら教科書改訂といいましても、まだまだ取り戻しは可能になります。

それが、中2,中3と進んでいくことによって、内容も難化し続け、積み残した量が多すぎて、反抗期も入ってきて、一筋縄ではいかない状況が多くみられることもあります。

 

これは、われわれ私塾側の望みではありますが、やはり早くから通塾頂き、お子さんとの信頼関係を構築し、お子さんの性格、癖などをしっかり理解できると、指導も2倍、3倍の効果が生まれます。逆に、反抗期に入ってしまった中2、中3の時期からとなると、まずは信頼関係を構築するのに、ある程度の期間も必要ですし、積み残したものが多くなりすぎていると本当に入試にまでに間に合わないといった事態になってしまう恐れもあります。

 

英語の教科書改訂で、いろいろなお話をさせて頂きましたが、微力ながらも、地域の皆さんの英語嫌いを一人でもなくし、「英語楽しい」と言ってもらえるよう、私もさらに研鑽していこうと思っております。

お困りのことがございましたら、お気軽に塾長阪本までご連絡ください。親身になってご対応させて頂きます。