塾長コラム
公立一般入試直前となりました。中学入試・大学入試・高校入試が続き、気の休まることのない時期ではありますが、大学入試の一部と公立一般入試を良い形で終えて、次の学年に向かっていきたいと考えております。
今年の入試では、高校入試と大学入試でなんと7名も特待生合格が出ました!
例年1名、2名と特待生は出る年が多いのですが、7名も特待生合格を勝ち取る年も珍しく、本当に嬉しく思います。
特待生合格は、各種特待がありますが、一番多いのは、入学金全額免除や半額免除ですが、中にはそれにプラスして、年額24万円・12万円の給付奨学金がもらえるなどいうものもあったりします。
今年の特待生の一番大きいものは、大学入試で毎年100万円を給付するといった特待合格もあり、大盤振る舞いだなぁと驚いたこともありました。
そういった特待生合格を勝ち取ったということは、高校や大学から、奨学金などを給付してでも「うちに来て欲しい」と言われているのと同義ですので、本人も気分がいいことだと思いますし、そういう状況を得るまで勉強に努力したという点におては素晴らしいことですし、大いに賞賛されて良いことだと思います。
「本当におめでとう。しんどいこともあったと思いますが、周囲に流されず頑張りましたね」と本人たちには伝えてあげたいと心より思っております。
話は変わりますが、公立高校の新学区での入試が直前となっており、新聞や教育委員会からの資料での入試倍率を見るにつれ、本当に凄い倍率になっていると痛感させられます。
複数志願選抜は、第一志望に加え、希望者には第二志望の高校を志望することもできる制度となっています。
他の都道府県では単独選抜方式という形が採用されているのが多いのですが、兵庫県は「総合選抜制度」という非常に稀な制度を引いていたため、激変緩和という意味合いで、この複雑な複数志願選抜という制度になっているものと考えられます。
単独選抜は、その高校を受けて、合格するかしないかという二者択一ですので、出願倍率と定員を見た際に、定員を超えた人数が不合格になるというわかりやすい制度ではありますが、ある面ドラスティックでもあります。
複数志願選抜では、第一志望校には加算点を与え、合格しやすい環境を作り、第一志望校の合格点に達しない場合は、一定の得点を取っている場合に限り、第二志望校の判定をしてもらえ、第二志望校を第一志望校にしている人との点数差によって、第二志望校の合否が決まるという非常にわかりにくい制度です。
しかも今年度入試より新学区となり、旧西宮学区、旧宝塚学区、旧尼崎学区、旧伊丹学区、旧丹有学区が1つなり、それぞれの旧学区に旧他学区からの生徒が流入するという更に複雑な形となっています。
新聞発表では、旧宝塚学区が前年対比で約150名程度が流出しているようで、その大半が市立西宮や県立西宮への志望で、一部が伊丹学区と推測できます。
宝塚の高校は駅から遠く、山あいにあったりすることが多いので、比較的通学しにくいことも影響していると思われますが、旧西宮学区も150名という大きな流入が、前年までと大きく変わるわけですから、大変な状況には相違ありません。
おかげさまでアドバンスの中3生は全員私立高校合格を果たしてくれましたが、現在続いている面談の中で、「友達が私立高校も落ちた」や「近所の子も私立を不合格になった」というお話を聞いて驚愕しました。
塾に行っていない生徒であれば、受験情報が少なく、そういったことも考えられるかと思ったのですが、万が一にも通塾されていて私立高校がということであれば、進路指導に問題があったと言わざるを得ないと思います。
公立高校は、残念ながら定員枠が決まっているので、全員が合格するというのは考えられませんし、推薦特色選抜も非常に基準が外部からはわかりにくいこともあって、難しい入試でもあり、公立高校は複数志願になって「普通に落ちる入試」になっています。総合選抜時代は、「普通にしていたら落ちない入試」だったものから、180度変化しているわけですから、我々私塾はもちろん学校、保護者の方のご認識も含めて、変わっていかないと現在の入試には打ち克つことができません。
そんな認識を地域の方に少しでもお持ちいただけるように微力ながら更に頑張っていかないといけないなと痛感している次第です。
閑話休題。
三週間に亘る三者面談週間も終盤となり、色々な生徒・保護者の方々をお話をすることができました。
その中のお一人から面談終了翌日にメールを頂いたのですが、「(前略)、本日は説得力のある阪本先生のお話と厳しい表情で関わって下さった安田先生にとても感謝しています。 本気で怒って下さる先生になかなか出会えずにいました。(後略)」
中高生という多感な時期に保護者の方々もあの手、この手でお子様と格闘をされておられると思います。
『言い過ぎても良くないし、言わなさすぎても良くないし』とどうしても遠慮がちになる部分もおありになることもあると思います。
小職も微力ながら何百人というお子様や保護者の方とお話をさせて頂いて、「その子のために」なることであれば多少耳が痛いことでも伝えてきました。(もちろん言葉や内容は慎重に選んで話をします)
そういったことが、保護者の方にご理解頂けたことの本当に嬉しいメールを頂戴しました。
何事も本気でぶつかり、本音で話をしていくことが次につながると信じています。今年度をしっかりと締めて来年度に気力を充実させていきたいと思います。