塾長コラム
早いもので5月も下旬となり、中学生の1学期中間が終わり、高校生の中間テスト真っ最中という時期となりました。数多くの中学、高校、そして公立、私立とそれぞれの学校のテスト日程が異なるため、ほぼずっとテスト対策をやっているような感覚に陥ることがあります(笑)
4月末からこの5月にかけまして、副塾長、准専任講師と手分けして、塾生全員とコミュニケーションミーティング(CM)を行っております。おそらく、このアド通がお手元に届く頃には全生徒とのCMは終了しているものと思います。
アドバンスでは、一人一人の生徒としっかりと信頼関係を築き、生徒の思っていることもしっかりと受け止めていくため、こういったCMのような面談を重視してきています。
現在のCMという正式な形になったのは2012年からで、もう5年目を迎えています。
それまでも個人面談的なことは当然やっておりましたが、ルールを決めずにやりますと、いきあたりばったりになってしまうこともあり、2012年度から正式にCMという形で定例化をしております。
普段授業で接している生徒とは、授業中にもコミュニケーションを取ったり、通塾時なども「フタコト挨拶」(こんばんは+α)を意識しているので、CMでもそう緊張していない様子なのですが、普段、授業で担当していない生徒から見ると、塾長と塾長室で1対1の面談をするなんてってところでしょうか。少し緊張気味な生徒も居たりします。
少なくとも逆の立場であれば、私はそう思います(笑)
ただ、仕事柄、ついついしゃべりたくなるのを我慢しながら、質問を投げかけ、生徒の声をじっくり傾聴することによって、
「へぇ~、そんなしっかりとしたことを考えているんだ」
「そんな思いをもって頑張っているんだ」
と新鮮な声を聴くことも多く、その生徒のことを理解できることが増えていく感じがして、とても楽しい時間です。
「コミュニケーション」と銘打っているので、こちらからの一方通行の話ではいけませんので、相手の話をしっかりと「承認」していきながら、目をしっかり見て傾聴すると、生徒もとても嬉しそうな表情で話をしてくれます。
是非、全塾生とも、そういった信頼関係がしっかりと構築できるようにコミュニケーションを更に大切にしていきたいと思います。
自分自身の経験からも、「この先生からなら言われても仕方がない。自分のことを思って言ってくれているんだ」という思いに生徒がなってくれるような、普段からの接し方、コミュニケーションがとても大事だと思っています。
信頼関係を構築するのは一朝一夕ではできませんが、それを絶えず意識しながら、自分の職責をしっかりと果たしていければと思っています。生徒の皆さん、そんなに緊張せずに話をしてくださいね(笑)
CM以外には、模試の返却時には、特に受験生は全員個人面談をしておりますし、進路決定近くになりましたら、何回、何十回と個人面談を行う場合も多いです。
時折、先月までは順調だったのに、急激に意欲が減退したりすることも多い小中高の年代ですし、理性で色々なことを抑えることができない子供の時期でもあります。
そういった時期に、少しの変化でも気づくことができれば、取り返しのつかないことにならないこともありますので、そういった変化にも気づけるようにしたいと思っています。
中1からお預かりしていた生徒ですが、高3の4月に急激に意欲減退し、「大学にも高校にも行かない」と言い出した過去の生徒が居ました。これはまずいと思い、ご自宅の生徒の部屋に出向き、2時間近く、ひざ詰めで話をしたことがありました。
その時には、タイミングというのもあり、本人の気持ちを上向きにさせることができず、私も止む無く無力感に苛まれながら帰宅した記憶があります。
「所詮、人間というのは無力なものなんだ」と少し落ち込んだ記憶もありました。
ただ、何事も、その時々でしっかりと全身全霊でぶつかっておくべきだと痛感したのが、その生徒の2ヶ月後のことです。
人が変わったかのように、「やっぱり大学に行きたい」と私に謝りに来てくれ、「本当に頑張れるか」と念押しをした所、「本当に頑張る」ということで、再度、指導を復活することになりました。
それからというもの、人一倍の英単語を覚える努力をしてくれました。休憩時間はもちろんご飯を食べる時でも英単語帳片手に、必死で暗記を継続していました。
授業中も必死でノートを取り、辞書を引き、参考書にラインを入れ、その努力は、ほんの2ヶ月前の死んでいる目からは考えられないくらい生き生きとした目に変わっていきました。
神様が本当に存在するとするならば、こういった努力する生徒に光を当ててほしい、時間との闘いではあるが、何とか間に合ってほしいという一心で我々講師陣にも力が入りました。
神様は本当に居ました。
志望していた外国語系の大学に無事合格でき、滑り止め校には、なんと入学金、授業料免除の特待生扱いでの合格を決めてくれたのです。
合格後、保護者と一緒にお礼にお越しになられた時には、保護者の方は、
「合格も、特待生ももちろん嬉しいのですが、この子がここまで頑張ることができたことが、何よりも嬉しいです。塾長に色々とお話をしていただいたおかげです」
この一言を聞いただけで、涙が出て、苦労が吹っ飛びました。
そんな色々な生徒の可能性を信じて、一人一人に全力でぶつかっていきたいと思います。