2014年12月17日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。
出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆ 「勉強しなさい!」の効果 ☆
親:「勉強しなさい」
子:「だって、分からないんだもん」
親:「どれどれ、これはね・・・」
説明が終わったところで
親:「どう?わかった?」
子:「うん!わかった!」
親:「こうやってやれば、できるのよ頑張ってね!」
子:「うん」
このようなほのぼのとした会話は、小学生の特に低学年の内に交わされる会話でしょうか。ところが、小学生も高学年になったり、中学生になると・・・
親:「勉強しなさい!」
子:「わかっているよ!」
親:「何がわかっているのよ!全然わかってないじゃない!」
子:「うるさいな!親はいいよな~。子どもに『勉強しろ!勉強しろ!』と言ってればいいんだから」
親:「何言ってんの!勉強はあなたの問題でしょ!親心で言っているのよ!」
子:「何が親心だ!まったく、うるさいんだから」
こんな会話が想像できます。
実は、ある調査によると、「親が子どもに勉強しなさい」という頻度は、
小学生の低学年から中学生までほとんど変わらないようなのです。
しかし、低学年では、親が勉強の手伝いをしているものの、高学年になると親の支援は極端に減ってきます。つまり、高学年の子どもには「勉強しろ」と言っているだけという傾向があるようです。
ところが、「勉強しろ」と言われ続けた子どもと、あまり言われなかった子どもの勉強時間をくらべてもほとんど変わらないのだそうです。
親子関係を崩しながら効果の上がらないことをしているようです。
さらに、子どもに勉強する理由を聞いたところ、「将来就きたい仕事に
必要だから」という理由が高学年になるほどに顕著に現れるのです。
そこで、高学年の子どもたちには、「勉強しろ」という機会を減らして、
将来のことを意識させる会話の機会が有効であることが想像できます。
親:「あなたは、将来どんな仕事をしたいの?」
子:「よくわからないけど、プロ野球選手がいいな」
親:「いいわね。どうやったらプロ野球選手になれるのかな?」
子:「大学までズーッと野球をやって、ドラフトで選ばれたらいいな」
親:「大学まで行かなきゃいけないんだ」
子:「高卒でもなれるかもしれないけど、僕は大学までじっくりやってからプロになりたいな」
親:「それじゃあ。しっかり勉強しないといけないわね」
子:「うん」

親にとって、夢物語と思っても子どもの話を一旦受け入れてみて下さい。
そうすれば、子どもなりの勉強の意味を発見できるはずです。

 

☆ 子どもの状況に即した対応を ☆
中学生に向って
母:「なんで、宿題をやらないの!?宿題をやらないのはダメよ!」
子:「わかっているよ。うるさいな」
母:「何がわかっているの!?いつも宿題やっていないじゃない!」
中学生に対して、こんな親の発言はほとんど意味がありません。
小学校の高学年や中学生であれば、宿題をやらなければいけないことは、誰でもわかっていることだからです。わかっているのに、言われれば、子どもに「うるさい!」と言われて一蹴されるのは明らかです。
次に、こんなアプローチはいかがでしょうか
母:「宿題は、テレビやゲームをやる前に片づけちゃうのよ。そうすれば、あとでゆっくり遊べるじゃない。この間みたいに夜遅くになって慌ててやらなくて済むじゃない」
子:「うん」
このような発言は、宿題をやらなければいけないと思いながら、遊びに夢中になり、結局時間が無くなって、宿題ができないという場合には、適切です。
しかし、小学校の高学年や中学生になれば、こんなことを知っている子どもが多いはずです。知っている子には、効果のないアドバイスだと言えます。「わかっているよ!」で終わってしまうかもしれません。
さあ、宿題をやらなきゃいけないこともわかっていて、およそ宿題のやり方もわかっているのに、それでも、まだ宿題をやらない小学校の高学年や中学生は何なんでしょう。
そうです。意図的にやっていない可能性があります。
例えば、宿題に一生懸命取り組んだとします。ところが、ほとんどできません。「このまま、学校に行けば、自分だけできないことが先生や友達に評価され、自分に『頭が悪い』といレッテルが貼られる可能性が高いと感じます。そんなこと、どうにも我慢がならない」と感じているとすれば、訪れる可能性の高い不愉快な状況を避けたいと思うのは人情です。
そこで、端からやらないか、やったとしても、「忘れた」という事実に置き換えて、忘れたことの仕打ち(先生から叱られる)を甘んじて受けようとするのです。叱られることは、気持ちの良いものではないのですが、このように考える子どもにとって、「頭が悪い」というレッテルを貼られるよりは、遥かに気が楽なのです。
こんな状態の子どもには、前の「宿題をやらなければいけない」ことや、「宿題のやり方」をアドバイスしたところで意味がないのです。こんな場合は、「できる。できない。」の結果の前に、まず、宿題をやろうとする姿勢を承認することです。
「宿題という自分の問題にきちんと向き合う姿勢が嬉しい!」
「できても、できなくても、宿題をやろうとするあなた態度を誇りに思うわ!」
というメッセージを伝えることです。
更に、学校の先生に質問することを勧めるといいでしょう。この場合は、大抵の子どもは尻込みをします。
「質問する生徒に先生は喜んで教えてくれるものよ」と質問を促すことと、「わからないことは、わかる人に聞く」という解決方法を実践することが、どれほど立派なことであることかをIメッセージで伝えましょう。

また、可能なら、お母さん、お父さんがわからないところを教えてあげると提案するのもよいでしょう。
ただし、ここでは教えるというよりは、少しでもできるようになりたいという気持を承認し、少しでも自信をつけることに注力します。「できるようにさせよう!」、「全部説明しよう!」としないことです。大抵、親が夢中になりすぎて、逆効果になりがちですから。

「なかなか、うちの子は言うことを聞かない」、「言っても、なかなか勉強しない」という悩みをお聞きしますが、子どもの状態に合わせ
た対応をすることで、かなり悩みは解消するはずです。まずは、子どもが、どんな目的でやっているのか、やらないのか考えてみて下さい。