2016年04月19日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆新年度。子どもに新しい行動を!☆ 

 

始業式や入学式もございました。

お子様の入学、進級おめでとうございます。

 

入学式後、桜の木の下で緊張気味の我が子の記念撮影に夢中になっていらっしゃる保護者の方の様子が目に浮かびます。

 

さて、新年度、成長したお子さんに、何か一つ新しい行動に取り組ませてみませんか?

 

ゲームに夢中で夜更かしして、朝、起きられない子どもと・・・

 

母:「ゲームをやりたい気持ちはわかるけど、朝、ぎりぎりまで寝ていて、ご飯もろくに食べないで慌てて学校に行ってほしくないのよ。だから、早く寝て、朝早く起きて欲しいのよね」

 

子:「結局、『ゲームをやらないで早く寝ろ!』っていうこと?」

 

母:「あなたがそれでよければ、お母さんはそうして欲しいけど、ゲームを我慢できるの?」

 

子:「それは、無理だね」

 

母:「そうでしょ。だから、お母さんは朝早く起きて、朝ご飯もちゃんと食べて、余裕を持って支度をして、学校へ行って欲しいわ。そこで提案なんだけど、夜は、10時に寝て、朝6時に起きて、1時間ゲームをするっていうのはどう?」

 

子:「そんなに、朝早く起きれないよ」

 

母:「今までのように、夜更かししていれば無理よね。でも、10時に寝れば、6時まで8時間寝れるわ。そして、たっぷり1時間ゲームができるわけ。」

 

子:「確かに、1時間はゲームできそうだけど、6時に起きるなんて無理だよ。だって、今までより早く起きるんだから・・・」

 

母:「大丈夫だと思うわ。今までより2時間近くも早く寝るんだから~。それに、寝ていたいなら7時まで寝ていてもOKよ」

 

子:「でも、それじゃあゲームができないよ」

 

母:「そうよ。でも、ゲームしたければ、6時に起きるの。もちろん、もっと早く起きてもいいわよ」

 

子:「そんなの無理だよ」

 

母:「だから、6時に起きてゲームをするか、ゲームをあきらめて7時まで寝ているか。あなたが自由に決めていいわ。ただし、寝るのは10時よ」

子:「そんな~」

 

母:「ゲームをしちゃいけないって、言ってるんじゃないんだから、すごく優しい母親だと思うわよ、私」

 

子:「えっ!?優しい!?」

 

母:「健康の面でも、生活面でも、規則正しい生活を送ってほしいのよ。今年のスタートは、10時に寝て、6時に起きることからはじめてくれない?そうすれば、お母さんも安心できるわ。」

 

子:「仕方ないな。わかったよ」

 

いかがでしょうか。

 

新年度、子どもに、あれやこれやと約束事や目標を決めさせても、今までの習慣を変えない限り、新しい行動を加えることは不可能です。何かひとつに絞って、子どもと新しい行動について話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

行動は1つ変わるだけで、すべての行動に影響します。

 

まずは一つから始めてみましょう。

 

 

☆ 子どもの失敗を前提にした子育てを! ☆  

 

ある中学3年生の女の子に、「君の志望校は何処?」と聞くと、答えは、「入れる学校」。

 

保護者がこの発言を聞けば、やはり今どきの子どもだと感じるか、何とチャレンジ精神のない子かと嘆くかもしれません。

 

「なぜ、入れる学校なの?自分が行きたい学校はないの?」と聞くと、

 

「だって、お兄ちゃんが高校に落ちたことを、父も母も今でもグズグズ言っているのを聞いて、自分も受験に失敗して落ちたら長い間グズグズ言われるに決まってる。だから、私は、絶対落ちない、入れる学校を選ぶ」

 

と言うのです。

 

このお嬢さんの兄は、数年前、高校受験で第一志望の高校に不合格になり、残念ながら第二志望の高校に進学することになったようです。

 

「お兄ちゃんもお母さんと同じように、今でも第一志望の高校に落ちたことを口にするの?」

 

「いいえ。お兄ちゃんは、勉強も部活も頑張っていて、結構楽しんでいるみたい」

 

お兄ちゃん自身は、気持ちを切り替えて高校生活を楽しんでいるようでホッとしました。お母さんの愚痴も、お兄ちゃんは聞き流しているようです。

 

この兄弟の親御さんだけが、当人を差し置いて、過去を引きずっているのです。そして、それを傍目で見ている妹が勇気を失っているのです。

 

「入れる学校にいく」という妹の発言だけを聞いて、なんて意欲のない子どもなのかと評価するのは簡単なことですが、その勇気のない状態を創りだしているのは、もしかしたら、子どもが失敗した時の親のアプローチに一因があるのかもしれません。

 

街には、進級、進学した子ども達で溢れています。私たち大人も含めて神様ではないので、皆、必ず何度も失敗するでしょう。

 

私たち保護者は、子どもが失敗した時こそ、失敗した当人に対してだけでなく、周りにも影響することを意識して、どんなアプローチが適切なのか日頃から考えておきたいものです。

 

 

☆ 子どもと共に成長する親になる ☆  

 

卒業式や終業式も終わったかと思えば、春休みも終わり、いよいよ進学・進級のシーズンを迎えます。小学生であれば、ちょっとだけお兄さん、お姉さんになりますし、中学生であれば、先輩として謳歌できることを楽しみにしていることでしょう。

 

子ども達がまた1年成長するとともに、私たち親も成長したいものです。子どもの成長とは、子どもがより自律的態度を身につけることです。

 

自律的態度とは、自分で考え、自分で行動して、その結果を自分の責任として引き受ける態度です。もちろん、成長段階の子どもが全てをこなせるわけがありませんから、現実的には、親や先生のアドバイスも必要不可欠です。

 

それでも、子どもの行動をコントロールしようとする態度や言葉を控える必要があります。さもないと、動物園の動物のように、管理された環境でしか生活できない子どもになってしまう可能性が高くなります。

 

母:「あなたは4月から中3になるわ。だから、お母さんは、今まであなたに『こうしなさい』、『ああしなさい』と言ってきたことを控えめにしようかと思っているのよ」

 

子:「ふ~ん。もしかしたら、もう、『勉強しなさい!』って言われなくて済むの?」

 

母:「『勉強しなさい!』がそんなに嫌なんだ・・・」

 

子:「それはそうだよ。僕だって、たまにはゆっくりテレビを見たり、ゲームしようかなと思っている時に限って『勉強しなさい!』なんだから、心の休まる時がないないよ」

 

母:「あれ、ずいぶん生意気なこといっちゃって。でも、そんなに嫌で、あなたが自分でちゃんと勉強するっていうなら、考えてもいいかな~」

 

子:「お母さんが、我慢できるのかな・・」

 

母:「お母さんだってね、いつもいつも『勉強しなさい!』って言うのは、気分がよくないし嫌よ。でもね、あなたが、あまりにも勉強しなさすぎるから・・・ 心配で言わざるを得ないのよ」

 

子:「心配なのはわかるけど・・・、僕だって、ちゃんとやる時はやるさ。もう中3なんだから・・・」

 

母:「それならいいけど・・・。でも、やっぱり心配だわ」

 

子:「ほら、やっぱり無理じゃん」

 

母:「そこまで言うなら、この春休みのあなたの様子を見て決めるわ。もし、計画的に勉強したら考えるわ」

 

子:「え・・・ じゃあ、どうしたらいいのさ」

 

母:「明日までに、部活だけじゃなくて、勉強の計画もたててお母さんに見せて」

 

子:「え?テストもないのに、勉強するの?」

 

母:「勉強は、コツコツやらないとね。そうしたら、、学年末テストのやり直しは終わったの?」

 

子:「まだ」

 

母:「例えばそういうことよ。テストがなくてもやることあるでしょ。それを計画的にやって、後で見せてくれたら、4月から『勉強しなさい!』は、控えるわ」

 

子:「やっぱり控えるだけじゃん」

 

母:「あなたが頑張れば、お母さんも頑張る。おあいこよ。お互いに気持ちの良い春休みにしましょ。楽しみだわ」

 

子:「やれやれ」

 

子どものコントロールする言葉を控えることができれば、子どもの自律を助けます。

 

そして、どうしても心配な時には、子どもの話を聞きながら、「お母さんは、〇〇と思うの・・・」

 

「お母さんは、△△してほしいの・・・」と対等な関係を維持する表現法で問題解決を図りましょう。

 

でも、どんなに口数は減らしても、見守る姿勢と肯定的承認活動は増やしていきましょうね。