2017年09月26日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆ Iメッセージをいっぱい使って、自分の気持ちを伝えよう! ☆

 

◇先週の土曜日に私どもMBAが運営するNPO法人ピースコミュニケーション研究所の1年に1回の教師サポートセミナーが開催されましたが、なんと嬉しいことに、このメルマガの読者の方が参加されました。暑い中、ありがとうございました。予想もしていなかったことなので、物凄く嬉しかったです。エネルギーを頂きました。ありがとうございました。

 

◇さて、皆さん、IメッセージとYOUメッセージという言葉を聴いたことはあるでしょうか。このメルマガでも何回か出てきましたが、子どもを叱る時には、Iメッセージが有効です。是非試してみてください。YOUメッセージの叱り方と比較してみると、その違いがよく分かると思います。

 

【Youメッセージでは】

お母さん:太郎、朝から何をゴロゴロしているの?

太郎:別に。ゴロゴロなんてしてないよ。

お母さん:じゃあ、学校の宿題でもしなさいよ。なんで、こう毎日、ゴロゴロ出来るんだろうね!

太郎:だから、ゴロゴロしてないよ。テレビを見ているだけだよ!

お母さん:そういうのをゴロゴロしているというのよ。しようがない子ね!こんなことばっかりしてたら、ろくな大人にならないわよ!もっとシャッキとしなさい!

太郎:分かったよ!勉強すればいいんだろう!

 

【Iメッセージでは】

お母さん:次郎、朝から何もすることないの?

次郎:別に。

お母さん:じゃあ、学校の宿題でもしなさいよ。お母さんは、あなたが勉強している姿を見るのが好きだな!

次郎:え?僕は今テレビを見ているんだけど。

お母さん:お母さんは、やることがあるのに、あなたがテレビを見て、やることをやらないのは、嫌だわ。

次郎:分かったよ!勉強すればいいんだろう!

 

◇この二つの会話は、同じようなものですが、二つ目の会話には、Iメッセージが含まれています。お母さんの気持ちを直接伝えているのです。相手の行動を自分としてはどう感じるかを伝えています。

 

子どもに注意を促したい時に、Iメッセージを活用して欲しいと思います。子どもは、基本的に親の求めに対して応えるものだからです。

 

『Iメッセージを使って自分の思いを子どもに伝えよう!』

 

 

☆ 真剣に叱る! ☆

 

◇このメルマガでは、あえて叱ることに対してあまり触れてきませんでした。それは、私たち親は日常的に子どもに小言を言っているでしょうし、親が子どもにマイナスのアプローチを日常的にしているだろうと思っていたからです。

 

◇しかし、ここ数回、保護者の方と面談していて、子どもに対しての姿勢がどうも人ごとのようになっていることに気がついたのです。「あなたのことなんだから、しっかり考えてあなたが決めなさい」というような発言を保護者の方がする場面が何回となくありました。その発言を聞く度に、わたしは、ここで叱ってこそ親なんだけどな!と思うことが多くあったのです。

 

◇例えば、子どもが高校を中退しようとする時に、親が真剣に子どもに問うことです。そして、もし子どもの判断が安易なところに傾いたら(子どもが自分の将来に対して本気で考えないで判断していたら)当然、親は子どもを真剣に叱ることです。子どもの目を見据えて、全精力をかけて叱ることです。

 

◇教師と生徒でも最近は、叱る=叱られる関係は余りありません。なにせ、暴言を吐こうものなら大問題になってしまうからです。数年前に私は、大人が真剣に叱るとはどういうことかを子どもたちに伝えたくて、理事をしていた学校で、ある男子生徒を真剣に叱りました。その生徒の目を見据えてあらん限りに声を張り上げ、校舎全体に響き渡る声で。

 

◇私の真剣さをそのクラスの誰もが認めてくれ、それ以後クラスの姿勢がよくなりました。当然、その男子生徒もがんばるようになりました。時には真剣に叱ることが大切なことなのです。逆に言えば、四六時中、生徒や子どもを叱っていてはいけないのです。叱ることが軽くなってしまうからです。

 

『叱る時は、真剣に叱る!』

 

 

 

☆ 読書を促すために! ☆

 

◇この土日で、大阪の高槻と北海道の札幌で、子育て講演をしてきたのですが、その話の中で、2020年の高大接続改革について触れました。

 

これからは、IN PUT型の教育からOUT PUT型の教育が行われて、どういう風に知識を活用できるかが問われるから、自分の感想や意見が書けるように子どもたちを指導しておいた方が良いですよと伝えて、読書感想文を書くように勧めてきました。

 

◇ということで、今回は、読書を促すために、どんなアプローチが出来るかを書きたいと思います。

 

◇子どもに読んでほしい本を薦める時、皆さんは、どういう薦め方をしますか。「この本読んでみたら」と本を買ってきて、子どもの前に出して薦めますか。それとも、本屋さんに子どもと一緒に行って、薦めたい本を探して、一緒にちょっと立ち読みをして薦めますか。

 

◇私が子どもに本を薦める時は、必ず本の内容を少し話します。いつもこういう時に出すのは、「ゲド戦記1~影との戦い~」という童話ですが(ジブリの映画で有名になりましたが、あの映画は、本来のゲド戦記のメッセージを上手く伝えられていないと私は思います。ですから、あの映画でこの童話を判断しないようにしていただけると幸いです。)、

 

この本は、主人公のゲドが、魔法使いの学校で習った呪文を唱えて、邪悪な神を呼び出してしまい、ゲドが追いかけられる話です。

 

◇この本を私は子どもの時に読んでほしい思っています。ですから、子どもたちに、こんな感じで薦めます。

 

「ゲドを追って邪悪な神が世界の果てまでついてくるんだ。逃げているゲドには、影がないんだ!なんでだと思う?

 

まあ、先を続けようか。逃げて逃げて、そして、もう逃げられない世界の果てまでゲドは逃げて、そして、とうとうゲドはその邪悪な神と向き合わざるを得ない状況になるんだ。ゲドは、ついにその邪悪な神と対決するんだ。必死に戦って、やっとその対決にゲドは勝つんだ。その時初めて、ゲドには影ができるんだ。それまでのゲドには、影がなかったんだよ。つまり、ゲドは、それまで人間ではなかった。幽霊みたいなものだったんだ。幽霊には影がないだろう?邪悪な神に勝って初めてゲドは、人間になれたんだ。

 

邪悪な神とは、何だと思う?そう、自分の醜さ・欠点そのものだということだよね。自分の欠点と向き合って初めて人間になれるのだという話なんだ。人間には誰にでも欠点はあるものだよな。自分の欠点を自分で認めて生きていくってことが、非常に重要なことなんだ。ゲドは、それが出来るまで世界の果てまで行ってしまったんだな。そのぐらい、自分の欠点を認めるのは難しいことなんだ。魔法使いの話だけど、きっと、君たちにとっても素晴らしい話だと思うよ。」

 

◇こんな感じで薦めてみると、案外、「読む!読む!」ということになって、読書感想文をクラス全員で書いたものです。

 

◇ぜひ、読書の秋に子どもたちに本を紹介してみてください。

 

『子どもが読みたくなるように本を紹介しよう!』