2017年10月26日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

 

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆ 勇気づけの視点で子育てを! ☆

 

◇どんな親でも、自分の子どもを立派な大人にしようと子育てをしていると思いますが、立派な大人とは、どういうことかは、明確に自覚していないかもしれません。

 

◇立派な大人とは、自分の置かれた状況に対して誠意を持って対処する人間、他人をむやみに傷つけない人間、社会的な行動が取れる人間、新しいことにチャレンジしていける人間、経済的にも精神的にも自律=自立している人間、そんな人間になるように、自分の子どもを育てようとしているのではないでしょうか。

 

◇しかし、そういう大人に子どもを育てるためには、どうしたらよいのか、はっきり分からないのも確かです。子育てに迷いを感じるのは、最近の親なら誰もがそうだろうと思います。で、今回は、どういう子育てをしていけばよいのか、この「どういう」という視点を考えたいと思います。それは、勇気付けの視点で子育てをしてみてはどうかということです。

 

◇自分を自分で励まし、背中を押せる人間に育てれば、上記のような立派な大人になっていくはずです。立派な大人とは、何も成功ばかりしている人間ではなく、失敗した時は、自分で立ち上がり、そして、普通の時は、当たり前のことが出来る大人のことです。

 

◇ぜひ、有名人や大金持ちの大人を子どものモデルにすることなく、子育てをしてほしいと思います。勇気ある人間にしていけば、必ず、自律=自立的な大人になっていくのですから。

 

◇子どもに勇気付けを行なう際の視点ですが、5つあります。

 

1.存在を肯定する=当たり前に出来ている点を認める

2.子どもが、さらに良くなるために悪い点は、指導する

3.結果が悪くても、プロセスでいい点を認め、指摘する

4.満点から見るのではなく、達成できている部分を認める

5.上下関係の視点ではなく、親子対等な視点で話をする

 

◇この勇気付けの視点を参考に、子育てをしてほしいのですが、特に、1と3の項目を意識しながら、子どもと接してみてください。結果も重要なのですが、その結果を出すためには、プロセスを正しいものにすることが重要なことなのです。

 

◇プロセスの中で少しでもいい点があれば、ぜひ、認めてあげてください。それを積み上げていけば、プロセスがドンドン改善されていくはずです。

 

◇また、テストの満点や平均点を基準にして評価をするのではなく、取ってきた得点を基準にして、出来ている点を認めてください。例えば、60点なら、まずは「60点分は理解している」ということを認め、その次に「理解していない部分をなくしていこう」というように、アプローチをしてください。

『子どもを勇気付けながら育てよう!』

 

 

☆ 勉強を教えるコツ! ☆

 

◇台風シーズン到来です。ということは、もう秋になってしまったということで、今年の夏は、私の住んでいる横浜では、何かあいまいに行ってしまいました。さあ、それはともかく、秋です。勉強の季節だということで、今回は、勉強を教えるコツについて書いてみたいと思います。

 

◇子どもの勉強を上手く見るコツは、あまり教えないことです。親身になりすぎて教えてしまうと、子どもが分からない時に、「何で分からないの!?」と詰問してしまって、お互いの感情を害することになるからです。

 

◇ですから、教える時には、分からなくても当たり前という前提で、まず子どもに向き合ってください。くれぐれも、「学校でやってるだろ!」とか、「塾で何やってんだ!」なんて思わないように努力してください。そして、分からせるというよりも、子どもは、この問題の何が分かるようになれば、自力で解けるようになるのかを考えながら、遠回りしながら教えるようにしてください。

 

お母さん:A君、何やってるの?わからないなら教えてあげようか?

A君 :大丈夫、大丈夫、全然平気!

お母さん:何遠慮してるのよ!見せてよ!早く!

A君 :わかったよ。これだよ。

お母さん:うんうん、なるほど、この問題か。A君、この前さ、こんなこと習ったでしょ。覚えてる?

A君 :え~?こんなのやったっけ?

お母さん:ほら、こんな式よ。きっとやったでしょ。覚えてない?

A君 :え~?こんな感じで解くやつだっけ?

お母さん:そうそう。それ!思い出した。

A君 :うん。思い出したよ。

お母さん:じゃあ、この問題だけど、この前の式で考えたことをちょっと利用するとわかるかもよ。

A君 :どうやって?

お母さん:この問題は、こういう風に読んでみると、これとこれが二つに分かれるでしょ。

A君 :そうだね。あっ!分かったよ!こうすれば良いんじゃない?

お母さん:そうそう、そういう風に考えればよいのよ。こういう問題が出てきたら、以前やった問題で解けるかどうか、考えながら、やってみたら。新しい問題に見えても、今まで習ったことを基にして考えると出来るかもね。

A君 :うん。ありがとう!

 

◇教える側は、子どもが既に知っていることを土台に、教えることです。既知から未知へと教えるのが鉄則ですが、まずは、子どもが、何を知っているかを知って、分からないのは、どういうことが分からないのかを理解して教えることです。しかし、くれぐれも「何がわからないの?」と聞かないようにして下さい

 

大概、全部!という答えしか返ってきませんから。それよりも、この問題は、どんな知識を前提にしてとけるだろうかと考えて、子どもに色々と質問をするようにしてください。

 

◇質問することで、極力子ども自身で気がつくようにもっていくことです。なかなか気がつかなければ、あまり深入りしないで、やり方を教えて、あとは、学校の先生に聞いてみなさいよといって切り上げて、違う勉強を促してもいいと思います。お母さんとの関係を悪くして、勉強から遠ざかっては意味がないので、さりげなく教えることから一旦身を引くようにすれば、次の機会があるというものです。

 

『勉強のコツは、子どもに考えさせること!』

 

 

☆ 子どもの失敗を受け止める! ☆

 

◇小学校に上がって少しすると、子ども達は、間違いを非常に気にし出すようになります。学校の先生や友達に間違いを指摘され、その恥ずかしさで、間違いは「やってはいけないこと」と思うようになります。

 

◇そうなると、学校でやったテストを親に見せないように隠したり、授業でやったプリントの間違い直しの宿題を隠したり、宿題自体をやらなかったりするようになります。

 

◇そして、そういう隠し事を発見したお母さんは、大概は、子どもを責めてしまいます。何で隠し事をするのか、詰問してしまったりします。

 

お母さん:なんで学校でやったテストを見せないの!

A君 :忘れていただけだよ。

お母さん:この前だって、見せてないでしょ!机の引き出しの奥に隠していたくせに!

A君 :なんだよ。勝手に見たんだろ!

お母さん:当たり前でしょ!テストなんだから、お母さんが見ても。それより、この前やったところが全然出来てないじゃないの。何勉強しているのよ。

A君 :うるさいな!

 

◇こんな会話になってしまうこともあるのではないでしょうか。お母さんとしては、テスト結果が悪いから見せないことに憤りを感じているのでしょうが、子どもは、テスト結果が悪かったことに既に傷ついているのです。お母さんに会わす顔がないなあと思っているのです。

 

◇だからこそ、もうこれ以上傷つきたくないために、テストを隠すのです。このことを、まずお母さんは受け止めてほしいのです。

 

◇こう書くと、「うちの子は全然こんなことではめげないんです」という声が聞こえてきそうですが、実はそう見えるだけで、傷ついていることが多いのです。子どもながらに一生懸命元気な振りをしているのです。

 

お母さん:学校のテスト最近見せないわね。

A君 :そんなことないよ。

お母さん:テスト見せるの恥ずかしくなったの?

A君 :そんなことないよ。忘れていただけだよ。

お母さん:じゃあ、持ってきてよ。一緒に見ようよ。

A君 :嫌だよ。何でテストの結果をお母さんに見せなくちゃいけないの!

お母さん:だって、A君のことが心配だから。テストの結果で喜んだり、悲しんだりしてほしくないから。

A君 :どういうこと?テストの点数って重要じゃないの?

お母さん:テストは、今まで勉強していた所が、分かっているか分かってないかを知るものだから、出来ているところと出来ていないところが分かればいいのよ。だから、一緒にA君とテストを見たいのよ。

A君 :でも間違っちゃいけないんでしょ?

お母さん:誰でも間違いはあるから、そんなことないわ。

 

◇辛抱強くこんな会話を目指してみてはどうでしょう。そのためには、まずは子どもの気持ちを想像してみることです。間違いをしても良いという安全地帯をお母さんが、作ってあげてください。

 

『子どもの失敗を受け入れる!』