2018年04月03日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


☆子どもに愛情を示す!☆

 

◇子どもは、親から愛情をもらいたくてもらいたくて仕方がありません。いや、子どもだけではありません。人間は、他人から愛情をもらいたい動物です。ですから、他人からの承認(プラスの承認もマイナスの承認も)が、ベストタイミングであればあるほど、セルフ・エスティームが高くなっていくものです。

 

◇よく言われているように、親が無条件に子どもに愛情を示し、子どもを勇気づけていけば、子どもは、安心して成長していくのです。しかし、親が子どもに過剰な期待を寄せてしまうことから、今の子どもの状態を認めがたくなって、子どもの悪い点を直そうと愛情よりも注意や忠告をしすぎて、子どもをスポイルしてしまう場合が多いのです。

 

◇そうすると、親子関係の悪化を招いてしまうことになります。愛情の表れとして子どもを指導しようとすればするほど、子どもは愛情欲求を大きくし、愛情の確認を親の望む行動以外の行動で行ってしまうので、さらに関係が悪化してしまうのです。

 

◇日本では、愛情表現を頻繁にする文化的風土が希薄なので、なかなか愛情を直接的に表現することができないものです。特に、子どもが中学生以上になった親子関係や夫婦関係では、特にそういう風潮があるのではないでしょうか。

 

◇ですから、愛情を子どもに示せと言われても、そんなことは恥ずかしくて出来ないということにもなりかねません。しかし、愛情は、直接的ではなくても、間接的でも示すことは可能です。

 

◇たとえば、親が、子どもの心を尊重する態度や子どもに決定を任せて、サポートしていく態度を取るという行為は、子どもに愛情を示しているということです。直接的な言葉で愛情を表現しなくても、態度で、愛情は伝わるものです。

 

◇たとえば、こういう会話の中でも、愛情を伝わると思います。

 

会話1

お母さん:「最近、元気がないみたいだけど」

A君 :「そんなことないよ」

お母さん:「何かお母さん、心配だな。だって、いつもの元気が感じられないけど」

A君 :「そんなことないよ。元気だよ」

お母さん:「それならいいけど。何か心配事でもあるならお母さんに話してほしいな」

A君 :「うん。そういう時はね」

 

会話2

お母さん:「ありがとう!手伝ってくれて」

B君 :「別にいいよ」

お母さん:「お母さん、うれしいな」

B君 :「ちょっと、暇だったからやっただけだよ」

お母さん:「兎に角、お母さんはうれしいのよ。あなたとこうやっていられるのが」

 

◇子どもに対する感謝の気持ち、子どもを案じる気持ち、子どもと喜びを共有すること、そういう様々なことが、子どもに愛情を伝えてくれるものです。「愛している」という言葉だけが、愛を伝えることではありません。ですから、気楽に、子どもに愛情を示してほしいのです。

 

◇親が愛情を子どもに示せば示すほど、子どもは、安心して、成長していくものです。そうすれば、子どもの自己重要感(セルフ・エステーム)が高まって、やる気のある子どもに育っていくことになります。

 

『子どもに愛情を示す!』

 

 

☆春休みの計画を立てる!☆

 

◇今月の末から春休みが始まります。子どもの自律を促す絶好のチャンスが到来します。今から、春休みの計画を子どもと一緒に作り出してみてはどうでしょうか。

 

お母さん:春休みはどういう計画を立てようか?

A君 :え~?春休みは、どこかに連れて行ってくれるの?

お母さん:そうね。1回ぐらいはどこかに行けるようにしたいわね。

A君 :どこに行こうかな。たまには、遠くに行ってみたいな。

お母さん:そうね。お父さんと考えておくわ。それより、A君の春休みの計画を考えましょうよ。

A君 :嫌だよ。どうせ、勉強の計画でしょ!なんで僕だけ、つまらない計画を考えなきゃいけないの?

お母さん:そんなことはないわよ。お母さんだって、家事の計画を立て、お父さんだって、家族サービスの計画を立てるんだから。みんなで春休みの計画を立てましょう。お母さんは、A君にまず春休みの目標を作ってもらいたいんだけど。

A君 :お母さんは、何が目標なの。お母さんの春休みの目標は何?

お母さん:そうね。春休みの目標としては、台所の掃除を3日間でして、みんなが驚くほどきれいな台所にするわ。A君は?

A君 :え~?なんだろうな。今度6年生になるから、体力作りかな。

お母さん:いいじゃない。体力作りに何をやるの?

A君 :う~。縄跳びをやろうかな。

お母さん:いいじゃない。縄跳びを毎日何回やるの?

A君 :じゃあ、30回づつやるよ。

お母さん:凄いじゃない。頑張りなさいよ。じゃあ、勉強の目標は。

A君 :そうくると思った!どうしようかな?

 

◇こんな感じで、先を急がずに、お互いが納得しながら、目標を決め、計画を立て、最後に紙に書いて、みんなの見えるところに貼って、春休みの計画を実行していくようにしてみてください

 

『春休みの計画を立てる!』

 

 

☆自分を第三者の目で見ること!☆

 

◇最近、あるお母さんから相談を受けました。子どもに注意をすると、その時は聞いてくれるのだが、直ぐに同じようなことをして、同じ注意を何回もするようになってしまうのだが、何とかなりませんかという相談でした。

 

◇私は、そのお母さんにこんな回答をしました。「子どもに自分のやっているところを想像させるようにしたらどうですか」と。それは、第三者の目で子どもに自分を見させることでもあります。子どもは、無我夢中でその場面にのめり込んでいることが多いので、その場で客観的になることは難しいものですが、それでも後になれば、少しは冷静になれるので、その時に客観的に自分を振り返ることを教えるということです。たとえば、こんな感じで。

 

お母さん:あなたがどんなことをしているのか、もう一人のあなたが見ているのよ。

A君 :え~?どういうこと?

お母さん:たとえば、今この状況をあなたが空から見ているのよ。あなたはどんな風に見える?

A君 :お母さんと僕が、何か話しているような感じ。

お母さん:そうそう。そういう感じで、今起こっていることを想像してみるのよ。この前、お母さんに叱られたでしょ。その時は、あなたが、B君をいじめたからじゃない?今度は、そういう時にあなたが、あなたを空から見て、どう見えるか考えるのよ。

お母さん:あなたがB君をいじめている、その姿をあなたが見て、あなたが良いことをしているのかどうかを想像してみるの。そうすれば、もしあなたが良くないことをしていると思えば、あなた自身に注意が出来るでしょ。そうやって、自分を想像してみてよ。そうすれば、自分で自分のことを止めることが出来るし、もし、その場で想像できなければ、後になって振り返ってみてよ。僕はあの時どういう風に自分で見えていたかなって。良くないことをしてたなって思えれば、その相手に謝れるでしょ。お母さんは、そういうことをあなたにしてほしいのよ。

 

『自分を第三者の目で見ること!』

 

 

☆子どもがやる気になる時とは!☆

 

◇子どものやる気は、恒常的に続くものではありません。やる気は、紙風船と同じで、空高く打ち上げても必ず地面に落ちてくる、そういうものです。ですから、何回も何回も空高く打ち上げなければならないのです。子どもがたまたまやる気になっているのを見て、安心してしまってはダメです。何回も何回もやる気を引き出すアプローチを心がけなければならないのです。

 

◇やる気を引き出すためには、当たり前ですが、やる気になる時を作ることです。そして、やる気を定期的に刺激して、やる気を保つことが重要なことです。たまたまやる気になった時を見逃さずに、そのやる気を維持していこうとすることが、親としては大切なことです。それでは、子どもがやる気になる時とは、どんな時でしょうか。

 

1.子ども自身に本当にやりたいことが見つかった時

2.子どもが目標達成を意義あるものだと思った時

3.目標に向かって、やることが明確になった時

4.目標の達成が可能である時

5.子どもに目標達成のスキルがある時

6.子どもが目標達成の方法を選択出来る時

7.目標達成をした時のイメージが明確になった時

8.目標達成したら、他人の賞賛が大きい時

9.目標達成したら、親が喜んでくれる時

10.仮の目標を決定した時

 

◇他にもまだあるでしょうが、区切りがいいので、このぐらいにしておきます。

 

◇子どものやる気を引き出そうと思ったら、子どもの好きなことに注目するか、あるいは子どもに目標をまずは持たせることです。しかし、子どもの好きなことは、親にとってはあまり好ましくないことも多いものですから、そう考えると後者の子どもに目標を持ってもらうことが一番いいことかもしれません。そのためには、小さな目標を設定して、達成感とは物凄く気持ちのよいものだと思ってもらうことが一番早いと思います。

 

 

◇達成感を常に感じている子どもは、目標を持ちやすいし、目標に向けて努力しやすいようです。ということは、達成感を感じやすい教育環境を用意することです。

 

勉強だけの目標ではなく、毎日の習慣的なことでもいいですし、趣味的なものでもいいので、小さな目標を子どもに決定させて、達成感を味わってもらうように仕掛けていきましょう。そうすれば、目標に向けて動き出すかもしれません。しかし、1回の仕掛けで成功するなんて甘いことは考えないでください。

 

『達成感を感じてもらう!』』