2014年05月21日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆ 能天気な親を演じる ☆

中学生の子どもに・・・

母:「今日、学校でどうだった・・・?」

子:「ふつう」

母:「『ふつう』って何よ。そんな答え方ないでしょ」

子:「・・・。」

母:「何があったか聞いているのよ」

子:「だから『普通』って言ってるじゃん」

母:「・・・。(小学生のころは、いろいろ話してくれたのに・・・)」

中学生に進級した喜びもつかの間、最近、「生意気になってきた」、「口数も少なくなってきた」と感じると、「誰か悪い友達とつきあっているのかしら?」「誰かにいじめられているのかしら?」と不安になるお母さんも少なくないのではないでしょうか。

確かに、希に問題を抱えているケースもあるかもしれませんが、

ほとんどの場合、本格的な思春期を迎えているものです。

小学生までは、親の保護を受けて、安心・安全に生きるために、親の価値観に沿って生きる必要がありました。親の価値観に沿うとは「親の言うとおりに行動する」ということです。

ところが中学生にもなれば、電車やバスにも自由に乗れ、お店などにも子ども同士で入ることもできます。親と共にいる時間が大きく減少し、友人と過ごす時間が増え、今まで当たり前だと思っていたことが、友人たちと過ごすことで当たり前とは限らないという経験をする中で、今まであんなに寄り添っていた保護者に疑問を持ち始めるのです。

生まれてからズーッと慣れ親しんでいた親の価値観を疑問視するようになってくるわけです。

親は本当に自分の味方なのか。

それとも自分の行く手を阻む抵抗勢力なのか。

そんな疑問を胸に、親と気楽に話ができるわけがないのです。

ですから、小学生のころのように子どもが話してくれないと悩む必要も、今までの子育てを悔やむ必要はないのです。

では、どうしたらいいかと言えば、口数より“目数”を増やすことです。子どもをよくよく観察して、何か変化があれば、「貴方の様子を見ていると、○○なので△△よ」とか、「何か困ったことがあったら、

相談してね」と親の心の窓が開いていることを伝える言葉がけをすると

よいでしょう。

 

最後に、もう一度学校の様子を聞いてみましょう

母「今日、学校でどうだった・・・?」

子「ふつう」

母「今日も、不幸なく無事に過ごせたわけね。それは、安心!安心!何か困ったことがあったら相談してね」

子「・・・。(呑気な親だな~)」

 

少し能天気な態度で子どもと接してみてください。意外に、小学生の時

とは違う子育ての楽しさが感じられるかもしれません。

 

☆感情を理解することの大きな効果 ☆

子どもとの約束を実行できない時、どうしますか?

母:「今度の日曜日にディズニーランドに行く約束していたけれど、急に用事ができていけなくなっちゃったのよ。悪いけど、別の日にしてくれない?」

子:「なんで?約束したのに・・・。大人は本当、ずるいんだら・・・」

母:「何がずるいのよ。急な用事ができちゃったんだから仕方ないじゃない。行かないと言っているわけじゃないのよ」

子:「お母さんは、よく私には約束を守りなさいというくせに・・・。本当、大人は嘘つきなんだから」

母:「嘘つきとは何よ。お母さんに対してそんな口のきき方をするなんて、そんなこと言うなら、もう連れていからね」

子:「いいよ。もうお母さんの言うことなんか信じないからね」

 

折角、親子で楽しみにしていた予定なのに、親子の関係がしばらくギクシャクしそうです。

大人にだって都合があります。予定が入ってしまって、やむを得ず予定を変更しなければならなくなった時、親は嘘つきの汚名を背負わなくてはならないのでしょうか。

そもそも予定どおりに行かないことは、人生につきものです。こんな時どうしたらいいのでしょうか。

母:「今度の日曜日にディズニーランドに行く約束していたけれど、お母さん、急に用事ができてどうしてもいけなくなっちゃったのよ。あなたをがっかりさせてしまって本当に悪いのだけれど、今回は許してくれないかしら・・・」

子:「エー。行けないってこと?  ・・・何で?」

母:「今度の日曜日、どうしてもやらなきゃいけない用事ができちゃったから、他の日に変えて欲しいのよ」

子:「楽しみにしていたのに・・・」

母:「そうよね。あなたが楽しみにしていたからお母さんも辛いのよ、お母さんだって、凄く楽しみにしていたから、すごく残念なのよ」

子:「じゃあ行こうよ」

母:「ごめんね。どうしても、今度の日曜日はダメなのよ」

子:「どうしても?」

母:「ごめんね。どうしても・・・」

子:「わかったよ。それじゃあ許してあげる。そのかわり、今日のご飯のおかずは、ハンバーグにしてくれる?」

母:「いいわよ。ハンバーグで今度の日曜日ディズニーランドに行けない残念会にしましょう」

子:「ヤッター」

前半の会話では、お母さんは急用を振りかざして、子どもを納得させようとしているようです。子どもは、自分の感情を理解してくれない親に感情的になって対抗しています。行けるに越したことはありませんが、ダメな時があることは子どもでもわかるはずです。それでも行きたくて、行けないがっかりしている気持ちを受け止めて欲しいという気持ちが、反抗的な態度になってしまっていると考えられるのです。

後半の会話では、子どもの残念な気持ちをお母さんがはっきりとした言葉で受けとめていることがわかると思います。

「これほど自分の気持ちを理解してくれているお母さんが、行けないというのだから余程のことなんだな」と子どもも感じて理解してくれるようになるのです。

親はよく、子どもを説得しようとして事細かく理由を伝えることがありますが、必ずしも子どもが理解できるとは限らないので注意が必要です。

親の言う理由が子どもにとって、理由として理解できない可能性があるからです。

結果的に、「これほど言っているのに・・・(なぜわからないの!?)」と親が感情的になり、前半の会話例のように後味の悪い結果になるものです。

「説得させよう」「納得させよう」とアプローチするより、「子どもの気持ちを理解しよう」と努めると意外にしっくり落ち着くかもしれません。