2021年07月23日

子どものやる気を引き出す!親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません.

出典:マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆ 子どもに手伝いをしてもらおう! ☆

 

◇長い夏休みが始まっても、小学生や中学生は、何かと忙しいものです。しかし、そんな忙しい子ども達でも、夏休みには、ぜひ家の手伝いを一杯させてほしいものです。子どもにとって、他人から感謝される経験を一杯受けるということが、今後のエネルギーになるからです。ぜひ、親の感謝を子どもに浴びせかけてください。

 

◇それでは、どういう風に家の手伝いを頼めばよいのか。ごくごく自然に、お母さん、お父さんのやっていることを子どもに分担させることです。それだけでいいのです。

 

◇単発の手伝い

 

お母さん:A君、洗濯物を取り込んでくれないかな?

 

A君 :え~・・・。

 

お母さん:お母さんは、今から食器を洗うから、A君は、洗濯物を取り込んでくれるとお母さん、助かるんだけど。

 

A君 :わかったよ。

 

お母さん:ありがとう!助かるわ。

 

◇夏休みのルーチンの手伝い

 

お母さん:夏休みになったら、A君に頼みたいことがあるんだけど。いいかな?

 

A君 :えっ?!何?

 

お母さん:学校がある時は、A君も忙しいからお母さん遠慮してたんだけど、夏休みになったんだし、ちょっとは家の手伝いをしてほしいのよ。

 

A君 :なんで?!

 

お母さん:いつもは、A君学校に行くので大変だから、食器を片付けないでしょ。夏休みなんだから、朝・昼・晩の食事の後の片付けを、自分の分はしてほしいんだけど。どう?

 

A君 :え~・・・。何で?いいじゃん、今まで通りで!

 

お母さん:ちょっとは頑張ってみようよ。A君が手伝ってくれると、お母さん、その時間に掃除も洗濯も余裕を持って出来るようになるんだ。

 

A君 :分かったよ。夏休みだけだよ。

 

お母さん:ありがとう!嬉しいわ。

 

◇子どもに手伝いをさせることで、お母さんやお父さんが、事ある毎に感謝の言葉を伝えてほしいのです。子どもが他人の役に立っていると実感できれば、それに越したことはないのです。誰かの役に立っているという実感を、一杯味わってほしいものです。

『他人の役に立つ!』

 

 

☆ 暗黙の理想を意識する! ☆

 

◇私たち親は、子どもに素晴らしい人間になってもらいたいと思っていますが、その思いが強ければ強いほど、裏目に出る場合が多いものです。子どもに理想を求めすぎて、子どものセルフ・エスティーム(自己重要感)を低下させてしまうことが多いのです。

 

◇「こうなってほしい」、「ああなってほしい」、「こういう行動を取るべきだ」等々、色々な要求を子どもにするので、子どもも困ってしまうのです。そして、親は、子どもに対する期待とは裏腹に、子どもが出来ていないことがあるとついつい叱ってしまって、承認することがなかなか出来ないものです。

 

◇親が子どもに求める理想を、私は暗黙の理想と呼んでいるのですが、この暗黙の理想を説明しておきます。読者の皆さん、子どもが中学生だとしてください。中学校の定期テスト(中間テスト・期末テスト)の1週間前にどのくらいの時間、子どもに家庭で勉強してほしいでしょうか。

 

◇講演会などで、お母さん方に聞くと、2~3時間が、圧倒的に多いのです。もし仮に3時間、勉強をしてほしいと思っているとすれば、この3時間が基準となって、子どもの勉強時間を評価することになります。これが暗黙の理想です。

 

◇そういう評価基準が、暗黙の理想なんですが、子どもが30分勉強したとしても、3時間(=180分)を基準とすれば、全然勉強していないことになるのです。

 

◇30分でも子どもは、勉強したのですから、このことを認めてほしいところですが、しかし、暗黙の理想に無自覚だとそれが、認め難いものになるのです。

 

お母さん:テスト前なのに勉強しないの?

 

A君:やったよ。

 

お母さん:えっ!?何分?

 

A君:30分!

 

お母さん:何言ってるの?30分じゃ全然やったことにはならないわ!もっとやりなさいよ。

 

A君:えっ!?分かったよ。やるよ。

 

  (30分経過)

 

お母さん:もう終わったの?

 

A君:えっ?!だって1時間もやったよ。

 

お母さん:何言ってるの?もう少しやりなさいよ。もう少し!

 

A君:なんで?!もういいよ。

 

お母さん:もう少しやりなさいよ。ここまでやったんだから。

 

(30分経過)

 

お母さん:切りが悪いわね。もうちょっとやったら。後30分ぐらい!

 

A君:なんで?もういいよ。

 

お母さん:何言ってるのよ。もうちょっとやれば、2時間やったことになるじゃない。頑張りなさいよ。

 

A君:分かったよ。

 

  (30分経過)

 

A君:終わったよ!もういいよ。休憩だ!

 

お母さん:いつもこのぐらいやりなさいよ。

 

◇結局、A君は、2時間勉強を頑張るのですが、暗黙の理想がお母さんにはあるので、A君の努力は、お母さんの暗黙の理想に到達しない限り、承認されないのです。

 

◇ですから、「頑張ったね」とは、なかなか言って子どもはもらえないのです。暗黙の理想が高いと勉強に対する動機付けは、なかなか行われ難くなってしまうということです。

 

◇それにしても会話の中のA君は、我慢強く勉強を頑張りました。2時間勉強してもお母さんは、A君の努力を認める発言がなかった。これが、暗黙の理想がいけないところなのです。頑張ったね!の一言がかけられるようにしたいものです。

 

『暗黙の理想を意識する』