子どものやる気を引き出す!親のアプローチ
恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。
出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」
☆夏休みの計画を子どもと話し合おう!☆
****************
◇子どもたちにとって、最大の関心事である夏休みが迫ってきました。この夏休みをどう過ごすかで、子どもたちの成長が違ってきます。ということで、今回は、夏休み前によくお話をする講演内容を書きたいと思います。
私は、保護者講演の中で、集まっていただいたお母さんやお父さんに、前屈をしてもらうことがあります。
中土井:長い話しが続いたので、皆さん立ってください。前屈をしましょう。私なんか、ほらこの通り、全然曲がりません!(笑い)それでは、一番嫌いな食べ物を思い出してください。強くイメージしてください。私は、苦いのでゴーヤが大嫌いです。それでは嫌いなものを足元にイメージして、前屈してください。
どうでしたか。全然曲がらないでしょう!それでは次に、一番好きなものをイメージしてください。私はラーメンが大好きです。好きなものを足元にイメージして前屈しましょう!どうでしたか。
◇真面目な話が続くとこんな感じで、場をリラックスさせ、お母さんやお父さんに何かをしてもらうようにしています。この前屈では、嫌いなものの時と好きなものの時では明らかに曲がり具合が違うということを実感してもらってから、次のような話をします。
(このメルマガをお読みの皆さんも実際やってみてください。みんな驚くほどの結果になります。心と身体の関係って、驚くほど深くつながっているのです。好きなことをする時は、自然と身体が動くのです。)
中土井:それでは、お母さん、お父さんが、お子さんに望む夏休みはどういうものですか。こういう風に夏休みを過ごしてもらいたいというも
のを資料の中に書き込んでください。
◇書き込めた頃を見計らって、数人に指名し、発表していただいてから、この書き込んだことをお子さんに伝えようと思っていましたかと聞いてみます。大概のお母さん、お父さんは、自分で思っていただけだと答えるのです。
中土井:夏休みをどう過ごしてほしいかということと、お子さんがどう過ごしたいかは、別物です。思っていることが違うかもしれません。
だから、お子さんと話をすることです。まずこの質問をお子さんにしてください。
中土井:夏休みに何を一番したいのか?こういう質問をしてください。
直ぐに出ないかも知れませんので、気長に待つか、数回に分けて質問をすることです。直ぐに答えを求めないことです。質問に答えが出てきたら、その答えを尊重してください。その次に、9月になったら、あなたはどういう人間になっていたいのか、聞いてください。この質問もすぐに答えが出ないものですから、数回に分けて聞いてください。なかなか出ないものですから、お母さん、お父さんが
「私は、9月になったらあなたがこういう人間になっていて欲しい」ということを伝えてください。
中土井:9月になったらどういう自分になっていたいのか、ここを意識させてください。9月の自分がお子さんにイメージさせられたら、次に、そういう自分になるために、夏休みに何をしたいのか、棚卸をしてもらいます。お子さんが、数個挙げられれば、次にお母さん、お父さんが、数個挙げてください。そして、その数個上がった中からお子さんに優先順位をつけてもらいます。
先に、一番したいことを挙げてもらったので、そのことは、優先しましょう。
その1つと残り、4つぐらいで、優先順位をつけ、5つに絞ってください。この優先順位をつける時は、9月の自分をいつでも思い出しながら、おこなってください。
中土井:そして、その優先順位が決まったら、次に夏休みの計画を作ります。子どもは理想主義者が多いので、計画がぎっしり詰まっている場合があります。お母さん、お父さんが、間引きしてあげてください。
緩やかな計画にして、子どもに出来そうな感じを与えることです。 緩やかならば、1回計画を実行できなくてもそれほど困りません。 ぎっしり詰まった計画だと1回出来ないと全部に影響してしまうも のなのです。だから、緩やかな計画を作ることです。
中土井:最後に計画が出来たら、実行の後押しですが、部分の評価を徹底してください。一日の全体の評価をするのではなくて、一日の計画の中のここが実行されたからOKだねとか、この部分は、非常に頑張っていたのねとか、そういう評価をすることです。今日は出来た、出来ないだけの評価をしないということです。こういう点にも注意をしてもらいたいのですが、たとえば、勉強しているのかと覗いたら、絵を書いていたとします。
そうしたら、「絵なんか描いてないで勉強しなさい!」とは言わずに「上手い!面白い絵だね!」と絵について言及してみてください。
また、何回も何回も絵を描いていて、勉強してなければ、絵を優先
順位にいつから入れたのか、聞いてみるとよいと思います。
人間は、好きなことをやるのです。または、自分で選んだことをやるのです。だから、お子さんは、何を選んだのかを確認しながら、計画の実行を後押ししてあげて欲しいのです。
◇こんな話を夏休み前の講演ではよくします。夏休みを無駄に過ごさないためには、子どもに色々と考えてもらうことです。それも夏休み前に。
◇出来れば、7月13日までには、数回の話し合いの機会を持って、お子さんと夏休みの計画を立ててみてください。一回や二回の話し合いで、直ぐに良い計画は出来るわけがないということも忘れないでください。
『夏休みの計画を子どもと話し合おう!』
****************
☆叱ることに留まらないで、正しいことを教える!☆
****************
◇子どもが悪いことをしたとき、私たちは、叱ります。しかし、叱るだけでは、子どもは「悪いことをした!」と自覚はするかもしれませんが、どうすれば、または、何をすれば、良いことになるのかは理解できません。
◇ですから、叱ることと正しいことを示すことをセットにして、子どもと向き合うことです。また、何でそれが正しいことなのかの意味をしっかり教えることです。
◇また、子どもが悪いことをして、それを叱る場合、子どもがどうしてその悪いことをしたのか、色々な可能性を創造しながら、叱ることです。
例えば、子どもが勉強しないでゲームばかりしている場合、「勉強しなさい!」
と一喝するだけではなく、「もしかするとA君は、勉強しても、わからないことばかりで、辛い思いをすると思って、勉強に向かわないのかも知れない」と思いながら、子どもと話をすることです。
◇つまり、問題行動を叱るということは、その問題行動の原因を解決するために、「勉強の意味」や「わからないことが出てきたらどんな対応をしたら良いのか」ということを教えることとセットでなければならないということなのです。
◇子どもは、大切な他人(=親や先生)の関心に沿って行動します。親や先生が、日頃の子どもの多様な行動の中から発見した望ましい行動に注目して、承認をしっかりしていくことです。そうすれば、常日頃から望ましい行動を学ぶことができるのです。
子どもの行動を叱るときは、正しい行動とその意味をしっかり子どもに伝え、そして、日々子どもの望ましい行動を親が承認することことです。
『叱ることに留まらないで、正しいことを教える!』
****************
☆お母さんは、子どもの気持ちを引き出すような環境を作りましょう!☆***************
◇いつもいつも叱られていると、子どもは自分に自信が持てなくなるので、失敗を恐れ、何事に対しても臆病になっていくものです。そんな子どもを私は、随分と沢山見てきました。
◇先日もあるスーパーでこんな会話をしている親子を見つけました。その時の子どもも、自分に自信のない子どものように見えました。
お母さん:「何が欲しいか言ってみなさい。」
子ども :「え~…。何がいいかな?」
お母さん:「これはどう?これがA君には良いと思うわよ!」
子ども :「え~…。お母さんがこれがいいって言うなら、それでいいよ。」
お母さん:「あなたが選ぶのよ。あなたの欲しいのは、どれよ!」
子ども :「だから、これでいいよ。」
お母さん:「これで本当にいいのね!あとでブツブツ言わないでよ!」
子ども :「…いいよ。」
◇このお母さんと子どものやり取りを見聞きしていて、お母さんは、子どもに選ばせようとしているけれども、結局は、お母さんの意向を押し付けているだけです。
◇子どもは、母さんの顔色を見ながら、必死に自分の欲しいものを探そうとしていますが、お母さんの迫力に負けてしまって、結局お母さんの言うとおりにしてしまいました。
もう少し踏ん張れば、彼は自分の気持ちを言えたのに、とうとうお母さんに負けてしまったのです。
◇私が心配するのは、お母さんの無自覚さです。お母さんは、子どもに選ばせたように思っていますが、実際はお母さんが何でも決めているのです。きっと、この親子は、大体のことが、子どもがもじもじして、業を煮やしたお母さんが決めて、一件落着になっているはずです。
◇これでは、子どもの自主性は育たないものです。こういう状況が読者の皆さんにもあるかないか、ぜひ、振り返ってください。
◇子どもの全てを何でもかんでも決めてしまうお母さんであってはいけません。子どもの気持ちを引き出して、子ども自信が選べるような状況を考えてみてください。
『お母さんは、子どもの気持ちを引き出すような環境を作りましょう!』