2019年10月25日

子どものやる気を引き出す!親のアプローチ


☆ 子どもの現状を把握する ☆ 

 

秋も徐々に深まっています。

この時期、子ども達の状況は大きく三種類に分かれるのではないかと、

何年も子ども達を見て思います。慣れないまま無我夢中で過ごしてきた

当該学年の前半の成果をどう受け止めて、どんな態度を示しているかと

いうことです。

 

一つ目の状況は、前半の成果に手ごたえを感じて益々がんばろうと張り切って取組みタイプです。これは、親にとっても、理想的なタイプです。

親としてもこんな子どもだったらいいのにと思うことでしょう。

 

二つ目の状況は、前半の成果は納得できないものであったものの、これで終わる訳に行かないとがんばるタイプです。これは、一般的に負けず嫌いの気質の子どもたちに多いようです。

親としても、前半から頑張ってくれればよかったのにと思いつつも、納得できるところでしょう。

 

三つ目は、諦めた態度をとる状況です。前半の芳しくない結果を踏まえ、「自分はこんなもんだ!」、「自分は、頑張っても大した成果を上げることができない」と考え、やる気が低下し、努力を怠り、もちろん期待する成果が現れません。

これは、親としてなかなか納得できるものではありません。

 

そして、三つ目の状況の子どもに対して、親も三種類に分かれるよう

です。

 

一つ目は、諦めてしまう態度です。「この子は、何をやっても駄目だ」と子どもへの関心や期待を投げ出してしまうのです。

 

二つ目は、この状況に居てもたってもいられなくて、常に子どもに必要以上の介入をする態度です。「こんな状況でどうするの!?」、「しっかりしなさい!!」と、四六時中言い続けます。

 

三つ目は、どうしたら、今のこの好ましくない状況を子どもに理解させ、再びチャレンジする意欲を高められるか考え、勇気づけを決意するタイプです。

 

さあ、あなたのお子さんの今の状況は如何でしょうか?仮に、お子さんが三つ目の状況だとしたら、親であるあなたの状況はいかがでしょうか?

 

実は、三つ目の状況に見える子どもも、よくよく話を聞くと「何とかしなくては・・・」と思っていることがほとんどです。

 

しかし、一つ目の親のような諦めや放任のアプローチ、二つ目の親のように否定的なアプローチで、「結局、自分は、親からも期待されていないし、どうせダメなんだ!」という気持ちを強化していることが多いのです。

 

では、三つ目の状況に見える子どもに、親はどうアプローチしたら、子ども達は再チャレンジの意欲を高められるのでしょうか。

 

それには、まず、親が現状を好ましいものではないが、現状のまま人生のゴールに向かうわけではないと信じることです。

 

保護者の皆さんも今までの人生で、様々な苦悩を乗り越え、考えを変え、行動を変えて、今現在に至ったのではないでしょうか。

 

もし、保護者の皆さんの親から今、「お前の取り組みは甘い、もっとしっかりやらなければダメだ」と言われ続ければ、できるだけ親の顔は見たくないでしょうし、親と話す機会を避けるようになるでしょう。

「私だって頑張ってるのよ!」と・・・。

 

現状をしっかり見つめ、現状から少しでも成長しようとする態度が子

どもに身につけば、進学しても、社会へ出ても、自分の課題に正面か

ら立ち向かい、子どもたちなりの幸せを掴んでくれるのではないかと私は思っています。

 

そのためにも、今の親のアプローチが非常に大切です。

 

是非、お子さんと現状を共有しましょう。親の理想を一旦棚上げし

て、一歩先へ進むためにどうしたら良いのか一緒に冷静に話し合って

みて下さい。そして、「お母さん(お父さん)は、どんな状況でもが

んばるあなたを応援している」と言い続けてください。

 

やがて、子どもの状況は、二つ目(失敗してもがんばる子)に移行

し、さらに、一つ目の子どもの状況(成功体験を活かしてさらにがんばる子)に移行するはずです。

 

秋の夜長、是非、建設的な会話が各ご家庭で行われることを祈っています。

 

☆ 子どもへの意図的アプローチを継続する仕掛け ☆  

 

PTAの講演などで、2年続けて講師の依頼して下さるケースがあり

ます。

 

2年目のアンケートの中で、「昨年も話を聞いて気をつけようと思っていたところが忘れてしまっていたので、再び聞けてよかった」とコメントをいただくことがあります。そんなコメントに出会うたびに、嬉しいような、寂しいような思いになります。歓迎して下さることはありがたいのですが、その方のためには、継続するまでの支援ができなかったと感じるからです。

 

今回は、私が来年も講演の依頼を頂けたら、こんなことを話してみようと思うことを先行でお伝えしようと思います。

 

子どももそうですが、継続することは、私達大人でも永遠の課題のようです。そこで、ちょっと保護者の皆さんが、お子さんへのアプローチで「これをしよう!」と決めたことを楽しく継続する方法を、「子どもを一日5回は褒める」ことを決意したという想定で、考えてみます。

 

1:記録に残す

日記のように、お子さんを褒めたことについて、記録に残します。子どものどんな行動を、どのように褒めたのか、その時のお子さんの様子を記入します。さらに、親として、その一連の事柄から何を感じたかを記録します。日記を書くこと、記録に残すことが好きな方向けです。保護者が自分の決意をいつも意識できるので、継続を促します。

 

2:スタンプカードを作る

日記は、ちょっとと言う方には、スタンプカードがお薦めです。達成できたら、スタンプを押していきます。何の見返りがなくてもスタンプがたまるだけでもやる気が高まります。

 

3:自分にご褒美

一日5回褒めることができたら、自分にご褒美です。普段我慢している甘いお菓子を一人でこっそり食べる。ちょっと高価なアイスを食べる。なんていうように、自分の為だけにご褒美です。

 

2のスタンプを貯めてご褒美も良いかもしれません。ただし、食べ物はダイエット中の方には注意です。達成感とご褒美が相まって明日のチャレンジのエネルギーになるでしょう。

 

4:ペナルティを課す

一日5回達成できなければ、例えば1回〇円として、未達成の回数分貯金をします。貯まったお金は、子どもや家族が喜ぶことに使いましょう。また、達成できなければ、あまりやりたくないけれど、やれば自分や家族が喜ぶ行動を一つ選んで、実行しましょう。「運動していないなぁ」という方であれば、朝の短時間のジョギングなんかよいかもしれません。

 

以上が私の頭に浮かんだ例です。

 

ポイントは、「一日5回褒める」という行動が生活の中に影響するもので、始めるにあたってワクワクするような仕掛けをつくることです。

 

「これいいなぁ。子どもにやらせよう!」と思ったあなた!

 

まずは、ご自分で実践してみて下さい。

 

『ワクワクする仕掛けで子どもへの意図的アプローチを継続する!』

 

今回は、子どものやる気を引き出すための具体的な方法について、掲載させて頂きました。

 

本人の意識が変わると、成績も勉強への態度も、人が違うように変わったケースもたくさんございます。

 

それを信じ、お子さまの成長を見守っていければと思っております。