2023年10月03日

子供のやる気を引き出す 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆ 子どもの性格は変えられる ☆ 

 

子どもの指導に関わっていると、困っていても、口をきかず、黙っているような子どもと、度々出会います。

そういう時、彼ら、彼女らが、自分は内気な子、人見知りな子なんだというように、変えることのできない性格として捉えないように注意しています。

 

自律した態度の一つは、自分の気持ちや意見を、はっきり言葉にして相手に伝えることだと感じるからです。

 

私 :「(生徒の浮かない表情や態度を見て・・・)質問かな?」

 

生徒:「・・・(うなづく)」

 

私 :「どんな質問かな?」

 

生徒:「(小さな声で・・・)ここがわかりません」

 

私 :「そうか。ここがわからないんだね。この問題は、何を求めればいいのかな・・・?」

生徒:「面積・・・」

 

私 :「そうだね。面積を求めるんだ。面積の公式はどうだったっけ?」

 

生徒:「・・・」

 

私 :「忘れちゃったかな・・・?」

 

生徒:「・・・(うなづく)」

 

私 :「公式はね、~だよ。わかったかな?」

 

生徒:「(小さな声で)はい」

 

私 :「よかった。君が声に出して『ハイ』って言ってくれたから、君がわかったことが良くわかったよ。うれしいな」

 

このように、言葉を発してもらえるように、生徒のペースに合わせながら質問したり、話をしたりして、言葉を発しやすい環境を創ります。

 

そして、生徒が言葉を発すれば、その都度、「話してくれたから、よくわかったよ。ありがとう」と声をかけます。やがて、言葉数が増え、言葉を使ったコミュニケーションがとれるようになります。初対面の時と比べると、人が変わったと感じるようになります。
「内気な子」と感じたことが、嘘のようです。

 

変えることできない性格だと捉えてアプローチしていると、結果的に、その性格を強化してしまうことになり、益々、変えることのできない性格になってしまう恐れがあります。

 

保護者の皆様は、子どもの態度を性格と決めつけることなく、「今たまたま、その態度を選んでいるのだ」と考えて、アプローチしてみてください。きっと、「子どもはこんなにに変わるんだ」ということを発見することになるでしょう。

 

 

 

☆ 感情的な態度を克服しよう ☆  

 

子どもに対して、感情的になっちゃいけない、なっちゃいけないと思いながら、つい感情的になってしまうという保護者の方の話を聞きます。実は、感情的になってはいけないと意識すればするほど、感情的になってしまうものなのです。

 

これは、感情的になってはいけないことは、意識していても、感情的ではない具体的なアプローチ法をイメージできていない結果なのです。代替案がないので、結局いつも通りの行動をしてしまうのです。

 

そこで今回は、保護者が感情的にならないで子どもと対応できる方法を、お伝えしたいと思います。

 

1:ご自分がお子さんに対して、感情的な対応したと感じる場面を思い出します。そして、感情的になった目的を考えてみましょう。

「私の考えをどうしても子どもにわかってもらいたかったから・・・」、

 

「子どもがどうしても、私の言うことを聞かないから・・・」のように、

 

感情的になった時の保護者の言い分を口に出してみると、ご自分の目的に気づくはずです。

 

2:感情的な対応で、理想とする結果が得られているか考えてみましょう。結局、保護者の言う通りになれば、一応は目標達成されたことになりますが、保護者も子どもも互いに納得できる結果になったでしょうか。

 

保護者は疲れ、後味が悪かったり、子どもは、渋々、または、捨て台詞を吐いていうことをきく羽目になったとすれば、アプローチを検討する必要があります。

 

3:感情的な方法以外に、保護者であるあなたに何ができるか考えてみてください。

 

命令口調(~しなさい)をお願い口調(~してくれないかな)に変えたり、事実言葉(主観的な意見を誰もが知っている事実のように言う言葉)を意見言葉(「私」を主語にして、自分の意見に過ぎないのだけれど・・・という言い回し)
に変えたりするなど、冷静かつ対等な関係を維持できる対応も思いつくのではないでしょうか。

 

反省だけでは、必ずしも新しい行動に結びつかないものです。
是非、感情的な対応をしがちな場面を思いだして、3つのステップで振り返ってみてください。新しい具体的な方法がイメージできれば、お子さんと理想的なコミュニケーションが持てるようになるでしょう。