2022年04月26日

子供のやる気を引き出す 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆子どもの反抗的な態度から考える!

 

◇随分前の話になりますが、小6と中2の兄弟のお母さんから相談がありました。そのお母さんがいうことには、子ども達はお母さんの言うことも聞かないし、叱ってもぶつぶつ生意気なことを言って反撃するらしいのです。

 

「どうしたら、私の注意を聞いてくれるようになるのですか?」という相談でした。

 

◇そのお母さんの話を聴いて一番感じたことは、お母さんが、子どもの言動に何でも反応してしまって、そのたびにストレスになってしまうということです。悪循環になっているのです。

 

中土井 :お子さんに対して、何が一番腹が立ちますか。

 

お母さん:そうですね。言うことを聞かないことです。

 

中土井 :言うことを聞かないというのは、どういうことですか。叱っても効果がないということなのか、ルールを守らないということなのか。

 

お母さん:両方です。ルールを守らない時は、しっかりと注意をするのですが、全く聞く耳を持たずと言う感じです。そのうち、こちらも頭に来て、叱ると言い訳をして誤魔化そうとし、そんなことは許せないので、ちゃんとするまで言い続けるのですが、ぶつぶつ言いながら、やっとどうにかこうにか、言うことを聞くのです。

 

中土井 :お母さん。それは、お母さんとお子さんが、主導権争いをしているのです。お子さんの目的を理解して対応していくようにすると良いのです。反応するのではなく。

 

お母さん:どういうことですか。彼らは、ただ遊びたいだけだと思うんですが。

 

中土井 :そうなんですよ。彼らは、遊びたいだけなんですよ。でも、ルールを守らないのは、お母さんの言うことを聞きたくないからなんですよ。

だから、そういう時は、お母さんが自然と反応するのではなくて、対応しなくてはらないのです。

まず、冷静な時に、ルールの確認をし、そのルールを守る約束をして、もし、その約束を破ったら、ルール破りの対処は、こうすると決めることです。その際に、なぜルールを守らなくてはらないのか、しっかり話し合ってください。

 

◇子どもが言うことを聞かない時、その目的は、アドラー心理学的に言えば「主導権争い」をお母さんとやっているということです。

 

そういう時は、まず誰の問題なのかをお母さんが考えてみることです。

 

ルールを守らないで不愉快な思いをお母さんがするなら、お母さんの問題ですし、ルールを守らないと子どもに不利益があるなら子どもの問題です。

このことをルールを無視した時に確認することです。

 

◇そして、子どもの問題だとすれば、無視をしてもいいですし、Iメッセージを使って、お母さん自身の気持ちを伝えてもいいかもしれません。反応には、反応しか返ってこないものです。お母さんは、反抗期を迎えた子どもの行動を誰の問題かを考えながら、少し子どもから距離をとって考えてみてください。そういうアドバイスをしました。

 

『誰の問題かを考えてみよう!』

 

☆子ども本人の時系列で成長を認める!☆

 

◇私たちは、誰でも他人と比較されることを嫌います。子どもも同じで、特に、誰誰ちゃん(くん)よりダメなところを言われるのが、一番傷つきます。つまり、子育てでは、他者比較はしないほうが良いのです。

 

◇それでは、どうするか。叱咤激励をする際に、他者比較ではなく子どもにどうやって実感してもらえばよいのか。それは、子どもの時系列を振り返って、本人の過去と今と未来について語ってみることです。
叱咤激励ではこの時系列で子どもの成長を比較するのが、有効なことだと思います。

 

◇出来たこと、出来なかったことを、本人の過去と今を比べてみると子どもの自信につながっていくと思います。そして、もう少し大きくなったら、こんなことも出来るようになるんだよと教えてあげるのです。そうすると、子ども自身が自分の成長を確認できますし、将来の成長に関してもイメージがしやすくなるというものです。

 

お母さん:昔のA君は、ここまではできなかったわ。

 

A君   :え?そうかな?

 

お母さん:そうよ。2年前には、まだできなかったと思うわよ。

 

A君   :だって、この程度なら簡単だもん。

 

お母さん:A君が、成長したら簡単に出来るのよ。A君には、わからないかもしれないけど、人間って徐々に成長していって、出来ないことが何でも出来るようになっていくのよ。 A君も成長の途中だから、ドンドン出来ることが増えていくわよ。

 

A君   :そうかな。まだまだ出来ないことが多いけど。

 

お母さん:今は出来ないけど、A君は、もう少ししたら、こんなことも簡単に出来るようになるわよ。そして、多分、こんなことも考えられるようになると思うわ。 凄いと思わない?!

 

A君   :もし、出来たら凄いね。

 

お母さん:大丈夫!絶対出来るから。

 

◇こんな会話で、子どものセルフ・エスティームは、高まるものです。子ども自身の時系列での能力比較をすることで、子どもの今を承認してあげましょう!それが、やる気を引き出すことに繋がるのですから。

 

『昨日の子どもを基準にして今日の子どもの成長を評価しよう!』