2023年01月14日

子供のやる気を引き出す 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆親子のコミュニケーションが子どもの価値観を創る!☆

 

◇さて、今回は、親子のコミュニケーションが、子どもに大きく影響を与えるということについて書きたいと思います。

 

◇子どもの信念(世界とはこういうものだ・他人とはこういうものだ・人生とはこういうものだと思い込むこと)や、
価値観(好き嫌い・大切だと思っていること)は、親の信念や価値観を反映する場合が非常に多いものです。

 

◇このことを意識して子どもとコミュニケーションを取ることが重要です。
ということは、子育てとは、親の、
「自分見つめ=自分の価値観や信念の自覚化」を要求しているということです。

 

◇もうかれこれ10年以上前のことですが、ある流派の心理学セミナー合宿に参加した時の話です。

 

公開カウンセリングを見学したのですが、それは親の躾がトラウマのようになり、大人になった今も、心の傷を無意識に引きずっている方のカウンセリングでした。

 

この公開カウンセリングを見学していて、私は、親の無自覚な価値観の押し付けが、こんなにも子どもに影響を与えるものなのだぁと悲しくなったことを覚えています。

 

◇親が良かれと思ってやることでも、子どもが受け入れ難いことはやるべきでないのです。

 

愛情は、そのままストレートに伝えたほうが良いのです。

 

そんなことを考えながら、私はこの公開カウンセリングを見ていました。

 

私たち親の、子どもに対する愛情をもう一度確認して一年をスタートさせましょう。

 

私たち親の価値観や信念をもう一度自覚しなおして。

 

 

『親子のコミュニケーションが子どもの価値観を創る!』

 

 

☆対自競争で承認する!☆

 

◇子育てにおいて、他者比較は禁物ですが、時系列を振り返って本人の過去と今と未来について語ってみるのは、子どものセルフ・エスティームを高めるためには、有効なことだと思います。

 

◇子どもの出来たこと、以前は出来なかったことを比べながら、もう少し大きくなったら、こんなことも出来るようになるんだよと教えてあげてほしいのです。
子どもにとっては、自分の成長を確認できるし、将来の成長に関してもイメージがしやすくなると思うのです。

 

お母さん:昔のA君は、これがまだできていなかったわ。

 

A君  :え?そうかな?

 

お母さん:そうよ。2年前には、まだできなかったと思うわよ。

 

A君  :だって、この程度なら簡単だもん。

 

お母さん:A君が、成長したから簡単に出来るのよ。A君には、わからないかもしれないけど、人間って徐々に成長していって、今は出来ないことでも、簡単に出来るようになっていくの。A君も成長の途中だから、ドンドン出来ることが増えていくわよ。

 

A君  :そうかな。まだまだ出来ないことが多いけど。

 

お母さん:今は出来ないけど、A君は、もう少ししたら、色々なことが簡単に出来るようになるわよ。そして、色々なことが考えられるようになると思うわ。
凄いと思わない?!

 

A君  :もし、出来たら凄いね。

 

お母さん:大丈夫!絶対出来るから。

 

◇こんな会話で、子どもの自尊感情を刺激してあげてください。

 

セルフ・エスティームは、こんな他愛もない会話で高まるものです。

 

子ども本人の時系列での能力比較をすることで、子どもの今を承認してあげてください。そして、未来も。それが、子どものやる気を引き出すことに繋がるのですから。

 

『時系列での能力比較をすることで、子どもの今を承認してあげよう!』

 

 

☆小さな目標で達成感を持たせる!☆

 

◇人間のやる気は、恒常的に続くものではありません。やる気は紙風船と同じで、空高く打ち上げても、必ず地面に落ちてくるものです。だから、何回も何回も空高く紙風船を打ち上げなければならないのです。

 

◇一度やる気を引き出して安心していてはダメで、何回も何回もやる気を引き出すアプローチを心がけなければダメです。

 

◇やる気を引き出すためには、やる気になる時を作ることです。そして、やる気を定期的に刺激して、やる気を保つことが重要なのです。

 

◇子どもがたまたまやる気になった時を見逃さずに、そのやる気を維持していこうとすることが、親としては重要なことです。それでは、子どもがやる気になる時を考えてみましょう。

 

1.子ども自身に本当にやりたいことが見つかった時

 

2.子どもが目標達成を意義あるものだと思った時

 

3.目標に向かって、やることが明確になった時

 

4.目標の達成が可能である時

 

5.子どもに目標達成のスキルがある時

 

6.子どもが目標達成の方法を選択出来る時

 

7.目標達成をした時のイメージが明確になった時

 

8.目標達成したら、他人の賞賛が大きい時

 

9.目標達成したら、親が喜んでくれる時

 

10.仮の目標を決定した時

 

◇子どものやる気を引き出そうと思ったら、子どもの好きなことに注目するか、あるいは子どもに目標をまずは持たせることです。

 

◇しかし、子どもの好きなことは、親にとってはあまり好ましくないことも多いものですから、そう考えると後者の、子どもに目標を持ってもらうことが一番いいことかもしれません。そのためには、小さな目標を設定して、達成することが、物凄く気持ちのよいものだと思ってもらうことが一番早いかもしれません。

 

◇達成感を常に感じている子どもは、目標を持ちやすいものですし、
目標に向けて努力しやすいものです。ですから、達成感を感じやすい教育環境を用意したいものです。

 

◇そのためには、勉強だけの目標ではなく、毎日の習慣的なことでも(活動目標)、趣味的なものでもいいので、小さな目標を子どもに決定させて、達成感を常に感じられるようにしておくことです。そうすれば、子どもは、目標に向けて動き出すかもしれません。

 

『達成感を感じた子どもは大きな目標を持つ!』

 

 

☆様々な意味を子どもと考える!☆

 

◇以前名古屋で子育て講演をして時です。この講演の中で、お母さんやお父さんに、子どもに様々な意味を与えてくださいということお願いしました。

 

◇例えば、子どもとこれにはどんな意味があるだろうね?
と質問して、子どもと一緒に色々な意味を考えてみるのです。

 

 

お母さん:勉強をする意味って何だと思う?

 

A君 :えっ?!そんなの知らないよ!

 

お母さん:A君、毎日、勉強しているじゃない。何で勉強しているのよ。

 

A君 :高校に行くためじゃないの?!

 

お母さん:じゃあ、高校へ行ったら、勉強しなくなっちゃうの?

 

A君 :そうか。高校に行っても勉強するか。えっ?!そうか。高校行っても勉強するのか。やんなっちゃうな。

 

お母さん:それはさておいて、何で勉強するのよ。何か意味があるんじゃないのかな?

 

A君 :お母さんは、どう思うのさ?

 

お母さん:あれ!お母さんに来たか。何だろう?勉強って、A君楽しいかな。お母さんは、そんなに楽しくなかったのよね。だから、勉強は、大人になる前の、大人になるための練習じゃないかと思うんだ。大人は、やるべきことをやらないといけないのよね。お母さんが、みんなの食事を作りたくない!っていったら、大問題でしょ。母さんは、やるべきことをやらないと大変なことになるじゃない。子どもの時は、やるべきことよりもやりたいことをやっていたけど、それだけじゃ、大人になって困るのよね。だから、大人になるための練習として学校の勉強があるように思うんだけど。A君は、どう思う?

 

A君 :そうなのか。だから、勉強は楽しくないのかな。

 

お母さん:楽しい時もあるんじゃないの?だから、そういう面もあるということよ。その他に、A君は、どんな意味があると思う?

 

◇こんな感じで、色々なことの意味を一緒に考えることの機会を一杯持ってください。

 

『様々な意味を子どもと考える!』