教務便り
ご無沙汰しております。
安田です。
6月に入り暑くなるのかと思うと、朝は冷え込むことが多く、寝るときにはいまだに長袖と毛布が手放せません。
そんな6月ですが、15日より面談が始まり、多くの保護者の方々とお話をさせて頂く機会を持たせていただいております。
色々な保護者の方のお話しを聞かせて頂き、不安なことを少しでも解消できればと考えております。
さて、今回はアドバンスが推奨している指導法「教え込まない指導」についてお話しさせて頂きます。
「勉強=教えられるもの」そんな風に思われている方が多いのではないでしょうか。
実際、集団塾では、学校と同じように、教卓に講師が立ち、新しい単元を解説していくという形式を持ちます。また、自立型学習を銘打っている塾では、ほぼ全てのことを生徒たちだけで完結する仕組みを作っています。
しかし、アドバンスの指導方法は、このどちらでもございません。
もちろん、アドバンスでも、クラス授業はございますので、そこでは教卓に講師が立って解説をするという授業を行っています。
しかし、1対4の対話演習型個別指導では「教え込まない指導」を実践しています。
「教え込まない指導=まったく教えない」ということでも「教え込まない指導」VS「教え込む指導」という対立関係を生むものでもありません。
この指導方法を理解いただくにあたって、消し去って頂きたいこと。それは「勉強は教えられるものだ」「教えられないとできないものだ」という考え方です。
もっとも、超難問や奇問などは、自分で解けない限り教えられないと大変だと思います。そうではなく、基本的な問題であれば、ある一定レベルの学力を持たれていればどんどん進めていくことが可能なのです。
そして、事前の丁寧な解説は「わかっていること」を「教え込まれる」ことになり、むしろ退屈することにもつながりかねないのです。
また、これは長年学校の教師として勤めてこられた講師の方もおっしゃっていたのですが「教師=教え込むもの」そして「生徒=その教え込まれたものを反復演習」するものという考えでやってきていたが、小学生が例題を自分で解き進め、類題も自分の力で解いていくことができている姿に、感銘を覚えたと。
実際、私は小・中・高とそれぞれの学年の生徒を担当させて頂いておりますが、低学年の生徒でも、ラーニングの例題を自分で解き進め、演習時には満点が取れることも多くあります。
そして、学習指導の最終的な目的は「自宅に戻った時、1人で勉強するときに自分で解き進めていくことができること」だと考えています。
自転車の練習を例にしますと、
①初めて自転車に乗る時に、補助輪をつける、または後ろで支えながらの練習。
②次に、補助輪の接地面を上げて、傾いたときに倒れないようにする。
③最後に補助輪を外してあげる。
この中の2番目の補助していないようで補助をしている補助輪の役目、これが対話演習型個別指導SHBの講師の役割だと考えています。
つまりは、自分で解き進めていく中で、つまずいたとき、またはつまずきそうなポイントで指導するということです。順調にペダルをこげている間は、しっかりと目を離さないまま、自分で頑張ってもらうということになり、そこでは「教え込む指導」というのは、むしろ邪魔になることもあります。
そうして「自分自身でできた」という成功体験を経験することで、自信も生まれていくと考えています。
そして、完全自立型学習との大きな違いは、生徒が、自分自身で解き進めていくことができる間は、見守りながら、進度の調整や難易度を上げてみたりという別のアプローチを考えて、生徒を指導していきます。つまりは、すべてを生徒任せにするわけではないという点です。
そして、つまずきそうなポイントに差し掛かったとき、補助輪のように手を差しのべて、指導を行っていく。あくまでも補助輪ですので、すべてを1から教え込むことはしません。ポイントの指導でわかることが多くありますので、教え込むことは周り道になってしまうこともあるのです。
生徒1人1人から目を離さず、適切なポイントで指導を行いつつ、自分自身で解く力を身につけさせていく。
これがアドバンスの行っている「教え込まない指導」です。おわかり頂けたでしょうか。
これで成績が伸びるのかとお思いかもしれませんが、過去15年間、しっかりと取り組んでくれた生徒は目標校にも合格できており、偏差値10や15を伸ばした生徒は数えきれないくらいいます。
もともと集団授業をしていたアドバンスですが、教え込む指導での限界もまた感じていました。それは、演習量を多く取りにくいという点、また個々の学力レベルに応じた対応が難しい点です。
こういったジレンマを脱するために生み出された、対話演習型個別指導SHB。そして、それに強力な武器「映像教材」を用いた映像個別VHBでは「教え込まない」という指導スキルを存分に活かすことができる指導体制となっています。
これからも生徒1人1人の状況を見極めて、適切な指導を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。