教務便り
ご無沙汰しております。先週には豪雨はあったものの、いつの間にか梅雨明けとなり、猛暑の様相を呈しております。熱中症や夏バテにならないよう十分注意していきたいと思います。
7月1日~13日の期間は三者面談期間として、保護者の方や生徒の皆さんと色々なお話ができる場として、楽しみにしております。普段の授業中の様子、ご自宅での様子、保護者の方のご意見、生徒からの感想など、様々なお声や情報を頂ける機会として、非常に貴重な時間を頂戴しております。
お忙しい中、お時間を取って頂きまして、本当にありがとうございます。感謝しております。
さて、今回は受験勉強について書かせて頂きたいと思います。
受験勉強って一概に言っても何をすればいいのか。そう思う人もいるかもしれません。
端的に言うと、必要な科目全てを漏れなく理解していくための勉強を行うということです。
しかし、受験は、定期テストと違い、範囲は全範囲と広いものです。そんなものを全て網羅するなんて、絶対に無理だと思うかもしれませんが、まず第一は全て網羅することを主眼に考えてもらいたいと思います。
そこには「学校で習った・習っていない」は関係ありません。それは学校で習う内容が、学校ごと、先生ごとで異なるからです。
例えば、A先生は、10あるうち10全てを教えるけど、B先生は10のうちの中心となる7までしか教えないというケースがあっても、勉強しておくべきことは10全てになります。それは、試験問題がB先生の教える7までで構成されるとは限らないからです。
どんなことでも、関連することは全て頭に入れて、理解するという姿勢を持ってもらいたいと思います。
この分野は苦手だから適当にしておこういう勉強の仕方をしていては、大きな穴が生まれかねませんので、要注意です。
次に、得意科目を作り上げるということです。
それはちょっとマシというものではなく、その科目が他の科目をカバーできる程度の実力をつけるということです。
先ほど、全てを網羅できるようにとは申しましたが、限られた時間の中で、それを完璧にするのは、難しいケースもあります。
そのため、漏れが生じてしまった科目をカバーできるだけの科目を作ってほしいと思います。
私の場合は、国語がその科目でしたので、中3時は、その国語の力をさらに伸ばすために「偏差値70の国語」や「最高水準問題集」などの参考書を購入して解いていたのを覚えています。
好きな科目だからこそ、レベルの高い問題に当たるのが楽しく思え、難関高校の問題が解けたときの達成感は自信に繋がりました。
高校時代は、特別問題集を購入した覚えはありませんが、古文は学校の予習を文法的に解釈するところから完璧に行っていき、現代文は解くスピードを上げることに注力していました。その結果、高3時には偏差値80を超え、大学入試の時の得点源として役立ちました。
さらには、現在塾講師という仕事にまで繋がっておりますので、当時はそんなことを意識してはいませんでしたが、何事も頑張っておいて損になることはないなと実感しております。
また「捨て問題」という言葉を耳にしたことはありませんか。
例えば、この問題は難しすぎて誰も解けないだろうから捨てよう。
というような使われ方をしますが、 受験勉強を進めていく上で、捨てていい問題は当然ありません。
難しい問題は、自分を成長させてくれる大きな糧となります。
難しく思える問題でもどこかに解決の糸口があります。また、解決の糸口が見つからない場合でも、自分がそれを解けない原因を探す手段にはなります。
難度の高い問題を解く手がかりも見つけられない場合は、基本的な力が足りないという証拠ですので、もう一度、基礎を確認してチャレンジしなおしてもらいたいと思います。
あくまでも、捨てようというスタンスではなく、必ず解く目標として置いてもらいたいと思います。
そうやって努力を重ねた結果で、入試当日、誰にも解けそうにないような問題が出た場合に限って、それは捨て問題としてみなしても良いと思います。
その1問にこだわって、基本問題の見直しが不足して点数を落としてしまうことの方が、1点を争う入試では大きな問題となります。
しかし、「捨て問題」を自分の都合の良いように解釈して、簡単な問題、自分が解けそうな問題ばかり解いていると、実力がつかないどころか、伸ばそうとして努力してる周りの受験生に置いてけぼりを食ってしまうという結果につながりますので、初めに申し上げた通り、全て解ききろうという意識を持って、何事にも挑戦していきましょう。
最後に、受験勉強は長く辛いものと思いがちでありますが、成績が伸びていけば、その辛さは楽しいものに変わります。
そして、1回1回の勉強内容に達成感を得ながら進めていければ、毎回の勉強も辛さを感じなくなります。自分の気持ちの持ち方で、辛いことも楽しさに変えていけますので、長いようで短い受験生の夏休み「成績が上がること」だけを考えて「成績を上げる」ために、前向きに気持ちを持って、努力を続けていきましょう。