2022年01月28日

教務便り


ご無沙汰しております。安田です。

 

この仕事をしていますと、入試前日まではあれこれとアドバイスをしたり、教えたりできますが、入試当日は何もしてあげることができないので、無力感を覚えてしまいます。

 

変われるものなら変わってあげたいと思う時もありますが、こればかりは本人の頑張りによるものなので、当日に最高のパフォーマンスができるように声掛けをするくらいしかできません。

 

合格しました!という声を楽しみにしたいと思います。

 

さて、今回は国語の勉強について書かせて頂きたいと思います。

 

普段の授業では、中学受験の算数を教えたり、中学理科や社会、高校の世界史、日本史などを教えたりしていますので、自分でもうっかり忘れそうになりますが、実は国語科なのです。

 

読解力をつけるにはとにかく本を読めと言われがちです。

 

確かに私自身、本はとても好きで、幼稚園の頃から休み時間に外で遊ぶよりも教室で本を読んでいた記憶があります。

 

では、本を読めば、例えば学校の定期テストの点数が上がるかといえば、そうではありません。

なぜなら、学校の国語のテストは、純粋な読解力を試すものではないからです。

もっと言えば、大学入試、高校入試でもそうです。文法問題や、漢字などの語彙、文学史なども出題されます。 もちろん、読解力を問われる問題も出されますが、読解力がないから、国語の点数が伸びないというわけではないのです。

 

国語の点数が伸び悩む要因は、読解力よりもそれ以外の部分にあることが多いと考えています。

 

特に学校の定期テストの場合、読解力を求められる初見の文章よりも、授業で習った文章を題材とされます。つまりは、授業の復習が如何にできているかという点が重要なのです。

 

私がしていた国語の定期テストの勉強は「ノートの理解」でした。授業では、段落ごとに解説を行ってくれているはずですので、その展開、重要なポイントなどを整理して頭に入れていました。

それから、学校ワークで演習をして、頭に入っているかどうかの確認をします。

さらに、出典、作者名、自分の知らない漢字と新出漢字、文法事項など、出題範囲は隅々までひたすら覚えこみます。

この勉強法で、90点を下回ることはありませんでした。

 

最近の定期テストの傾向を見ていますと、国語に限らず、初見の問題を出されるケースが少なくありません。入試問題から引っ張ってくるケースもあります。

 

そうなった場合は、純粋な読解力が試されることになります。

では、読解力はどうやってつければいいのかということですが、その前に、読解力とは何かについてお話したいと思います。

 

読解力=国語力ではありません。国語力とは、先にあげた語彙などの周辺知識も伴うものになります。

読解力は、文章に何が書かれているのか、また、問題文に問われている中身を把握する力だと考えています。

テクニックとしては色々ありますが、まずは、文章をしっかりと読み進めること、そして問題文をきちんと把握することが大切であります。

 

国語が苦手な生徒ほど、この2点ができていません。

 

例えば空欄にあてはまる言葉を探しなさい。という問題が出ると、問題文からどういった言葉を見つければいいのかを考えるよりも先に、本文からその言葉を探そうとします。

もっと言えば、本文を全く読まずに、宝探しでもするかのように、空欄にあてはまる文字数の文字だけを探そうとすることもあります。

そうなると、これは読解力以前の話になってしまうのです。

 

読解力を身につけるには、まずは本文を丁寧に読み、頭の中で起承転結だったり、論説文なら筆者の意見を把握したり、小説なら登場人物の心情などを理解したりすることが必要です。

文章を読む際に、文章に書かれている情景を想像せずに、言葉を読み飛ばしている状態では、国語の点数はいくら経っても伸びることはないと言えます。

 

読書をすることが読解力を上げることにつながるのは、この点に置いてだと考えています。

つまり、面白い本を読むことでそれらに考えを巡らせ、想像して、話に没頭する。

この経験が、問題文としての文章読解に役に立つといわれるのだと考えています。

なので、国語の点数を上げたいと考えて、読書をする際には、上記の点に意識して取り組んでもらえるといいかと思います。

 

今回は、国語一色になりましたが、想像する力は、他の教科にも大きく繋がる力ですので、是非、楽しんで身につけてもらえればと思います。