2016年01月18日

特集 大学入試制度の抜本的改革について


ご存じの方も多いことだと思いますが、高大接続として教育再生実行委員会の提言、中央教育審議会などの答申を受け、抜本的な大学入試制度の改革が予定されています。昨年9月には中間報告がなされており、概要が判明しつつあります。情報が混乱している部分もあり、少しアドバンスなりに整理してまとめてみたいと思います。

高等学校基礎学力テスト(仮称)の4年先送りにより、H32~H35年度にかけては現行学習指導要領の下でテストが実施されます。ただ、H36年度以降の課題を解決すべく対応するとのことなので、すべてが同一とは限らない状況です。

次年度以降の中2生~小5生がこの移行期間に該当してくる形になり、大きな混乱も予想されます。

ただ、その移行期間外の生徒たちも「自分たちは旧制度のままで良かった」と安閑としているわけにはいきません。自分の1年後輩の世代が新制度のもとで育っていくということは、大学入試しかり、就職しかり、就職してからの出世競争しかり、すべてに影響してくるのは、以前の共通一次試験が導入された40年前、それが26年前にセンター試験に変更した際、脱ゆとりの新学習指導要領になった世代を考えても一目瞭然です。基本的に現在、考えられているのが「高大接続」・「アクティブラーニング」が主たることとなります。

高大接続の前に、大学入試制度の改革案として、4つのパターンに分かれると予想している業界の方もいらっしゃいます。

①「評価テスト」の成績と中身の濃い「個別選抜」で選抜

②「評価テスト」の成績と簡単な「個別選抜」で選抜

③「基礎学力テスト」の成績と簡単な「個別選抜」で選抜

④(専門学校も含む)「基礎学力テスト」の成績と簡単な「個別選抜」で選抜

と大学、専門学校などを含め、4つのパターンを予想されています。

まず、「評価テスト」、「基礎学力テスト」とも現段階では仮称であり、それぞれどんなものかと申し上げますと、

評価テスト・・・記述式、自ら考え、意見をまとめる問題などを中心としたテスト形式(見本のたたき台を今回添付しております)

基礎学力テスト・・・高校在学中に受験するテスト(回数や時期などは確定していない)

巷では「大学入試は学力を問われず、小論文やプレゼン、集団討議、資格取得、社会活動、各種大会での活動・顕彰」などが中心になるといった誤った認識が持たれていることがありますが、上記のテストなどをみても、『学力不問では決してなく、学力+αのαが増えた』と理解するのが妥当なのではないでしょうか。ある面、知識量、記憶に頼っていた従来よりも更に、こども達には大変な時代がやってくるとの予感です。情報が判明次第、特集で随時お知らせしていきたいと思います。