子供のやる気を引き出す 親のアプローチ
恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。
出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」
☆反抗期を歓迎する!☆
◇自我形成において重要なことは、親の価値観をどういう風に掴み直すかということです。
◇人間は、生まれてすぐに親にめぐり会い、1歳を過ぎたところから、自分の自我のモデルに無意識のうちに親を立てます。好むと好まざるとに関わらず、親が自分の中に自然に入っている状態です。そして、その自分の中にある親をモデルにして、子どもは社会的な自我を形成しながら、社会生活を徐々に始めることになります。
◇子どもの活動領域が徐々に拡大していくと、色々な個性を持った友人たちとつき合うことになって、親との葛藤とは違う様々な葛藤を経験することになります。そして、そういう経験を積んで、社会的な自我が鍛えられていくのです。
◇子どもが10歳から15歳前後になった時、とうとう第二の誕生の時期に入っていきます。自分自身の存在、親と自分の関係に疑問を持つようになるのです。
◇この存在への疑問が、自律(親の価値観からの独立)のスタートです。これこそ、本当の自分になっていく、第二の誕生のスタートなのです。
自分とは一体なんだろう?自分は自分で、親は親だ。
自分は何のために生まれてきたのだろう?
こんな疑問が、徐々に自分の中で生まれては消え、消えては生まれるようになります。
この時期から、子どもは、俗に言う「反抗期」に入っていきます。
◇今までは、親の価値観に根本的に反抗することはありませんでしたが、この時期から、根本的に親の価値観に異議を申し立てていくようになります。親の言うことに素直に従わなくなるのです。子どもが、大人になるということは、親の価値観から一旦距離を置いて、自分なりの価値観を打ちたてようとすることから始まります。親の全くの複製を拒否して、オリジナルな自分になろうとすることが、自律です。ですから、親への反抗が出てくるのです。
◇こういう時期に入ったら、親は、以前の子どもの(素直だった時の)子ども像を求めるのではなく、まずは「反抗期」的な兆候を良しとしてみるように努力することです。大人になっていく一つの「通過点」だと考えて、「反抗期」を歓迎する努力をすることです。
くれぐれも、「何でこんな子どもになってしまったのだろう?」と嘆かないでください。大人になるステップを自分の子どもが歩みだしたのだと思うことです。
◇子どもが親の価値観から離れようとしている時が、実は非常に不安になる時なのです。そういう時に、子どもの「反抗期」的兆候を直そうと必死になってはいけません。それよりは、「反抗期」的兆候の中からでも、子どもの良い点に注目して、そのことを認めてあげようとして欲しいのです。
◇子どもは、以前のような幼い、素直な子どもには戻れないのです。今度親の前に現れる時は、素直な大人として戻ってくるか、たくましい大人として戻ってくるかしかないのです。
◇ですから、そのために、「反抗期」的兆候を糾弾するよりも、良い点に注目して、子どものセルフ・エスティームを高めて、子どもの不安を少しでも取り除くようにしてあげてください。そうすることが、子どもの自律を促すことになります。そうすることが、「反抗期」を短くすることになると思います。
子どもが大人になるために苦労する時期を「反抗期」と言うのだと思ってください。
『反抗期を歓迎する!』