「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」
恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはありません。
出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」
☆親が気になる子どもの癖のなおし方☆
こんなに言っているのに・・・(子どもはやらない)。と、悩んでいるお母さん、お父さんは多いのではないでしょうか。
勉強から部屋の片づけ、不適切な癖(爪を噛む、鼻をほじる)等々。
親が困る子どもの癖に対して、その癖をやめさせたい親は、「やめなさい!」と、その度に言うに、なぜ癖はなくならないのでしょうか。
それは、やめさせたい行動に常に関心を示しているからです。
人は、多かれ少なかれ他者からの関心を得たいと願っています。
子どもの場合は、特にその傾向は顕著なのです。
子どもが身近な保護者からの関心を全く得られないことは、存在を認められていないと感じる死活問題なのです。
通常、子どもは、適切な行動をして、褒められたり、喜ばれたりすることで、自分の存在を確認できるのです。
しかし、もし、誰かのために、きっと役に立つだろうと考えた結果の行動に対して、誰からも褒められたり、喜ばれたりしなかった場合、何を学ぶでしょう。
「そうか。この行動では他者からの関心を得られないのだ」ということを学ぶのです。
そして、仮に適切な行動であっても、この行動を手放し、新しい戦略を立てるのです。
次に、たまたま子どもが取った行動に、親が関心を示し、「やめなさい!」と言えば、子どもは、ここで新たな学びをするわけです。
「この行動なら親の関心を得ることができる!」と。
このような経過をたどってきた子どもであれば、叱られること、注意されることは、願ってもいなかったチャンスなのです。
これが、癖が始まり、継続する構造です。
ですから、親が「何度言ってもなおらない・・・」と感じたなら、一旦その行動に対する関心をやめることをお勧めします。
その上で、当たり前だと見逃してきた子どもの適切な行動に、褒めたり、喜んだりと言った肯定的なアプローチを始めてください。
「気がついたら、あの癖なくなっていた」ということは、よくある話です。
親の「しっかりさせなきゃ」という想いが強く出ると、いつも以上に細かいことが気になり遠慮なしに口に出してしまいがちです。
言われる子どもにとっては辛いものです。
また、不適切な癖を強化してしまうかもしれません。
「すごいわね」、「ありがとう」、「助かったわ」という言葉を心掛けて下さい。
☆ 失敗から学ばせる ☆
失敗することで、その課題を諦めてしまったり、失敗を通して自信をなくしてしまう子どもも少なくありません。
ところで、実は、「失敗したから自信をなくす」というのは早合点なのです。
失敗をどのように捉えたかによって、自信をなくし、やる気を損なうか、再度チャレンジする意欲が湧くかの違いが生まれるのです。
点数の低いテスト結果を子どもから見せられて・・・
親:「なんで、こんなに点数が低いの!?こんな点数じゃ、いい学校にも入れないし、いい就職なんかできないわよ。人生真っ暗闇よ」
子:「・・・」
親から、何度もこのようなアプローチをされれば、「自分は、価値のない人間だ。どうせこれからも良いことなんかないんだろうな」とすっかり、自分に自信がなくなってしまうかもしれません。「どうせ、僕なんか・・・」と。
冷静に考えれば、テストの結果が悪かったからといって、一生ダメ人間でいるなんていう根拠は何もありません。
子どもに頑張ってもらいたいという思いで危機感を煽って子どもをその気にさせようとしているのですが、なかなか親の思う通りにならないばかりか、自信喪失を強化させてしまっているかもしれません。
そこで・・・
子:「数学のテストが悪かった。あんなに頑張ったのに、もう数学なんか勉強したくない!」
親:「テストで、思ったように点数がとれなかったので、がっかりしているのね」
子:「そうよ。今までで一番頑張ったのに・・・。やっぱり私、数学は苦手だから無理なのよね・・・」
親:「お母さんも、中学生の頃、そんな風に思ったことあったな。頑張ったのに、結果が悪くて、『もうヤダ!』と思ったことが・・・」
子:「お母さんもあったんだ。やっぱり親子だからかな・・・。それで、お母さんはどうしたの?」
親:「しばらく落ち込んだけど、やらなければもっと悪くなっちゃうと思って、また頑張ったわね」
子:「それで、どうなったの?」
親:「不思議なことに、同じように勉強したつもりだったのだけど、次回は凄く点数が上がったのよ」
子:「なんか特別なことをしたの?」
親:「よく覚えてないけれど、自分では、変えたつもりはなかったのだけど、上がったわね。前回の失敗が悔しかったから、『今度こそは・・・!』と思っていたから、前回やり残したことも、全部やったような気がする」
子:「やり残しを減らしたんだ」
親:「そうね。悔しさで結果的にそうなったのね。あなたは、やり残しはどうだったの?」
子:「一生懸命、勉強したつもりだったけど、今回、できなかったところはやり残したところばかりだった。今度は、もっと頑張って、やり残しをなくそうかな」
親:「そうしてみたら・・・。今回と何か変わると結果もきっと変わるわよ。今回の結果は残念だったけれど、あなたが頑張ったのは、ちゃんとわかっているわ。次回は満足できる結果になるといいわね」
子:「うん。頑張る。お母さんの子だからね」
子どもの失敗を親が人生の終わりのように危機感を煽るのではなく、デーンと構えて見守ることで、リスクなく子どもが失敗から学ぶ機会になりそうです。何せ、私たちの子ですから・・・。
☆親自身の怒りをコントロールする ☆
母:「太郎!早く宿題やっちゃいなさい!」
子:「わかってるよ」
しばらくして、
母:「宿題終わったの?」
子:「まだ」
母:「『早く宿題やりなさい』って言ってるでしょ!」
子:「わかったよ。今やるよ」
しばらくして、ゲームをしていて宿題を終えていない子どもを見て
母:「何でお母さんの言うことが聞けないの!!?『ゲームばかりしていないで宿題しなさい!』って言ってるでしょ!!」
とうとうお母さんの怒り爆発です。
親であれば、何度もこんな怒りの感情を、鬼のような顔と大きな声を張り上げて爆発させたことがあるでしょう。
「全く、子どものせいでイライラさせられるわ」とお母さんは言うかもしれません。
お母さんの怒りの感情は、子どものせいだと考えるより、お母さんが感情的なアプローチを選択したと考えることができます。
感情的になるのは、相手のせいでもなければ、自然に湧き上がって来るものでもなく、目的があると考えると、無暗に感情的にならなくても済むようになります。
上の会話の例では、何とか子どもに宿題をやらせようとする目的で感情を使ったと考えるのです。
怒りの感情は非常に強いので、即効性もありますが、
1.冷静に話している時は、言うことを聞かなくなる可能性があります。
それは、親が感情的でなければ、本気だと子どもが感じなくなるからです。
2.感情を使う親を避けるようになるかもしれません。誰でも、嫌な思いはしたくないですものね。
3.子どもも、感情を使って他人を操作するようになるかもしれません。親の行動を学習するのでしょう。
4.子どもの自己肯定感が低下する可能性があります。こんなに親を怒らせているのは、自分が悪い人間だからだと感じるのかもしれません。
以上のようなリスクが考えられます。
このリスクを避けるためには、私たち親が怒りの感情を使ってアプローチする前に、
1.自分の怒りの感情の目的を考えます。怒ることで自分は何を達成しようとしているのか?という質問を自分自身に投げかけるのです。
2.感情を使うことで、本当にその目的が達成できるかを考えます。
3.感情を使う以外に、他に言い方やアプローチの方法がないか考えます。
という3つのステップで考えてみて下さい。
自分の感情を俯瞰すると、感情的にならずに済むだけでなく、怒りの感情も鎮静化します。
親として、子どもに怒りの感情の扱い方の手本を示したいものです。
☆ 子どもの小さな変化を発見する ☆
私達、保護者は、子どもに成長してほしい、成果を挙げて欲しいと願い、努力を求めます。
しかし、努力がそのまま成果に現れれば良いのですが、大抵の場合、明確な成果はすぐには現れないのです。
努力と成果の関係を示す「レミニセンス」という理論があります。
簡単に言うと、すぐに結果はでないという考え方で、これをグラフで示すと、横軸に時間をとり、縦軸に努力や成果をとります。
日々、コツコツと努力を続けていると、右上がりの直線(比例のグラフ)になるとすると、成果のグラフも、努力のグラフに順ずる右上がりの直線になるはずです。しかし、多くの場合、最初は、上がり方の鈍い(成長が目立たない)曲線になります。
しかし、やがて急激に上昇するようになり、やがて努力の直線と交わり、さらには努力の曲線を超える成果が現れるようになる時期がやってきます。努力を続けていれば、必ずこのような曲線の過程をたどるはずです。
ところが、努力の初期は成果があまり目立たないので、自分の努力を疑うことが良くあります。
「なぜ、こんなに努力しているのに、成果が出ないのだ!?」と…。
また、まわりの支援する人も
「なぜ結果が出ないのか?努力が足りないのか?」と不安や疑問を持つようになります。
数値に現れるような成果を引き出すためには、この不安な時期を、本人はもちろん、まわりの支援する人も、何としても乗り越えることが必要なのです。
この時期を支えるのが、子どもの傍にいる、親であり先生なのです。
それならば、と、「この時期を乗り越えなければダメだよ」と伝えても、実はあまり効果は期待できません。
大人にとってよくわかった過去であっても、子どもにとってはイメージしにくい、まだ見ぬ未来だからです。
子どもは、子どもなりに努力をして、小さな変化は起こしているものです。その小さな変化を発見し、「あなたは努力しているよ。そして、既に成果が出ているよ!」というメッセージを伝え続けるのです。
子どもも、成果を感じることができれば「もう少し頑張ってみよう!」という気持ちが湧いて来るのです。
まずは、「子どもの小さな変化」を発見することです。








