2023年11月28日

アドバンスの授業ってどんなの?


ご縁がありまして弊社にご入塾頂いたお子さんの授業の進め方について考え方をお伝えできればと思っています。

 

塾に入られるわけですから、第一義的には「成績向上」「学習意欲向上」を目指されているものと思います。

もちろん、塾の授業を受講頂いて、どんどん成績が向上していくお子さまであれば、目を離さず、心を離さず、しっかりと学習計画を進められているかに注力していけばいいのですが、もちろん全員が全員そうではありません。

 

ご入塾される前の段階の

① 基本的学習習慣(きちんと机に座って学習する習慣)がついているかどうか

② 前学年(前々学年)までの内容が身についているか。

  中学生で言えば小学校の内容が習得できているかどうか、高校生で言えば中学生の内容が習得できているかどうか。

③ わかったつもり、やっているつもりになっていないかどうか

④ 国語的感覚(読解、漢字、言葉遣い)などが小さい頃から養成されてきているかどうか

⑤ 英語であれば、小学英語をしっかりと学んできているかどうか。

⑥ 「1から10まで教えてもらうこと」を『勉強』だと勘違いしていないかどうか

 

もちろんこれ以外にもございますし、もっと言いますと、神経発達症(学習症LD)などの状況がどうかなどといった別次元の問題はございますが、大きく捉えますと、上記のような所がどうかによって、その後の「成績の伸び」「伸びるまでの期間」が異なってきます。

 

一般的に、地頭が良いので知識の吸収(インプット)だけで「理解したつもり」になってしまっている生徒は、アウトプット(問題演習)が疎かになっていて、演習量が断然不足しているというケースが多くあります。

この場合、弊社のOneトレという100万問データベースシステムで、習熟度に合わせた問題演習を徹底してアウトプットすると、大きく成績が向上するケースが多いです。

 

ですので、まずはこの「アウトプット」量を増やすということを試みます。

 

次に、アウトプット量を増やしても成績が伸び悩むというケースもありますが、この場合はインプット(知識の吸収)の部分に課題があるケースが多く見られます。インプットの問題と言いますと、学校の授業を疎かにしている(聞いていない)、ノートもしっかり取らずぼぉーっと過ごしているなんていうケースが当てはまります。

 

その場合はインプット(知識の吸収)にウェイトをおいた授業を展開します。

 

この場合、インプットに比重をかけたICT教材を活用します。クラス授業であれば、平均的な生徒の習熟度に合わせざるを得ない場合が多いですので、理解が不足している場合は、そもそも授業が理解できないケースもあります。

こういったケースは「基本的問題(例題)」から基本問題、標準問題まですべて解説がついているものを使用して、例題、基本を徹底して理解してもらいます。ICT教材の良い所は、1回聞いただけではわからないことでも何度も繰り返し自分のペースで学習できることです。YouTubeでも停めて確認したり、戻して何度か内容を理解するってことがあるのと同様です。これで、基本的理解ができてくると、演習問題(アウトプット)にも少し比重をかけていきながら、両立を果たしていくという方策を試していきます。

 

もちろん、一生懸命聞いているのに理解がしづらい、理解できないというケースは神経発達症の可能性も否めませんので、それは関係機関と連携しながら慎重に判断していく必要があります。

 

アウトプットも試した、インプットも試した、それでも中々成績が伸びないというケースの場合は、最初の段階で比較的一番取り組みやすい科目で勉強のやり方を「教え込む」手法を取ります。

 

数学の計算式を全然書かない、書いてもあちこちに書いて何を書いているのか自分でもわからないというケース、英単語を読まずに記号のように丸暗記をしてしまっている生徒、学校ワークを時間をかけて、ほとんど空欄で答えを赤で書いているだけの生徒、理科や社会の用語を用語だけ丸暗記をしている生徒などなど、挙げればきりがないのですが、「勉強もやり方」がかみ合っていないケースも往々にしてあります。

 

アウトプット、インプット、勉強のやり方、この3つの改善を行うことで、大半の生徒は良い流れになったり、好循環が生まれてきます。好循環になると「わかることが増え」、「楽しくなってくる」わけですから、自分でも勉強するようになっていきます。

 

成績が芳しくない生徒は、「やるべきことをきっちりとやらない」、「学習習慣が本当についていない」、「アドバイスを受け流す」、「勉強時間を確保しない」などといった課題があるわけですので、その辺りからの指導を行わなければならないケースもよくあります。

 

勉強はやればすぐに結果が出るというものでは決してないということをご理解頂き、『正しい方法で正しく行う』ことでご縁のあったお子さまの成績向上、学習意欲向上に全力を傾けていきたいと日々考えております。

 

それぞれのタイミングを適宜見計らうのはご家庭では中々難しい部分もあることと思いますので、我々のような私塾が役割が果たす必要がございます。

 

そういったインプット(知識の吸収)の問題、アウトプット(問題演習)の問題などを色々と試行しながら、お子さまの弱点の分野、単元、やり方などを修正していく時間が必要となります。

 

もちろんできる限り最短距離で成績向上、学習意欲向上を目指していく努力はさせて頂くのですが、ブレイクポイント(大きく伸びる地点)までには紆余曲折があり、比例のグラフのように右肩上がりにいくことは非常にレアケースです。(もちろん、我々も驚くほどの比例のグラフ並みに右肩上がりに伸びるお子さまもいらっしゃいます)

 

ただ、ご入塾頂いた地点がどうかによって、習熟度を探っていく時間がかかるケースもあることはご理解頂ければ幸いです。

 

知り合いの塾長さまが非常にうまい例えをされていましたので、ちょっと内容を拝借して、書かせて頂きます。

 

『「うちの子には天然水が合うのか、それとも硬水が合うのか、やっぱり軟水なのか」ということで、転塾を繰り返す方がいらっしゃいます。一番大きな原因である『バケツに穴があいている』所を防ぐことなく、どの水がいいのか探されている方が多い』と。

なるほどと膝を打ちました。

バケツの穴を修復しないで、上から違う水を注いでもただ下に流れていくだけ。言い得て妙です。

 

是非しっかりとバケツの穴を修復できる塾を探して信じて託して頂ければと思います。

我々も託して頂ける塾になるよう精一杯精進して参ります。

 

もっと詳しく色々お伝えしたいことはありますので、また随時続編を書いていきたいと思います。

 

【中学生の場合】

インプットもアウトプットも問題がない(オール4以上) → @willで応用・発展問題を中心にトップ校(市西・西宮東・須磨学園)を目指す

インプットを丁寧にやっていく必要あり(オール3以上) → eduplusで丁寧に例題・基本から基礎を徹底して、公立中堅校(鳴尾・西宮北など)を目指す

 

2があるケース → 基本的内容が理解が不十分な場合は、復習時間を週に複数回とってもら、前学年(前々学年)からの復習だけを行う時間を取ります。

 ※提出物の問題、学校の授業中寝ているなどといった問題での2の場合は、生活態度を見直す必要があります。