塾長コラム
早いもので7月が目前です。中学生の期末考査が終わり、現在、高校生の定期考査真っ最中という時期で、高1生が高校の勉強の難しさ、スピードの速さ、中学校までの先生の授業との違いなどで、洗礼を受けている時期だと思います。
また6月中旬からの三者面談シーズンではご多忙の中、お時間をお取り頂き有難うございます。
特に三者面談初日は、あの大阪北部地震が発生した日となり、特に弊社の保護者の方々や生徒の皆さんの事故やケガなども含めたお話は伺っておりませんので、大丈夫かと存じますが、結構な地震でしたので、通勤、通学途中で大変な思いをなされたことと存じます。この後大きな地震が来ないことを祈りつつ、平穏な毎日が続くことを期待するばかりです。
さて、最近感じることをつれづれなるままに書き連ねたいと思います。
今年度からアドバンスは、生徒自ら主体的に考え、行動をすること最優先に考えた授業を行っており、現在3ヶ月を過ぎた頃ですが、高校生、中学生はもちろん、小学生が一番慣れてくれているのではないかと感じている次第で、人間の適応能力の凄さを感じている次第です。
なぜ、主体的に考え、行動することを最優先するのかと申し上げますと、もちろん、大学入試を含め、教育改革という影響もありますが、長い人生、いってみると入試というのは1年、多くて3年のちっぽけな年数です。その受験のためだけに、主体的に考え、行動することを目的としているわけではありません。
他の動物と違って、人間は唯一「考え、表現し、創作すること」ができる動物であるからこそ、古代から現代まで文明が栄えてきたのは自明の理であります。
その「考えることを放棄してしまっていたり」、「すべてを誰から与えられるのを待つ」という生徒が少しづつ増えてきているのではないかという危機感もあり、「自分で考えず、教えられることに慣れきってしまっている」のが普通と思っている怖さも感じておりました。
少し前の高校生でしたが、英語のテスト勉強を少し手伝った際に教科書を開き、シャーペンを持ち、ノートを開き、「さぁどうぞ」という様子で、自分は何も考えず、答えず、こちらが説明するのを待っているなんていう状況がありました。
『勉強は教えてもらうものではなく、自ら学ぶものである』
非常に本質的なことを捉えた言葉だと思います。
例えば、一般的に『成績が伸びる、勉強ができる子』ということで考えてみたいと思います。
成績が伸びる、勉強ができるというのは、色々な要素があるとは言え、集約すると次の3つです。
① 素直である
② 疑問に持ったことを解決しないと気が済まない。徹底的に調べる。
③ 安易に「大丈夫」や「自分なりに頑張った」と言わない
①の「素直である」というのは勉強に関係あるのかと思われる方がいらしゃるかもしれませんが、大いに関係があります。
自分のこだわりを持つこと自体を否定するわけではありませんが、こと勉強においては、こだわりを持ちすぎたり、自分のやり方に固執することは百害あって一利なしと言えます。素直に先生や講師のやり方を聞いて、採り入れてみるという柔軟な考えをすぐに実践する方が後々の伸びが違います。
②の疑問に持ったことを徹底的に調べる。解決しないと気が済まないについてですが、間違いなく勉強ができる生徒は、ここが徹底しています。例えば、定期テストで98点を取り、悔しくて悔しくてその2点の箇所を徹底的に調べて、次回同じミスをしないということを普通に行います。
逆に勉強ができない生徒においては、75点を取って、なんとなく満足して、25点分の間違いをそのままにします。特に気にしないのです。
これは成績が伸び悩むケースの典型です。もし勉強ができる生徒であれば、たまたま勉強が疎かになったテストで75点をとってしまうと、残りの25点分を徹底的に調べないと気が済まないはずです。
わからないことを放置しているほうが嫌なのです。テキストや参考書、ノートを徹底的に調べて、対処します。ですから、次は90点以上100点を取れていくのです。
③の「大丈夫」と安易に言ったり、「自分なりには頑張った」という表現を普通に使ってしまう生徒も成績が伸びにくい傾向にあります。
「大丈夫」や「自分なりに」という言葉は、自分自身を自分でSTOPさせる言葉ですから、それから先をやろうとしませんし、そういった思考回路になりません。
この3点、意外と気づいていない生徒の皆さん、保護者の皆さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
最初に戻りますが、「教えてもらう」ことに慣れきってしまうと、自ら能動的に学ぶ機会を逸するだけでなく、いろいろなことを「考える」チャンスを失ってしまいます。
疑問に思ったことやわからないことをまず自分で考え、自分で調べること、これが勉強ができるようになる第一歩です。今、勉強を苦手としている皆さんは、まずこの部分が不足しているはずです。誰かが何とかしてくれるとまでは言わなくても、自分自身の能動的な動きが少なすぎるのです。
「教えてもらう」ことはきっかけを得る一つのチャンスであり、それだけに頼っているうちは、本当に意味での成績が伸びる、勉強ができる生徒になれません。教えてもらうことから脱却して、「自分自身で学ぶ」ことができ、「考えることができる」生徒を養成したいと日々実践を進めております。
餌を与えるだけでは、親が死ぬとその動物はエサを自分で取れず餓死します。しかし、エサの取り方を教え、自分自身で取れるようになると生き延びることができるわけです。
これがAHBの本質です。