塾長コラム
早いもので、年の瀬近くとなりました。われわれは、まだまだもうひと仕事、ふた仕事も年末年始は残っておりまして、年末のつかの間の休みも体調を崩して、年始の受験生に迷惑をかけないことを最大限意識をしておりますので、何かと落ち着かない日々を過ごします。
もちろん、年が明けると、すぐに高3生のセンター試験、一般入試、中3生の私立入試、推薦特色選抜、複数志願選抜と落ち着く間もなく、立て続けに入試が続きますので、体調管理が一番の課題になることは言うまでもありません。
今から20年前頃でしょうか、サラリーマン時代で東京に勤務していたころ、大人のはしかに罹患してしまい、高熱を下げるために使用した薬の影響で肝機能の数値が極端に悪くなってしまい、約1ヶ月間の入院生活を余儀なくされたことをふと思い出します。非常に同僚の方には迷惑をかけてしまい、申し訳なく思ったことがありました。
ところが、今、そんなことに万が一なってしまえば、アドバンスが開館できない日が出てしまうなど大変なことにもなりかねませんので、何はともあれ、健康管理を第一に考えるという習慣がついております。
さて、これを書いております数日後には、いよいよウインタープログラムが始まります。
過日には、ウイプロ担当講師陣が全員集まり、ウイプロの各学年、各生徒別の進度の注意点、科目の注意点、どの問題まで行い、この問題は飛ばすとった打ち合わせ会を行いました。事前に担当する講師陣が顔を合わせて、意思を統一して、ウイプロに臨みます。これは創立以外続けてきているアドバンスのスタイルです。
またウイプロの打ち合わせとともに行うのが講師研修です。
毎回テーマを決めて、ディスカッションをしたり、プレゼンをしたり、模擬授業をしたり、1対1でワークをしたりなど、いろいろ工夫を凝らしながら、スキルの向上はもとより、講師間の連携、情報の共有などに役立てるよう努力しています。
今回の研修の中の一つに「褒めること」をワーク課題にしました。
普段、面と向かって「褒める」ことを行う機会はあまりありませんので、こういった機会に「褒める」ことの効用を実感してもらえれば、生徒に対しても「褒める」ことが自然にできるのではという思いもありました。
以前小職も、セミナーやコーチングの研修などで、このワークをやったこともございますが、案外言葉が出てこなかった記憶もあり、やはり普段からいろいろなことをもっと考えるべきだったという反省をしたことを思い出します。
このワークでは、ペアになって、1対1の交代制で、1分間、ひたすら目の前の人の良いところを見つけ出し、褒めます。
褒められた人は、その内容をひたすら傾聴し、その内容を確認し、何個褒められたかを記しておくというやり方です。
1分で交代し、またメンバーを変えていう方法で何回かこのワークを繰り返しました。
講師の感想はと言いますと
『少し恥ずかしい気もしますが、褒められるとすごく嬉しい。自分のことを見てくれていると感じる』
『褒められたところはこれからも頑張っていこう(維持していこう)と思える』
『自分では気付いていない長所を褒められると意外だがうれしい』
『あまりにも自分の予想と離れていると実感がない』
『自分ができていると思うことを褒めてもらえると承認されてうれしい』
『褒められることに関しては全く悪い気はしない』
『自分が思っていたことと合っているとうれしい』
『具体的に褒めていただいたので嬉しかった』
『自分のことを見てくれていることが嬉しく感じた』
『いい気分になった。普段は気づけない自分が思っていないことに自信がもてた』
『褒め続けることが非常に難しいことがよくわかりました。これからは生徒に対してももっと褒めてあげたいと思います』
などといった感想を記入してくれました。
ここで面白いなと思ったことは、やはり自分が考えていること、感じていることに対して褒められると承認欲求が満たされて、非常に嬉しい気分になる反面、それがあまりにもかけ離れていたり、実感がなさすぎることを褒められると逆に実感がなくなるという現象が生じるということです。
これは教育コーチングでもよく言われることですが、
『褒めるタイミングと内容を間違えるな』ということです。
例えばテストで100点を取った生徒を褒めるときに、その点数だけをフォーカスして褒めてしまうと、次に90点の時には褒められなくなるというようなケースです。
あくまでも結果ではなく、その途中経過に注目して褒めるべきということです。
さきほどの例では、『○○ちゃん、今回のテストは早くから勉強をスタートして、夜も遅くまで本当に頑張っていたね。お母さんはその姿をみてとっても嬉しかったよ。その努力の成果が今回の100点だよね。』
点数をもちろん引き合いには出しますが、点数だけではなく、その途中経過を褒めています。
「褒めること」。簡単なようで中々難しいこの動作。是非、いろいろ視点で、お子様の良いところを探して、ちょっとしたことでもその経緯、努力を褒めてみられてはどうでしょうか。我々講師陣もこれから更に褒め上手になれるよう努力していきたいと思います。