塾長コラム
早いもので師走に突入する時期となりました。
今年の中学校の教科書改訂の影響で、中学生の定期考査の傾向も変わり、難易度が上がったため、本当に中学生が苦労している状況です。特に中1生が大変な思いをしている様子が窺えます。例年、中1生の入塾はまだ塾は早いと思われるのか、少ないことが多いのですが、今年に限っていえば、おかげさまで中1生が非常に多く入塾して頂いています。これは裏を返せば、中1から塾で学校教育の補完をしなければならないほどの教科書改訂であるということになるかと思います。
小学生の時期からお預かりして、小学英語をしっかりと仕上げた生徒は順調に進められていることを思うと、小学校での小学英語と中学英語とのカリキュラムの連携が取れていないことを痛感します。おそらく、今年の中学教科書改訂で一番皆さんが驚かれているのが「英語」だと思います。
小学生までは、つづりは書けなくて大丈夫、意味がわかればいいという考えのもと、中学に入るわけですから、綴りが書けない中1生が続出するわけです。アドバンスの小学英語では、もちろん小学英語のカリキュラムに則り、聞く・話すを中心にしていますが、やはり書くことも重視した指導を行っており、それが非常に有効であることが証明されたわけです。
中学英語も、小学英語でざっと色々なことを習得してきている前提で、軒並み上位学年から下位学年に単元が降りてきており、英単語の倍増(1200語→2500語)ともダブルパンチの状況です。
中3は、最近「仮定法過去」に入りました。
中2は、callAB、makeAB、現在完了をしています。
中1は、過去形をやっています。
それぞれ、高1内容が中3に、中3内容が中2に、中2内容が中1に降りてきて、しかも時期も早まっているという状況です。
もう一つ忘れてはいけないのは、定期テストの中身、出題傾向の変化です。
論理的思考力を高める問題、考えて解かなければならない問題の比率が増え、単純に知識を覚えただけの問題比率は少なくなっており、機械的に丸暗記をすれば何とかなるという問題ではなくなっています。しっかりと内容を理解し、演習を徹底して行うことで、なぜそうなるのかをきちんと理屈立てていないと点数が取れないという問題傾向にシフトしていっていることは間違いありません。
こんな大変な中学校の教科書改訂でしたが、いよいよ来年は高校生の教科書改訂がスタートします。
高校は年次改訂で進んでいきますので、現中3生(新高1生)が高1になる来年4月に、高1の教科書が改訂され、高2になる再来年に高2の教科書が改訂されるという形になります。
現高1生以上の高校生は、今までの学習指導要領で高3までいきます。
ただ、現中3生が高3になり、共通テストを受ける年から、共通テストも変わりますので、現中3生以下の皆さんは、本当に心してかからないといけない大きな問題です。
中学校の教科書改訂ですら、ここまで大変な思いをしているのですから、高校の教科書改訂では、今の中学生以上の苦労が確実に予想されます。
それでなくとも、よく「高1の壁」と言われますけれども、高1に進級して、学校の授業の速さ、内容の難しさ、部活の大変さ、行事の大変さなどから、中学時代とは体感的に5倍、10倍大変だと言われる高1生。
とある調査によりますと、高1で挫折感を感じた生徒は86%と9割近くの生徒が高1で勉強に苦労しているとのことです。そのうち半分程度は高校の授業にもついていけなくなってしまっているというデータもあるようです。
中学までは授業についていけなくなるというのはレアケースかもしれませんが、高校では半分の生徒が授業についていけていないという現実があるということです。
かと思えば、ブログでも書かせて頂きましたが、中学からお預かりして、第一志望の高校に進学した高1生は、入試終了後からすぐに高校内容に切り替え、徹底して先取りを進めました。部活も大変な部活に入部し、テスト前でも中々休みがないという状況の中でも、余裕をもって先取りを進め、テスト前には何度も何度も問題集を解いて、自分のものにして、非常に順調に進めているという生徒も居ります。
ちなみに280名中、1学期中間が20位、1学期期末には19位、2学期中間は、なんと6位と一桁台です。ご本人の努力はもちろんですが、モチベーションと先取り学習の大切さを感じて頂けるエピソードだと思います。
いよいよ、ウイプロです。全員先取りは必須ですので、できる限りの先取りを進め、取戻しが必要な生徒には取戻しをしっかりと行い、「定期考査は取れて当たり前、実力をいかにつけることができるか」という方針のもと、全力で邁進して参ります。ご協力よろしくお願いいたします。