2021年03月26日

子どものやる気を引き出す!親のアプローチ


 恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆ 通信簿を話題に、いろいろな話をしよう! ☆

 

◇学校の通信簿が返ってくる頃だと思います。この通信簿を見て、子どもに何が言えるか。今回は、これをテーマにしてみます。

 

◇通信簿の評価が良ければ、子どもは嬉しいし、悪ければ悲しいものです。通信簿で一喜一憂するのが、子どもです(表面的には気にしていないように見えるけれども)。また、それと同じぐらい、お母さんもお父さんも一喜一憂しているのではないでしょうか。しかし、ここが、親の踏ん張りどころなのです。通信簿を子どもと見ながら、いろいろなことを話すことです。良い評価も悪い評価も学校の先生の評価を噛み砕いて話し、お母さんやお父さんの評価も学校の先生とは別に伝え、子どもを全体的に評価してあげるようにしたいものです。

 

お母さん:小学4年生の最後の通信簿は、どうだったの?

A君 :別に。こんなもんじゃない。

お母さん:見せてよ。

A君 :いいよ。はいっ。

お母さん:算数が、よく分かっているみたいね。

A君 :たまたまじゃない。

お母さん:そんなことないわ。A君は、算数頑張ってたとお母さん思うけど。

A君 :そうかな。ちょっと勉強しただけだけどね。

お母さん:A君が頑張ったことを、先生もちゃんと見ていたのね。先生のコメントに良いこと書いてあるじゃない。A君は、みんなと協力して学級発表会をやったんだ?

A君 :みんな協力してたから、僕だけじゃないよ。

お母さん:A君は、小さい頃から、みんなと協力して何かをするのが
好きだったよね。お母さんは、そういうA君の姿勢がとっても良いと思うわ。

 

◇通信簿を見ながら、こんな会話をしてみてはいかがでしょう。成績だけに拘らずに、良い点や悪い点を具体的に確認して、次の学年の生活目標を決めても良いし、子どもに対する親の評価を伝えても良いと思います。とにかく、成績だけに関心を示すのではなく、子どもの生活や行動に関心を示して、通信簿を一緒に見ていくことです。

 

お母さんやお父さんは、子どもの行動の結果以上に、行動そのもの、つまりプロセスに注目した方が良いのです。良い結果を作るのは、良い原因だからです。子どものうちは、結果よりもその結果を出したプロセスに注目するようにしてください。

 

 

☆話の前提を共有する! ☆

◇今回は、コミュニケーションの前提について書きたいと思います。

 

◇アメリカの心理学者が、コミュニケーションに関する実験をしました。どういう実験かというと、二人一組になって、一方が手で机を叩いて相手に曲名を知らせるという実験です。実験する前は、かなりの人が曲名は当たるだろうと思っていたそうですが、結果は大外れだったそうです。相手に対してただ手で机を叩くだけでは、曲名は、全く伝わらなかったのです。

 

◇私もこの実験を知って、数年前に子育て講演会で、参加していただいた15名のお母さん、お父さんにこの実験と同じようなことを行ってみました。まずシンプルな曲の「さくら」を机を叩いて聞かせてみました。

 

なんと一名のお父さんが正解でした。その他の14名の方は、全く曲名すら思いつきませんでした。続いて、スマップの「夜空ノムコウ」を叩きましたが、誰もわかりませんでした。誰からも曲名すら出てこなかったのです。そこで、今のは、スマップの曲ですとヒントを与えてみたら、数名の方が、すかさず答えを言ってくれました。

 

◇この実験で分かったことは、コミュニケーションを理解するためには、理解する前提なり、理解を助ける文脈が大切だということです。自分だけで思っていることは、子どもには全く分からない可能性があるのです。

 

ですから話をする前に、相手に話の前提を示さなくてはならないのです。前提や文脈を、親と子どもが共有してこそ、話の理解が図れるのです。そのことを、この実験は教えているのです。頭の中に音楽が流れているからこそ、手を叩くだけで曲になっていくのです。もし、そういう音楽が頭の中に流れていなければ、手で机を叩く音と音楽が結びつかないので、曲にならないのです。

 

◇つまり、子どもと話す時は、子どもと前提を共有することです。子どもが理解する文脈で話をすることです。そうしなければ、スムーズなコミュニケーションは、図れないと思った方が良いのです。