教務便り
ご無沙汰しております。安田です。保護者会、ガイダンス、私立高校入試、大学入試、推薦特色選抜と大きなイベントが目白押しの2月です。
私立高校入試では全員が合格してくれたので、ほっと一息をついたところですが、まだまだ入試は終わりではありませんので、これからも気が抜けない日々となります。
さて、今回は保護者会でもお話しさせて頂きました「2つのわからない」について、書かせて頂きたいと思います。
「わからない・・・」
怖い言葉ですよね。笑
学校でも習い、塾でも習っているのに「わからない…」どうしたらいいの!?というお気持ちになることもあるかと存じます。
しかし、この「わからない」という言葉が、実は曲者なのです。
大きく分けて、わからないには2つの種類があるように思います。
1つめは「能動的なわからない」
自分で疑問を持ち、参考書なり辞書なりで調べた結果、それでもここがわからないというケース。
この場合は、生徒自身で問題点がはっきりとしていますので、その部分を解説することで解消できます。
問題なのは、もう1つの「受動的なわからない」です。
この場合は、1つめの能動的なわからないという生徒たちと比べて、深く考えていないケースが多いのが特徴です。
これらのわからないで多いのが、単に単語の意味がわからないから訳せない。もっというと、ページを開いて難しそうだから、わからないという。そんなこともあります。笑
つまりは「教えてもらうことを前提にわからない」と言っているケースです。
しかし、単語の意味などは自分でも調べることができます。また、一見難しそうに思えるものでも、落ち着いて解き進めればできるものも多くあります。
そうはいっても、わからないといわれると、気になるのが保護者の方だと思います。
そこで、どちらの意味で「わからない」と言っているのかを見極めることが大切です。
これらを見分けるポイントは、質問の仕方です。
まず、してはいけない質問が、はい・いいえで答えられる質問です。
例えば「ちゃんと考えた?」
「学校で習っていないの?」などの質問では、「はい」「いいえ」の答えとなりますので、どちらなのかが、わからなくなります。
そこで、尋ねるときには、
「どう考えた?」
「どこでわからなくなった?」
という質問で、どちらなのかがはっきりします。
しっかりと考えていれば、その道筋を説明できますし、もし基本的な部分がわかっていなくても、ここがわからないという答えが出せると思います。
しっかりと考えていなければ、答えが曖昧であったり、適当であったりするはずです。
そしてこれらの見極めは、教える側だけではなく、教えてもらう側にとっても、大きな意味を持ちます。
それは、自分が考え切れていないことを自覚することが、これからの勉強にも大いに役に立つからです。
目の前の定期テストも大切です。
その点数に一喜一憂することも、よくわかります。しかし、せっかくの定期テストをそれだけのものにしてしまってよいでしょうか。
テスト勉強を見ていますと、やはり丸暗記に頼ろうとしている生徒も多くいます。
例えば、問題を解かずに答えを見ながら、オレンジペンで解答欄に答えを埋めて、あとはそれを覚えるという作業のような勉強。
もったいないです!
問題をまず解き、自分が出来なかった問題を、オレンジペンで書き入れ、その間違えたものだけを覚える。こうした方が「問題を解く力」も身につきます。そして、間違えた問題だけを覚えればよいので、効率的です。
なんでもかんでも覚えてしまえばテストの点数に反映できるというものではありません。
その勉強では、いつか覚えきれない量が出された時には破綻してしまいます。
解くのに時間がかかるから、覚える時間が取れないからと理由はあるかもしれません。解くのに時間がかかるのであれば、少し前からスタートすればいいだけです。
勉強は作業ではありません。
無味乾燥な作業にしてしまう前に、まず考えることを、そして、自分のわかるところ、わからないところをしっかりと区別して、勉強するという方向に舵を切ってもらいたいと思います。
いつから勉強すれば間に合うのかという見積もりと、考えて進める勉強を、是非、生徒の皆さんにも意識してもらえれば、嬉しく思います。
定期テストが取れれば、入試は合格できるかというと、それはまた別問題です。日々の積み重ねが、大きくものを言います。
日々、コツコツとした学習習慣を持てるよう、スマホを触る時間を、少し勉強に向け、高校生は学習記録をStudyplusに入力して、自身の勉強履歴を積み上げていってもらいたいと思います。
学年末で勉強してきた習慣を、是非日々の生活にも取り入れていきましょう!