2019年11月27日

子どものやる気を引き出す!親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

 

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆ 親らしく生きない1 ☆ 

 

親が問題と捉える子どもの行動のほとんどは、子どもが親からの注目を得ることで、家庭内での自分の存在を確認するためです。

 

ですから、子どもの行動が問題だと感じたら、親の注目の仕方を変えると、まるで何もなかったかのように問題が解消することが多いのです。

 

昨今の両親は、昔に比べて忙しく余裕がないようです。

その影響が子どもに及ぶと、様々な問題が生じてきます。子どもの世界も課題で溢れています。

 

これらの課題を克服するためには、子どもが親から関心を寄せられているという実感を持つことができると、自分は価値ある人間だと実感し、課題に取り組む勇気が湧きあがるのです。

 

子どもは、そのエネルギーを獲得する為に、親から注目を得ようとするのです。

 

さて、親は忙しい。子どもの細かい行動に目が行き届きません。

 

そこで、子どもが親に関心を示されていないと感じれば、課題解決のためのエネルギーを獲得できません。

 

そこで、なりふり構わず、注目を得ようとするのです。

 

例えば親が忙しい時に、

 

子:「ねーねーお母さん聞いてよ!今日、学校でね…」

 

親:「今忙しいから、後でね!」

 

しばらくして、

 

子:「ねーねーお母さん。今日…」

 

親:「今、お母さん何しているかわかるでしょ!あなたの話は後で聞くって言ったでしょ!」

 

子:「……。(後でって、いつ!?お母さんは自分の話を聞いてくれない)」

 

となるかもしれません。

 

それでも、親の関心を得ようとすると、

 

親:「(子どもの顔を睨みつけて)何度言ったらわかるの!?お母さんは今忙しいの!」

 

子:「(ヤッター!お母さんがちゃんと僕の方を向いてくれた!!)」

と、叱られているのにも拘わらず、注目を得られたことに満足し、

「親が忙しい時(いつも忙しそうですが・・・)に声をかけよう!」

と新しい行動を学ぶのです。

 

このようにして、親が問題だと思う行動が始まり、継続してしまうのです。

 

まずは、普通の忙しい親を子どもの前では一旦棚上げすることです。

 

子どもは1時間も親に話をしようとはしないはずです。精々10分位のことでしょう。

子どものエネルギーを高めるか、それとも将来に渡ってエネルギーを消失させてしまうことを考えたら、決して長い時間ではないはずです。

 

 

子:「ねーねーお母さん聞いてよ!今日、学校でね…」

 

親:「ごめんね。今、どうしてもおかあさん手が離せないから、あと30分位したら、終わるから、後で聞かせてくれる」

 

子:「うん。わかった。」

 

30分経過したところで、

 

親:「さっきは、ごめんね。あなたの話を聞かせて?」

 

子:「あのね。今日、学校でね…」

 

親:「(子どもの顔をしっかり見て)ふん。ふん。そんなことがあったの…。それで、どうしたの?」

 

子:「それでね、…」

 

親:「そうだったんだ。それは、楽しかったわね!」

 

子どもにとっては、これだけでいいのです。

 

是非、少しの時間でいいので、子どもの話を聞く時は、普通の忙しい親を棚上げしてみて下さい。

 

現在、そして、将来の子どものために。

 

 

 

☆ 親らしく生きない2 ☆  

 

 

「子どものために何かしてやらなくては…」と親は思うことがあります。しかし、実際に行動する時には、子どもの感覚には注意が必要です。なぜなら、何かしてあげたいと強く思うほど、段々と「子どもに何かしていないと、親ではない!」という信念に代わり、親の存在価値を得るため、必要以上に、または、不必要にアプローチしてしまいがちなのです。

 

これは、子どもにとって迷惑だというだけでなく、親が問題だと感じる子どもの行動(親に対する反抗や親の言うことをきかない)を誘発してしまう恐れもあるのです。

 

「いつまでゲームしているの!早く勉強しなさい!」

「いつもでも寝ていないで早く起きなさい!」

「自分の部屋なんだから、片づけなさい!」

「忘れ物しないようにしなさい!」

「遅刻しないようにしなさい!」

 

などの指示命令や、子どもに足りないと感じる部分ばかりに目を向けアプローチしていると、子ども(特に思春期)は、「なんで私のことに親は口出しをするんだ!自分のことは自分でやるし、自分のことは自分で責任を取るのに…」と感じるようになります。

 

親:「遊んでばかりいないで、少しは勉強しなさい!!」

 

子:「わかってるよ!」

 

親:「何がわかってるのよ!全然、勉強しないから言ってるんじゃない!」

 

子:「だから、わかってるって言ってるじゃん!!!」

 

親:「何!?その言い方。あなたが、勉強しないから言っているんでしょ!お母さんは何か間違ったこと言ってる!?」

 

子:「だから、うるさいんだよ!」

 

親:「何、うるさいって!!親に向ってなんていう口のきき方なの!!!」

子:「本っ当、うるさいなー…(その場を立ち去る)」

 

これだけで済めばいいのですが、その後、部屋にこもったり、顔を合わせても口をきかない、無視をするようになると、オロオロしてしまう親は少なくありません。

 

これは、頻繁な親の指示命令が引き金になり、子どもには「自分は親にコントロールされている」という理不尽さを招き、反抗や無視を引き起こしているのです。

 

これは、自分の生活についてのコントロール権を廻って、権力争いを挑んだ子どもの行動なのです。「どちらが、力があるのか確かめようじゃないか!」そんな姿勢なのです。

 

こんな場合、子どもの態度を責めるのは禁物です。

 

プロセスを振り返っていただければわかるように、親のアプローチに喧嘩を売る意思があろうがなかろうが、子どもにしてみれば、きっかけは親にあると感じているからです。

 

親が子どもの態度にいらだちを感じ、なめられちゃいけないと感情的になっていると理解できたのなら、一旦、言い争いの土俵から降りることをお勧めします。

 

親が子どもに勝っても負けても、子どもの学びはリスキーです。

 

「この世は力関係で成り立っている」と学び、力を得ることを目的に行動するようになってしまう可能性があるからです。

 

「負けるが勝ち」ということわざがあります。今、引き下がったとしても、後々、子どもが自律的に行動できるなら、勝ち負けではありませんが、親としては安心できるでしょう。

 

「親だから、何かしなくてはならない」から「今、そして将来の子どものために何がベターなのか」に、意識を向けてみましょう。