2014年01月22日

塾長コラム


早いもので大学入試センター試験も終わった段階でこの原稿を書いております。
 これから高3生の私立一般入試、中3生の私立高校入試、公立推薦入試、特色選抜と入試が連続する時期となりました。
 毎年この時期になりますとメンタル面でのケアも必要になるので、不用意な言葉を発することには慎重になります。ただ、ここは伝えておかなければその子が将来だめになると思った時には細心の注意を払いつつも少し厳しいことを伝えたり、ぐっと我慢して言わないことも多々あります。
 生徒たちも焦る気持ちから、色々な問題集を無計画にやり始めてしまい、結局、これも終わらない、あれも終わらないと不安を増やすだけになってしまっても困りますので、適切なアドバイスを行うようにしています。
 お子さんが100人居れば100人とも姿、性格なども異なりますので、どのタイミングでどういった状況で話をするのか、しないほうが良いのかなどを過去の経験と自分自身のポリシーに従ってこの12年間やってまいりました。
 こちらの考えることをあうんの呼吸で受け止め、すぐにその行動に出せる生徒。
 伝えてあげれば、着実にそれを実践しようと頑張っていくことができる生徒。
 相談してきた時に適切なアドバイスをしてあげれば、安心して進んでいける生徒。
 こちらからある程度伝えてあげなければ動くことができない生徒。
 自分なりにしっかりと進められており、少し軌道修正が必要な時だけアドバイスをしてあげればいい生徒。
 こちらが言うことは反発するので、自分で一度やらせて結果で判断させた方が良い生徒。
 厳しく伝えても「自分のことを思ってくれて言ってくれているんだ」と考えることができる生徒。
 厳しく伝えると萎縮をしてしまい、だめになってしまう生徒。
 与えられることに慣れてしまっていて、こちらから指示を出さないと動けない生徒。
 このようにTPOによっては、経験が役に立つこともあれば、経験が邪魔をしてしまうこともあったりします。基本はその子の性格や行動パターンをつかむことだと思います。
 ただ、難しいことに、あまりにも入りこみ過ぎると、わが子や親戚の子のような感覚になってしまうと、冷静な判断ができなくなってもいけませんので、そのことは常に意識をして、客観的にその子のことを色々と考えるようにはしております。この1年辛いことも大変なこともたくさんありましたが、高3や中3生が「合格しました!」という電話や合格通知を持って来てくれる時はこの仕事をしてて、やりがいを感じられる瞬間になります。
 受験生には最後の追い込み、メンタルケアも含めて必死で取り組んでいきたいと思います。
 閑話休題
 塾と言っても、集団指導、個別指導、自立学習と大きくこの3つの流れがありますが、それぞれ一長一短があり、また先ほどのお話ではありませんが、一人一人の性格や習熟度は違いますので、どのタイミングでどれが一番良いかというのは中々難しい問題ではあります。
 一般的に「個別指導は成績が伸びにくい」と言われる問題を少し考えてみたいと思います。
 一般的な個別指導のメリットは、生徒一人一人の習熟度、スピードに合わせ理解に応じて進めていくことができる点だと思います。ただ、逆にデメリットとしては、生徒にペースに合わせるので進度が極端に遅くなってしまったり、講師と少し馴れ合いの関係になってしまったり、半個室ブースで競争原理が働きにくくなるということになります。
 一般的に講師の問題であるととらえがちですが、個別指導の体制の問題であり、講師の力量や指導力の問題にすりかえてしまうことは本質から逸れてしまうことになります。
 弊社の個別指導であるスーパーハイブリッド(SHB)は1対4の個別指導でOneトレというプリントを使用して、スモールステップで生徒がやった感を持って進めることができることを意識しています。またパーティションでブースを区切るのではなく、オープンスペースで行っているので、集団授業のような活気やライバル意識を感じてもらえるように工夫しています。
 弊社もマンツーマン指導という1対1の指導を行い、ブースをパーティションで区切り、半個室化した時期もありましたが、上記のデメリットの方が大きく、今はオープンスペースとなっています。
 また一番の問題は、『遡行学習を行いにくいこと』に尽きると思います。遡行学習とは、できていない単元、過去の学年の単元に戻って学習することですが、1対1、1対2の個別指導は集団授業より授業料が割高になり、遡行学習をしたくても経済的に中々思うようにいかないというケースが多々見受けられ、結局、基本が積みあがっていない状態で、その上を積み上げる(学校の今習っていることだけを行う)ので、基礎がグラグラのまま、成績が向上しないというジレンマに陥るわけです。
 そのジレンマを解決するために、幣塾ではスーパーハイブリッド(SHB)の1対4で、料金は集団授業に近づけ、かつ遡行学習がスムーズに行えるような形にしているということになります。
 4人の生徒を担当する上で指導が手薄になってしまっては意味がないので、担当講師がしっかり対応するとともに、チューターの先生にも採点サポートに入ってもらったり、他の島の講師が採点サポートにも入るというシステムで講師全員で協力しながら、指導を行っております。
 このSHB(1対4個別)により益々生徒の学力向上、学習意欲向上に取り組んでいきたいと考えております。今後とも宜しくお願い申し上げます。