2024年03月21日

中学校の英語教育が・・・だから英語嫌いが増えている


小学校5年生から英語の教科化が始まり、小学3年生から英語教育がスタートしています。

前回の新学習指導要領で新しい教科書改訂になって、特に英語の難化が進み、弊塾のブログにおいても何度もその大変さをお知らせして参りました。

 

▶小6のお子さまをお持ちの保護者の皆様。中学の英語が戦後2番目に難しくなっているのをご存じですか?

 

▶新中1生の皆さん!中学校の英語のためにいち早く・・・

 

▶中学英語と小学英語の連携・・・ここにも教科書改訂の悲劇が

 

▶中学新教科書「中1英語」の凄まじさ

 

▶【特集】4月からの英語の教科書改訂を侮らないで下さい!

 

 

お時間がございましたら、是非、上記のブログをお読み頂ければと思います。

 

また最近興味深いデータも出て来て、「やはり、そうか」と現場を預かる英語科としては、非常にその取り組みが逆効果になってしまっていることを嘆くばかりです。

 

文科省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果です。

中学3年生の「英語4技能」の平均正答率は以下の通りです。なお,カッコ内は4年前の結果です。

 

・聞く力 58.9%(68.3%)
・読む力 51.7%(56.2%)
・書く力 24.1%(46.4%)
・話す力 12.4%(30.8%)

 

英語を話せる日本人を養成しよう、

中高6年間英語を学んでも英語を話せない日本の英語教育を何とかしよう

4技能(聞く・読む・書く・話す)をバランスよく向上させよう

 

と始まった新英語教育。日本人が英語を話せないコンプレックスを取り戻したいかのごとく、新しい英語教科書はありとあらゆるものを詰め込んでしまい、大いに消化不足になってしまっています。

 

これは中学校の英語の先生を責めているのではなく、現場の先生方は非常に苦労されて、授業を担当されていると思いますが、いかんせん、内容が濃すぎて、教える方もすべてを丁寧にやっていると、とてもじゃないけど、教科書が進まない、終わらない状況であることは一目瞭然です。

 

新しい単語、連語、新しい文法、教科書本文、ダイアローグ演習、WordBank、ペア演習、グループディスカッション、Read、Write、アクティブラーニングなどなど数えればきりがないくらいのボリュームです。

 

当然、端折る内容も出てくることでしょう。そうなりますと、その端折った所にあった単語や連語が既出単語として、違う場所で、当たり前のように既出単語として出てきます。そうなると生徒の方は、知らないことだらけになって、ますます英語へのモチベーションが低くなるという状況になり得ます。

 

英語を話せる日本人を養成しようと考えて新しい英語教育を始めた結果が、

話す力、書く力というアウトプット両方とも大きく低下しているという皮肉な状況です。

 

中学校の単語数が1200語から2500語程度に倍増しただけでも大概なことなんですが、いろんなことを詰め込み過ぎて、生徒の理解という一番重要な観点がおざなりにされてしまい、どんどん先に進むだけ進んで、とりあえず教科書を終わらせなければという現場の大変さがよくわかる状況となっています。

 

弊塾でも英語教育の大変さを身に染みて感じ得ており、昨年からは中2と中3で教科書英語というクラス授業を復活させました。あまりにも教科書本文の内容が理解できていない、単語を覚えていない、英文の理解が不足している、文法知識があまりにもおざなりになっているとの危惧からでした。

 

おかげさまで、教科書英語を復活させた結果、受講者の中では、英語ができるようになった、わかるようになったという生徒も多く(全員ではないのが悔しいところですが)、この形は当面続けていければと思っております。

 

なんで、こんなに日本の英語教育はだめなんだろう。文科省の頭のいい人が考えて作っているはずなのに、頭でっかちで現場のことをあまり見ていないからだろうか。もっと工夫すれば色々いいやり方はいっぱいあるはずなのに。

 

アドバンスにご縁があった生徒の皆さんには、英語嫌いに絶対にさせない強い気持ちで、取り組んでいきたいと思っています。

 

特に新中1生の保護者の皆さま。

 

「英会話やってたから大丈夫」

「英検3級小学校の時に取れているから大丈夫」

 

というわけでは決してございませんので、英会話、英検と学校の定期テスト、実力テストが取れることは全く別問題だというご認識を是非しっかり持って頂いて、お早めに英語対策を講じて頂ければと思います。(本来全く別問題であること自体がおかしいことなのですが、現実はそうなってしまっています)